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第8回(2003年) 受賞受賞作: My Name Is Red
16世紀オスマン帝国の宮廷画家たちを舞台に、美術と宗教、物語性をめぐる殺人事件を描く歴史ミステリー。多声的な語りと美術論的要素を融合させ、視点の相対性や芸術と権力の関係を哲学的に探る長篇。
美術史オスマン帝国物語性宗教と権力ミステリー
オルハン・パムク
オルハン・パムク
Orhan Pamuk
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1952-06-07 (トルコ・イスタンブール)
- 国籍
- トルコ
- 言語
- トルコ語, 英語
- 居住地歴
- イスタンブール(出生・長年居住) → ニューヨーク(コロンビア大学 客員教授等) → バード大学(writer-in-residenceとして滞在)
経歴
- 職業
- 小説家, 随筆家, 大学教授
- 活動期間
- 1982年〜
- 所属
- コロンビア大学(客員教授・中東言語文化学科教授), バード大学(writer-in-residence)
- 影響を受けた人物
- 谷崎潤一郎, ウンベルト・エーコ(比較されることの多い作家)
- 影響を与えた人物
- エリフ・シャファク, 現代トルコ文学の若手作家群
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| ロバート・カレッジ(高等学校) | — | — | 中等教育修了 | 〜1970年代前半 | トルコ |
| イスタンブール工科大学(在学、建築学) | 建築学部 | 建築学科 | — | 在学(途中で進路変更) | トルコ |
| イスタンブール大学(ジャーナリズム学科) | ジャーナリズム学部 | ジャーナリズム科 | 学士(ジャーナリズム) | 1970年代 | トルコ |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1983 | オルハン・ケマル賞 | 『ジュヴデット・ベイと息子たち』 | — | ミリエット紙など(トルコ) | 受賞 |
| 2003 | 国際IMPACダブリン文学賞 | 『私の名は紅』 | — | IMPAC / ダブリン賞運営団体 | 受賞 |
| 2005 | メディシス賞(外国語部門) | 『雪』 | 外国語小説部門 | メディシス賞選考委員会 | 受賞 |
| 2005 | フランクフルト・ブックフェア平和賞(ドイツ書籍協会平和賞) | — | — | ドイツ書籍協会 | 受賞 |
| 2006 | ノーベル文学賞 | — | — | ノーベル委員会 | 受賞(生涯業績・作品群に対して) |
受賞・候補エディション
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受賞作: Snow (Neige)
詩人カが雪深い地方都市に戻り、自殺事件や宗教的緊張に絡む出来事に直面する。世俗主義とイスラム主義、個人の自由と共同体の圧力が交差する中で、信念とアイデンティティの揺らぎを描く長篇。
宗教と政治アイデンティティ自由現代トルコ社会
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第99回(2006年) 受賞受賞作: わたしの名前は赤(My Name Is Red)
17世紀オスマン帝国の写本工房を舞台に、写本師たちの世界と一件の殺人をめぐる物語を多様な語り手で綴る長編。西洋と東洋の美学対立、芸術表現の倫理、個々の視点の相対性をめぐる哲学的論争が重層的に描かれ、歴史的背景と私的な情念が絡み合う作品。
芸術と伝統宗教とアイデンティティ歴史視点と語り
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第7回(2008年) 受賞受賞作: 業績(主要な小説群)
イスタンブールを舞台に東西の衝突や個人の記憶、歴史とアイデンティティを描く長編群で知られる。語りと歴史の重層的な構成が特徴で、『雪』『私の名は赤』『虚構の博物館』など国際的評価の高い代表作がある。
アイデンティティ東西の対立歴史と記憶都市文学
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第8回(2015年) 受賞
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第14回(2016年) 受賞
