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ロベルト・ムジル

ロベルト・ムジル

Robert Musil

プロフィール

性別
男性
生誕
1880-11-06 (クラゲンフルト(当時オーストリア=ハンガリー))
死没
1942-04-15 (ジュネーヴ、スイス) 61歳
国籍
オーストリア
言語
ドイツ語
宗教
プロテスタント 1911年受洗
居住地歴
ブルノ(当時:オーストリア=ハンガリー) → ウィーン(オーストリア) → ベルリン(ドイツ) → チューリヒ(スイス) → ジュネーヴ(スイス)

経歴

職業
小説家, 短編作家, 劇作家, 随筆家, 批評家
活動期間
1905年〜1942年
所属団体
ムージル協会(Robert Musil Gesellschaft), オーストリア・ドイツ語作家保護同盟(Schutzverband deutscher Schriftsteller in Österreich)
影響を受けた人物
フリードリヒ・ニーチェ, フョードル・ドストエフスキー, ラルフ・ワルド・エマーソン, エルンスト・マッハ, フランツ・カフカ, ライナー・マリア・リルケ
影響を与えた人物
ミラン・クンデラ, トーマス・ベルンハルト, 20世紀後半のモダニスト作家たち
ノミネート
ノーベル文学賞候補

学歴

ブルノ工科大学
工学部 / 機械工学
期間: 1898–1901
卒業年: 1901
国: オーストリア=ハンガリー
ベルリン大学
文学・哲学系 / 心理学・哲学
学位: 博士号
期間: 1903–1908
卒業年: 1909
国: ドイツ
エルンスト・マッハに関する論文で博士号取得

受賞歴

クライスト賞
1923
対象作品: Die Schwärmer
主催: クライスト賞選考委員会
結果: 受賞
ウィーン市芸術賞
1924
主催: ウィーン市
結果: 受賞
ゲルハルト・ハウプトマン賞
1929
主催: ゲルハルト・ハウプトマン賞選考委員会
結果: 受賞

受賞・候補エディション

作品

代表作

若きトーリレスの混乱

1906年 小説

軍学校を舞台にした青春小説。道徳的ジレンマと自己認識の目覚めが主題となり、主人公トーリレスの内面を通して近代社会の病理を描く。

近代性自己認識道徳的ジレンマ
映像化・舞台化
  • [映画] 若きトーリレス / Volker Schlöndorff (1966)
翻訳
  • 英訳あり(複数の版)

資質のない男(『Der Mann ohne Eigenschaften』)

1930年 長編小説(モダニズム) 1074ページ

第一次世界大戦前夜のウィーンを舞台に、主人公ウルリヒの視点でオーストリア=ハンガリー帝国の道徳的・知的崩壊を描く、未完の大作。理性と感情、個人の自律をめぐる哲学的考察を含む。

帝国の崩壊個人の自律理性と感情の対立
翻訳
  • 英訳:Ernst Kaiser & Eithne Wilkins(1950年代)およびSophie Wilkins & Burton Pike(1995年改訂)

Die Schwärmer(ディー・シュヴェルマー)

1921年 戯曲

狂信や熱狂を主題とする戯曲。上演や版によって評価と解釈が分かれる作品。

狂信社会的空虚個の探索

三人の女(Drei Frauen)

1924年 短編集(中編)

『Grigia』『ポルトガルの婦人』『トンカ』の三篇から成る短編集。女性像を通して人間関係と内面を描く。

女性像感情の微細な描写人間関係の複雑さ

全著作

  • Die Verwirrungen des Zöglings Törleß(若きトーリレスの混乱)
  • Vereinigungen(短篇集)
  • Die Schwärmer(戯曲)
  • Drei Frauen(三人の女)
  • Der Mann ohne Eigenschaften(資質のない男)
  • Nachlaß zu Lebzeiten(遺稿のような随筆集)

翻案

  • 映画『Young Törless』(監督:Volker Schlöndorff、1966)

作品の翻訳

  • 『資質のない男』英訳(Ernst Kaiser & Eithne Wilkins、改訳:Sophie Wilkins & Burton Pike)

作風・主題

文体
モダニズム的文体哲学的・散文的な考察鋭い観察と皮肉
頻出モチーフ
理性対感情個人の孤立アイデンティティの危機

健康

  • 梅毒
    1902(治療を受けた)
    初期には治療を受け創作や私生活に影響あり得る記録あり
  • 脳卒中(多発)
    1936–1942
    1936年以降に脳卒中を起こし、以降の健康と創作活動に大きく影響した

評価・遺産

ムージルは、完成されなかった大作『資質のない男』を通じて20世紀モダニズム文学に重要な影響を与えた。死後に一時忘れられたが1950年代以降再評価が進み、現代の作家や哲学者から高い評価を受ける。

記念館・博物館

  • ムージル文学博物館(Musilhaus) クラーゲンフルト、オーストリア

関連学会

  • ムージル協会(Musil-Gesellschaft)

資料所蔵先

  • ムージル関連資料・アーカイブ(複数の図書館・研究機関に所蔵)

大衆文化への影響

  • ミラン・クンデラやトーマス・ベルンハルトなど後続の作家に影響を与えた
  • 20世紀モダニズム研究の重要な対象となる

引用

  • 啓蒙の後、私たちの多くは勇気を失った。小さな失敗が理性から私たちを背けさせ、感情のために太鼓を叩いた。我々は理性なしに感情は重く鈍いものになってしまう、とムージルは書いた。
    出典: エッセイ(啓蒙と理性に関する言及)

豆知識

  • ムージルは色彩研究用の『Musilscher Farbkreisel(ムージル・カラートップ)』を発明した
  • 結婚の際に妻マルタとともにプロテスタントに改宗した
  • 晩年はナチスの迫害を受け、著作はドイツ・オーストリアで禁止された
  • 遺体の火葬には出席者が8人しかいなかったとされる