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アベル・パレンティニ・ポッセ

アベル・パレンティニ・ポッセ

Abel Parentini Posse

ペンネーム: アルノー・ダニエル1968年のプラネタ賞応募時の筆名

プロフィール

性別
男性
生誕
1934-01-07 (コルドバ(アルゼンチン))
死没
2023-04-14 (ブエノスアイレス(アルゼンチン)) 89歳
国籍
アルゼンチン
言語
スペイン語, フランス語, ドイツ語(読解)
居住地歴
ブエノスアイレス(幼少期以降) → コルドバ(出生) → モスクワ(1966–1969) → リマ(1969–1971, 1998–2000) → ヴェネツィア(1973–1979) → パリ(1981–1985) → テルアビブ(1985–1988) → プラハ(1990–1996) → コペンハーゲン(2001–2002) → マドリード(2002–2004) → ブエノスアイレス(2004–2023)

経歴

職業
小説家, エッセイスト, 詩人, 外交官, 政治家, 大学教員, ジャーナリスト
活動期間
1959年〜2023年
所属
アカデミア・アルヘンティーナ・デ・レトラス(アルゼンチン文学アカデミー), アカデミア・ナシオナル・デ・ラ・エドゥカシオン(国立教育アカデミー), Instituto Sanmartiniano de Lima, SADE(Sociedad Argentina de Escritores)
所属団体
アカデミア・アルヘンティーナ・デ・レトラス(アルゼンチン文学アカデミー), 国立教育アカデミー(National Academy of Education), SADE(Sociedad Argentina de Escritores), Instituto Sanmartiniano de Lima
影響を受けた人物
ホルヘ・ルイス・ボルヘス, エルネスト・サバト, ロドルフォ・クシュ(Rodolfo Günther Kusch), マルティン・ハイデッガー, アレホ・カルペンティエール
ノミネート
プラネタ賞(1968年・最終選考入り、筆名アルノー・ダニエル)

学歴

ブエノスアイレス大学(法学部)
法学部 / 法学
期間: 1954–1958
卒業年: 1958
国: アルゼンチン
1958年に大学課程を修了。法学を学ぶ傍ら文芸活動を開始。
ソルボンヌ(パリ大学)
政治学(博士課程) / 政治学
期間: 1959–1961
国: フランス
奨学金を得てパリで博士課程を履修。チューンゲンでの半年間留学を含む。

受賞歴

ロムロ・ガジェゴス賞
1987
対象作品: Los perros del paraíso
主催: Fundación Rómulo Gallegos
結果: 受賞
プレミオ・インターナシオナル・エクストレマドゥーラ=アメリカ V センテナリオ
1992
対象作品: El largo atardecer del caminante
主催: Premio Internacional Extremadura-America
結果: 受賞
大十字勲章(国家勲章:民間功労勲章)
2004
主催: スペイン王国(王室)
結果: 受賞
アルゼンチン文学アカデミー 文学賞(1998–2001)
2001
対象作品: El inquietante día de la vida
主催: アカデミア・アルヘンティーナ・デ・レトラス
結果: 受賞
国立アルゼンチン文学賞(第3位)
1971
対象作品: La boca del tigre
主催: アルゼンチン(文壇関連団体)
結果: 受賞(第3位)
SADÉ 栄誉の綬(サッシュ・オブ・オナー)
1970
対象作品: Los bogavantes
主催: SADE(Sociedad Argentina de Escritores)
結果: 受賞
Premio Internacional Diana-Novedades(メキシコ)
1989
対象作品: El viajero de Agartha
主催: Diana-Novedades(出版社・賞)
結果: 受賞

受賞・候補エディション

  1. 受賞作: Los perros del paraíso

    歴史的事件と個人の運命を重ね合わせ、権力・暴力・欲望が交錯する群像劇を描く。寓話的要素と現実的描写を組み合わせてラテンアメリカの近現代を照射する。

    政治と権力暴力歴史寓話と現実

作品

代表作

Los bogavantes

1970年 小説(ネオリアリズム)

初期の長編小説。パリとセビリアを舞台に、1960年代のイデオロギー的緊張を抱える三人の若者を描く。

イデオロギーと若者個人と権力

La boca del tigre

1971年 小説

ソ連滞在の経験に基づく小説。権力と個人の関係、アメリカ性(americanidad)を問う要素が見られる。

権力批判アメリカ性(americanidad)

Daimón

1978年 小説(歴史的・バロック)

