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ブルース・チャトウィン

ブルース・チャトウィン

Burūsu Chattowin

プロフィール

性別
男性
生誕
1940-05-13 (シェフィールド、ウェスト・ライディング・オブ・ヨークシャー、イングランド)
死没
1989-01-18 (ニース、アルプ=マリティーム県、フランス) 48歳
国籍
イギリス
言語
英語
宗教
正教会(ギリシャ正教系) 1985年受洗
居住地歴
シェフィールド(出生〜幼年期) → バーミンガム(少年期) → ロンドン(ソザビーズ勤務、作家活動の拠点) → ニューヨーク(1970年代以降、滞在) → カルダミリ(ギリシャ、晩年に近い時期に滞在)

経歴

職業
小説家, トラベルライター, ジャーナリスト, 美術・骨董のアドヴァイザー, オークションハウス(Sotheby's)ディレクター
活動期間
1958年〜1989年
所属
Fellow of the Royal Society of Literature(名誉会員)
所属団体
王立文学協会フェロー(FRSL)
影響を受けた人物
ロバート・バイロン, アーネスト・ヘミングウェイ, アンリ・カルティエ=ブレッソン(写真家), オシップ・マンドルスタム, ノエル・カワード, オノレ・ド・バルザック, ギュスターヴ・フローベール, テッド・ストレーロウ
影響を与えた人物
ウィリアム・ダルリンプル, クラウディオ・マグリス, フィリップ・マーズデン, ルイス・セプルベダ, リッチ・コーエン, ローリー・スチュワート

学歴

マールボロ・カレッジ
期間: 〜1958
卒業年: 1958
国: イギリス
中等教育(寄宿学校)。
エディンバラ大学
考古学
期間: 1966–1968(中途退学)
国: イギリス
考古学を学んだが、2年で学業を中断し学位は取得していない。

受賞歴

ホーソーンデン賞(Hawthornden Prize)
対象作品: 『イン・パタゴニア』
結果: winner
E. M. フォースター賞
対象作品: 『イン・パタゴニア』
主催: American Academy of Arts and Letters
結果: winner
ジェームズ・テイト・ブラック記念賞
対象作品: 『オン・ザ・ブラック・ヒル』
結果: winner
Whitbread Prize(ベスト・ファースト・ノベル)
対象作品: 『オン・ザ・ブラック・ヒル』
部門: Best First Novel
結果: winner
ブッカー賞
1988
対象作品: 『ウツ』
結果: shortlisted

受賞・候補エディション

Hawthornden Prize 1回登壇
  1. 受賞作: イン・パタゴニア

    著者が1970年代にパタゴニアを旅した体験と調査をもとに綴った旅行記。土地の伝説や移民の物語、現地の人物を断片的に織り交ぜ、風景と記憶、場所の謎を文学的に探る作品。

    旅行記歴史記憶文化
  1. 受賞作: On the Black Hill

    ウェールズの孤立した農場で生涯を過ごす双子の兄弟を中心に、世代を超えた家族史と地域社会の変化を静かに描く長編。土地と人間の連続性を繊細に扱う作品。

    ウェールズの孤立した農場で生涯を過ごす双子の兄弟を中心に、世代を超えた家族史と地域社会の変化を静かに描く長編。土地と人間の連続性を繊細に扱う作品。

    農村生活家族記憶地域史
  1. 受賞作: On the Black Hill

    ウェールズ国境近くの丘陵地で生きる双子の兄弟の一生を通し、土地と家族の連続性、時代の移ろいを繊細に描いた長編。

    田舎生活家族時間土地

作品

代表作

『イン・パタゴニア』

1977年 トラベルライティング/ノンフィクション(体験記)

1974年のパタゴニア旅行をもとにした紀行文学。著者の求めた「祖先の標本(brontosaurus)」を巡る旅と、出会った逸話を通して人々の移動や地元の歴史を描く。

放浪国境記憶と物語

『ウィセロイ・オブ・ウイダ』

1980年 歴史的フィクション/小説

19世紀の奴隷交易商フランシスコ・フェリックス・デ・ソウザを題材にした小説的伝記。著者は史実に基づきつつもフィクション的に再構成している。

奴隷交易交易と権力異郷と帰属
映像化・舞台化
  • [映画] 『コブラ・ヴェルデ』 / Werner Herzog (1987)

