死者の代弁者[新訳版](上) (ハヤカワ文庫SF)
A sequel to Ender’s story in which the adult Ender travels to a new world as a 'Speaker' and tells the stories of the dead. It explores misunderstanding with an alien species, cultural friction, atonement, reconciliation, and deep questions of ethics and religion.
Work Information
The grown Ender takes on the role of revealing the truth of the dead.
Winner of the 1987 Hugo Award for Best Novel, this Orson Scott Card novel extends Ender's story into religious and ethical territory. Japanese editions have been published under the title 死者の代弁者.
Book Information
- Publisher
- 早川書房
- Published
- 2015-04-08
- Pages
- 368 pages
- Language
- 日本語
- ISBN-13
- 9784150120030
- ISBN-10
- 415012003X
- Price
- 990 JPY
- Category
- 本/文学・評論/SF・ホラー・ファンタジー
エンダーによる異星種族バガー皆殺しから3000年後、銀河各地へと植民地を広げていた人類は、ついに第二の知的異星種族と遭遇した。新たに入植したルシタニア星に棲むピギー族が、高い知性を持つことが発見されたのだ。バガーのときと同じ過ちを繰り返さないため、人類は慎重にピギー族と接する。そのころエンダーは、姉ヴァレンタインとともにトロンヘイム星を訪れていたが……ヒューゴー/ネビュラ両賞に輝く続篇登場!
Reviews
-
一気にテイストがかわる
『エンダーのゲーム』に比べてテイストが一気に変わるが、これはこれで面白いし、深い
-
評価はまだ保留
「エンダーのゲーム」のあと、何から読むべきか悩んだが、これに行き着いた。まあ意外と読みやすいが、適切な順では無かったよう。でもこの著者の作品はリーダビリティが高い。よく設定がわからないのに、それなりに読める。評価は下巻読了後に。
-
SF炸裂!
「夏への扉」とか「幼年期の終わり」とか、the・Scifi的な物語は色々ありますが、 こいつだけ世界観、仕組み、文化などなど自分の知識を強制的に相対化させられる感じがSFの中でも群を抜いてる気がします。 SFは、現実と地続きだからこそ面白いですが、そのバランスが絶妙で読後感は何とも言えません。 おすすめです。
-
無知と偽りではだれも救えない。知ることでしか救えない。
傑作です。 エンダーシリーズの第2弾として発表された本書の時代設定は、前作「エンダーのゲーム」から3000年後の世界。 人類が居住可能なルシターク星と呼ばれる惑星を舞台に展開する物語で、前作とのあまりの雰囲気の違いに当初は戸惑うものの、エンダー自身が登場する2章あたりから加速度的に面白さが増していき、上巻を読み終えたとたん下巻に飛びつき、その後一気読みです。 人々の行いに隠された真の動機と理由をみつけ、人の死後にその人生を明らかにし、人間が生きることの価値を信じる人々の司祭として活動する「死者の代弁者」エンダー。 彼が誕生して3081年が経過した世界だが、恒星間高速移動により、エンダーの主観時間では36歳。 アンドルーと本名を名乗る彼が、実はエンダーその人だということ、更に伝説の書物「窩巣女王および覇者」の著者であることは誰も知らない。 人類は、ルシターク星で新たに見つかった知的生命体ピギー族に対し、3000年前の反省から過剰なまでの不干渉主義をとっている。ピギー族が住む地域と人類が植民した地域はフェンスで遮り、研究のために唯一接触を認められた異類学者、異生物学者にも厳しい制限規定を設けている。そんな異類学者の一人ピポがピギー族に殺害されたことから、なぜ彼が殺害されなければならなかったのか?との疑問が生じる。 本書はそういった謎解きの面白さと、恒星規模のネットワークを可能としたコンピュータネットワーク空間に住み意志を持つ存在ジェーンなど、SF小説ならではの知的好奇心をくすぐられる楽しさがあります。 また、人類が出会った知的生命体との共存のありかたなどは、地球上の現代人類における他民族との共存のあり方とみることもでき、著者の洞察力の深さにも感動を覚えます。 そして、エンダーを含め、罪の意識に捕らわれた人々の救済の物語でもあります。 オースン・スコット・カードの作品は、いずれの作品からも力強く心に響く言葉が感じ取れます。 たとえば 「無知と偽りではだれも救えない。知ることでしか救えない」 「汝は肥沃な土である。そこに緑を植えよう」 「協力関係が構築するには、共通の敵をみつけるのが一番だ」 「ぼくが来たのは指示するためでも指示されるためでもない。ぼくを対等者として扱わないのなら、ぼくも彼女を対等者として扱わない」 「もう死んでもいい。ライフワークをすべてやり遂げた」「だからこそ、いまから生き始めるんじゃないかしら」 「エンダーのゲーム」新訳発行から随分待たされましたが、ようやくハヤカワ補完計画の一冊として新訳でよみがえった本書。 同じくシリーズの傑作「エンダーズシャドー」とともに、寝食忘れて読書にのめり込む楽しさを味あわせてくれました。
-
エンダーのゲームからの発展
レビューがほとんど書かれていないのが残念。 傑作「エンダーのゲーム」の続編です。 ここには生物学、環境学等SF的要素を交えつつ「愛」と「社会性」に関する深い配慮が伺える素晴らしい作品です。 胸を打つ内容を秘めた傑作です。
-
無理にお薦めはしない。
前作「エンダーのゲーム」は基本的にアクションや戦闘シーンが多くその部分だけ興味を持ったとしても読み進むことは出来た。 今回は前作から約3000年後の宇宙植民星が舞台になる。 だが今作には「勝った負けた」の描写は全くない。 あるのは、 「信仰」(答を与えてはくれない、しかも支配する)、 もしくは己の「信念」(揺らぎやすい、そして脆い)、 そして共同体の共有価値観(軋轢や葛藤を生みだす) である。 これらの象徴としての「カソリック」の扱いがこの作品における「肝」である。何故ならば宇宙時代の植民星に於ける宗教は大航海時代や日本の戦国時代の昔から布教活動に並々ならぬ情熱を注ぎ続けた宣教師たちの齎した宇宙植民時代の「カソリック」なのである。しかもカソリックはとても政治(支配者、権力側)と結びつきやすいのだ。 そしてそれらに相対する(特殊な)信仰形態を持つ惑星の原住民(知性も高く好奇心強い)の存在がこれに絡むのである。 さてエンダー(代弁者というよりも調停者か)はこの世界でどんな行動をとるのであろうか? この設定(全てでは無い)に興味を持ったら読むべし。 あ、前作の登場人物も出てくる、あの女王さまもね。