『アメリカ発見の三部作』の第一作。ロペ・デ・アギレーレの化身を通して、征服とラテンアメリカの悲劇を四世紀にわたって描く。

征服の再解釈歴史と暴力

Los perros del paraíso

1983年 小説(新歴史小説)

三部作の第二作。クリストファー・コロンブスを主題に、時間・空間を超えた語りで征服の意味とその余波を探る。

公式歴史への疑義文化衝突
翻訳
  • 英訳:The Dogs of Paradise(Margaret Sayers Peden 翻訳)

El largo atardecer del caminante

1992年 小説

三部作の完結編。アルヴァル・ヌニェス・カベサ・デ・バカを主人公に、回想を通して征服の別の側面を描く。

悔悟と赦しアイデンティティ

La pasión según Eva

1994年 小説(フィクショナル・バイオグラフィー)

エヴァ・ペロンの最期の9か月を多声音で描く伝記的小説。政治的イデオロギーを越えた理解を目指す。

政治と個人歴史の再評価

Los cuadernos de Praga

1998年 小説(伝記的要素)

チェ・ゲバラを主題にした伝記的小説。プラハ滞在の調査に基づく自伝的構造を持つ。

英雄像の再考個人の運命

El inquietante día de la vida

2001年 小説

19世紀末から20世紀初頭のアルゼンチンを舞台にした物語。家族と歴史、人間の内面を探る。

近代性家族史

Cuando muere el hijo

2009年 回想録/自伝的ノンフィクション

息子イヴァンの自殺を扱った自伝的記録。家族の悲劇と喪失をめぐる内省的な作品。

喪失家族の悲劇

Noche de lobos

2011年 小説(半伝記)

拷問と恋愛を巡る物語。ESMAでの拘束経験を持つ女性の証言を元に執筆された半伝記的作品。

暴力と愛記憶と証言

全著作

  • Los bogavantes (1970)
  • La boca del tigre (1971)
  • Daimón (1978)
  • Momento de morir (1979)
  • Los perros del paraíso (1983)
  • Los demonios ocultos (1987)
  • La reina del Plata (1988)
  • El viajero de Agartha (1989)
  • El largo atardecer del caminante (1992)
  • La pasión según Eva (1994)
  • Los cuadernos de Praga (1998)
  • El inquietante día de la vida (2001)
  • Cuando muere el hijo (2009)
  • Noche de lobos (2011)
  • Vivir Venecia (2016, 未刊行情報あり)
  • 各種エッセイ・詩・短編(別掲)

作家による翻訳

  • マルティン・ハイデッガー『Der feldweg』のスペイン語訳(サビネ・ランゲンハイムと共訳、1979)

作品の翻訳

  • Daimón(英訳:Sarah Arvio による翻訳, 1992)
  • Los perros del paraíso(英訳:Margaret Sayers Peden による翻訳, 1989)

作風・主題

文体
バロック風の文体多声音(ポリフォニー)メタフィクション的手法パロディーとインターテクスチュアリティ
頻出モチーフ
征服と植民地化の再解釈歴史と記憶ラテン・アメリカのアイデンティティ(americanidad)暴力と贖い

評価・遺産

アベル・ポッセは、ラテンアメリカの歴史を再解釈する『新歴史小説』の重要な作家の一人として評価される。外交官としての長年の国外生活が作品に距離と視点を与え、征服やアイデンティティ、暴力と記憶を巡る大著作群を残した。

関連学会

  • アカデミア・アルヘンティーナ・デ・レトラス
  • 国立教育アカデミー

大衆文化への影響

  • 1983年に開催したタンゴ・フェスティバル「Tango argentin」の企画者の一人としての活動

引用

  • 「信仰だけが癒し得る、優しさだけが癒す」
    出典: El largo atardecer del caminante(作品内の言葉として引用) (1992年)

豆知識

  • 1968年のプラネタ賞にアルノー・ダニエルの筆名で応募し最終選考に残った。
  • 息子イヴァンは1983年にパリで自殺(享年15)。この出来事をめぐる随想を2009年に出版(Cuando muere el hijo)。
  • 2009年にブエノスアイレス市教育長に就任したが、論争の末11日で辞任した。
  • ヴェネツィア在住中に『Daimón』を執筆し、同作はロムロ・ガジェゴス賞の最終候補にもなった。
  • 妻サビネ・ランゲンハイム(Wiebke Sabine Langenheim)と共訳でハイデッガーの作品をスペイン語に翻訳した。