-
第59回(1984年) 受賞受賞作: La Place
著者の父の生涯と自身の出自を冷静に記述する自伝的随筆。階級移動や家族関係が個人の記憶とどのように結びつくかを探り、簡潔で客観的な文体で社会的差異と個の体験を描き出す傑作。
家族史を通して、階級と記憶の輪郭が浮かぶ。
階級家族記憶自己分析
アニー・エルノ
アニー・エルノ
Ani Eruno
プロフィール
- 性別
- 女性
- 生誕
- 1940-09-01 (リルボンヌ、フランス)
- 国籍
- フランス
- 言語
- フランス語
- 居住地歴
- リルボンヌ(出生) → イヴェト(育った街) → ロンドン(一時滞在、オーペア経験) → セルジ=ポントワーズ(パリ郊外、長年の居住地)
経歴
- 職業
- 作家, 教師
- 活動期間
- 1974年〜
- 所属団体
- 英国王立文学協会(International Writer)
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| ルーアン大学 | — | 文学 | — | — | フランス |
| ボルドー大学 | — | 現代文学 | 高等学位(現代文学) | 1960年代–1971年頃 | フランス |
ルーアン大学
文学
国:
フランス
初等・中等教育の教員資格取得に向けた学習を含む。
ボルドー大学
現代文学
学位:
高等学位(現代文学)
期間:
1960年代–1971年頃
卒業年:
1971
国:
フランス
ピエール・ド・マリヴォーに関する論文作業が未完のまま終了。
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1984 | プラ賞(Prix Renaudot) | La Place(ラ・プラス) | — | Prix Renaudot 運営団体 | 受賞 |
| 2022 | ノーベル文学賞 | 業績全体 | — | スウェーデン・アカデミー | 受賞 |
| 2008 | プラ・マルグリット=デュラス賞 | Les Années(レ・ザネ) | — | Prix Marguerite-Duras 運営団体 | 受賞 |
| 2008 | Prix de la langue française(フランス語賞) | 業績全体 | — | Prix de la langue française 運営団体 | 受賞 |
| 2019 | ワーウィック女性翻訳賞 | The Years(英訳版) | — | University of Warwick | 受賞 |
| 2016 | ストレガ欧州賞 | Gli Anni(イタリア語訳『年』) | — | Premio Strega 運営団体 | 受賞 |
プラ賞(Prix Renaudot)
1984
対象作品:
La Place(ラ・プラス)
主催:
Prix Renaudot 運営団体
結果:
受賞
ノーベル文学賞
2022
対象作品:
業績全体
主催:
スウェーデン・アカデミー
結果:
受賞
プラ・マルグリット=デュラス賞
2008
対象作品:
Les Années(レ・ザネ)
主催:
Prix Marguerite-Duras 運営団体
結果:
受賞
Prix de la langue française(フランス語賞)
2008
対象作品:
業績全体
主催:
Prix de la langue française 運営団体
結果:
受賞
ワーウィック女性翻訳賞
2019
対象作品:
The Years(英訳版)
主催:
University of Warwick
結果:
受賞
ストレガ欧州賞
2016
対象作品:
Gli Anni(イタリア語訳『年』)
主催:
Premio Strega 運営団体
結果:
受賞
受賞・候補エディション
ウォーリック女性翻訳賞
1回登壇
-
第3回(2019年) 受賞受賞作: The Years
個人的な断片的記憶と公的な出来事を織り合わせ、戦後フランスの社会変容を女性の視点で描く回想録的作品。時代の細部を集めることで、集団的記憶と個人の歴史が交差する様を示す。
自伝記憶社会史女性の視点世代間の変化
ノーベル文学賞
1回登壇
-
第115回(2022年) 受賞受賞作: The Years (Les Années)