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第45回(2021年) 受賞受賞作: 受賞:生涯の業績(個別作品の指定なし)
オルハン・パムクの作品は、個人の記憶と歴史、東洋と西洋のアイデンティティの交錯をテーマにした長編が多い。物語の中でメタフィクションや歴史的モチーフを用い、イスタンブールの都市像やトルコの近代化過程を描き出すことで国際的評価を得た。
歴史記憶アイデンティティ東西文化都市
作品
代表作
『ジュヴデット・ベイと息子たち』
1982年 小説パムクのデビュー作。家族と社会の変遷を描く長篇小説で、トルコ国内での評価を高めた。
『静かな家』
1983年 小説家族の過去と現在が静謐に交差する作品。国内で評価され賞を受けた。
『白い城』
1985年 歴史的フィクション/哲学的寓話17世紀オスマン帝国を舞台に、自己と他者、知識と言語をめぐる寓話的な長編。国際的に翻訳され広く読まれた。
『黒い本』
1990年 小説(ポストモダン)イスタンブールを舞台に、多層的な語りと都市の迷宮性を描く実験的長篇。
『新しき人生』
1994年 小説若者の運命と文学的出会いをめぐる物語。国内での売れ行きも良い作品。
『私の名は紅』
1998年 歴史ミステリ/芸術小説16世紀イスタンブールの細密画師の世界を舞台にしたミステリ仕立ての長編。国際的ベストセラーとなり多数の賞を受賞。
『雪』
2002年 政治小説トルコ北東の町カルスを舞台に、政治と宗教、個人の葛藤を描く作品。著者が自身で「最初で最後の政治小説」と述べる。
『イスタンブール—思い出とこの町』
2003年 回想録/エッセイパムクの回想とイスタンブール論を織り交ぜた自伝的作品。国際的にも高い評価を得た。
『無垢の博物館』
2008年 小説/恋愛小説1950年代から現代へ続くイスタンブールを舞台にした恋愛小説。作品と連動する実在の博物館がイスタンブールに作られた。
- [実体化した展示(博物館)] 無垢の博物館(Masumiyet Müzesi) (2012)
『ペストの夜』
2021年 歴史小説歴史を下敷きにした長編小説。近年の作品の一つ。
全著作
- 『ジュヴデット・ベイと息子たち』 (Cevdet Bey ve Oğulları) 1982
- 『静かな家』 (Sessiz Ev) 1983
- 『白い城』 (Beyaz Kale) 1985
- 『黒い本』 (Kara Kitap) 1990
- 『新しき人生』 (Yeni Hayat) 1994
- 『他の色』 (Öteki Renkler) 1998
- 『私の名は紅』 (Benim Adım Kırmızı) 1998
- 『雪』 (Kar) 2002
- 『イスタンブール—思い出とこの町』 (İstanbul: Hatıralar ve Şehir) 2003
- 『無垢の博物館』 (Masumiyet Müzesi) 2008
- 『ペストの夜』 (Veba Geceleri) 2021
翻案
- 無垢の博物館(小説に連動した実在の博物館、イスタンブール)
作品の翻訳
- 『私の名は紅』 和久井路子訳(藤原書店、2004)/宮下遼訳(早川書房・新訳版、2012)
- 『雪』 和久井路子訳(藤原書店、2006)
- 『無垢の博物館』 宮下遼訳(早川書房、2010)
作風・主題
- 文体
- ポストモダン的な多層的語り寓話的・歴史的設定を取り入れた叙述都市(イスタンブール)を詳述する描写
- 頻出モチーフ
- イスタンブール記憶と過去東西の交差と衝突芸術(細密画など)
評価・遺産
現代トルコ文学を代表する作家であり、2006年にノーベル文学賞を受賞してトルコ人として初のノーベル賞受賞者となった。イスタンブールを中心にした作品群と、作品と連動する博物館の設立を通じて国際的な影響力を持つ。
記念館・博物館
- 無垢の博物館(Masumiyet Müzesi) トルコ・イスタンブール 2012年開館
引用
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「故郷の街のメランコリックな魂を探求する中で、文明の衝突と混交との新たな象徴を見出した」
出典: ノーベル賞委員会(ノーベル文学賞受賞理由) (2006年)
豆知識
- 2006年のノーベル文学賞の賞金を、無垢の博物館の設立資金に充てたとされる。
- 2006年にノーベル文学賞を受賞し、史上初のトルコ人ノーベル賞受賞者となった。
- 2005年にアルメニア人虐殺に関する発言を巡って国家侮辱罪で訴追されたが、2006年に不起訴となった。