『オン・ザ・ブラック・ヒル』

1982年 小説

ウェールズ国境付近の農家で生涯を送る双子の物語。閉じられた世界の中での人生や時間の流れを細やかに描く。

郷里と不在時間と記憶
映像化・舞台化
  • [映画] 『オン・ザ・ブラック・ヒル(映画化)』 (1987)

『ザ・ソングラインズ』

1987年 トラベル/エッセイ/フィクションの境界を行く作品

オーストラリアのアボリジニ文化と「ソングライン(経路)」をめぐる探求を通して、人間の放浪性や記憶を論じる実験的な作品。途中から引用やメモの集積のような形式になる。

放浪性民族と文化記憶と言説

『ウツ』

1988年 小説

チェコ(プラハ)を舞台に、磁器コレクションに執着する男の生涯を描く小説。所有と執着、自由と閉塞のテーマを扱う。

所有執着アイデンティティ

『What Am I Doing Here』(記事・エッセイ集)

1989年 エッセイ・ジャーナリズム

チャトウィンのジャーナリズムや短文を集めた作品集。旅行や美術、人物評など多彩な記事を収録。

旅行記録美術人物描写

全著作

  • 『イン・パタゴニア』 (1977)
  • 『ウィセロイ・オブ・ウイダ』 (1980)
  • 『オン・ザ・ブラック・ヒル』 (1982)
  • 『パタゴニア・リヴィジテッド』(共著、1985)
  • 『ザ・ソングラインズ』 (1987)
  • 『ウツ』 (1988)
  • 『What Am I Doing Here』 (1989)
  • 『Photographs and Notebooks / Far Journeys』 (1993, 死後刊行)
  • 『Anatomy of Restlessness』 (1995, 死後刊行)
  • 『Winding Paths』 (1998, 死後刊行)
  • 『Under the Sun: The Letters of Bruce Chatwin』 (2012, 編集刊行)

翻案

  • 『コブラ・ヴェルデ』(ヴェルナー・ヘルツォーク監督、1987)※『The Viceroy of Ouidah』を基にした映画
  • 『オン・ザ・ブラック・ヒル』映画化(1987)

作風・主題

文体
簡潔で切れのある文体断片的・キュビスム的構成ノンフィクションとフィクションの境界を曖昧にする実験的手法
頻出モチーフ
放浪・ノマディズム国境・境界物とコレクション追憶と物語

健康

  • HIV感染(エイズ関連疾患)
    1986–1989
    晩年の健康悪化と早逝の要因。本人は公表を控え希薄な別の診断を伝えていた。
  • カポジ肉腫(疑い)
    1983–1988
    皮膚病変などの症状が見られ、病状の一部を説明する要因となった。
  • Talaromyces marneffei(真菌感染、当時稀な疾患)
    1986–1988
    当時は珍しい真菌感染として説明に用いられ、実際のHIV陽性の告白を避ける口実となった。

評価・遺産

チャトウィンはトラベルライティングのジャンルを刷新した作家として評価される一方、作品の事実性や私生活の秘匿(HIV感染非公表)を巡って論争も生んだ。多くの作家に影響を与え、死後も根強い読者を持つ。

関連学会

  • 王立文学協会(Fellow)

資料所蔵先

  • ボドリアン図書館(オックスフォード)所蔵のブリュース・チャトウィン資料(ノートブック等)

大衆文化への影響

  • モレスキン(Moleskine)ノートブックの販売とブランド化にチャトウィンの名前とエピソードが使われている。
  • バーバリーがチャトウィンの作品に着想を得たコレクションや特別版を発表(2014–2015)。
  • ヴェルナー・ヘルツォークによるドキュメンタリー『Nomad: In the Footsteps of Bruce Chatwin』(2019)

引用

  • 「『Aids』という言葉は我々の時代の最も残酷で愚かな新語の一つだ。...『HIV』という名の方が平易で受け入れやすい。」
    出典: ロンドン・レビュー・オブ・ブックスへの書簡(1988年) (1988年)

豆知識

  • 祖母の『ブロントサウルスの一片』の話が『イン・パタゴニア』執筆の動機となった。
  • モレスキン(Moleskine)ノートの現代的ブランド化にチャトウィンのエピソードが使われている。
  • 遺灰はギリシャのカルダミリ近郊のビザンティン礼拝堂付近に散骨された。
  • セクシャリティはバイセクシュアルとされ、結婚生活は妻エリザベス・チャンラーとの間で続いたが子はいない。