個人的記憶を素材に20世紀後半のフランス社会の集合的記憶を構築する回想録的長篇。断片化された個人史と公的出来事を組み合わせる。
個人的記憶を素材に20世紀後半のフランス社会の集合的記憶を構築する回想録的長篇。…
自伝記憶社会史フェミニズム階級
作品
代表作
Les Armoires vides(レ・ザルムワール・ヴィド)
1974年 自伝的小説エルノのデビュー作。自伝的要素を強く持つ小説で、自己と家庭の関係を描く。
記憶家族社会階級
翻訳
- 英語訳: Cleaned Out(翻訳者: Carol Sanders)
La Place(ラ・プラス)
1983年 ノンフィクション/自伝的記述作者の父との関係と、出自や階級からの移行を省略的な語りで記録した作品。
階級移動家族史自己認識
翻訳
- 英語訳: A Man's Place(翻訳者: Tanya Leslie)
Une Femme(ユヌ・ファム/一人の女)
1988年 自伝的回想録母の死をめぐる追悼と自己の回想を通して、個人的記憶と社会的記憶を交差させる。
喪失記憶母と娘の関係
翻訳
- 英語訳: A Woman's Story(翻訳者: Tanya Leslie)
Passion simple(パッション・シンプル)
1991年 自伝的作品/愛の告白情熱的な不倫体験を冷静かつ分析的に綴った短篇的な自伝。
情欲自己分析孤独
映像化・舞台化
- [映画] Passion simple(映画版) / Danielle Arbid (2020)
翻訳
- 英語訳: Simple Passion(翻訳者: Tanya Leslie)
L'Événement(レヴェノマン/出来事)
2000年 自伝的記述(中絶体験)自らの中絶体験を正確かつ冷徹に記録した作品。後に同名で映画化された。
女性の身体選択沈黙の破壊
映像化・舞台化
- [映画] L'Événement(ハプニング) / Audrey Diwan (2021)
翻訳
- 英語訳: Happening(翻訳者: Tanya Leslie)
Les Années(レ・ザネ/年)
2008年 歴史的回想録/社会文化史戦後から2000年代初頭までのフランス社会を、著者の個人的記憶と合わせて三人称で描く大作。代表作とされる。
集合記憶社会変動時間の経過
翻訳
- 英語訳: The Years(翻訳者: Alison L. Strayer)
全著作
- Les Armoires vides(1974)
- La Place(1983)
- Une Femme(1988)
- Les Années(2008)
- L'Événement(2000)
翻案
- L'Événement → 映画『Happening』(監督: オードレイ・ディワン、2021)
- Passion simple → 映画『Simple Passion』(監督: Danielle Arbid、2020)
- L'Occupation → 映画『The Other One』(2008)
作品の翻訳
- Les Années → 英語: The Years(Alison L. Strayer訳)
- La Place → 英語: A Man's Place(Tanya Leslie訳)
- L'Événement → 英語: Happening(Tanya Leslie訳)
作風・主題
- 文体
- 自伝的で簡潔な文体社会学的観察と個人的体験の融合第三者視点(作品による)
- 頻出モチーフ
- 記憶と集合記憶階級と出自女性の身体と経験家族の歴史
評価・遺産
自伝的手法と社会学的視点を融合させた作品群により、現代フランス文学で独自の地位を確立。2022年のノーベル文学賞受賞により国際的評価が確定した。
関連学会
- 英国王立文学協会(International Writer)
大衆文化への影響
- 作品の映画化(『Happening』など)を通じて大衆文化でも注目を集めた。
引用
-
「個人的記憶の根と疎外、そして集団的制約を明らかにする勇気と臨床的明敏さのために」
出典: ノーベル賞委員会(プレスリリース) (2022年)
豆知識
- 2022年、ノーベル文学賞を受賞。フランス出身の作家として16人目、女性として初の受賞者。
- 長年にわたり自伝的手法を基盤に社会学的な観察を織り込んだ作品を発表している。
- 多くの作品が英語を含む複数言語に翻訳されている。