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トーマス・マン

トーマス・マン

Thomas Mann

プロフィール

性別
男性
生誕
1875-06-06 (リューベック(自由市リューベック), ドイツ帝国)
死没
1955-08-12 (チューリッヒ, スイス) 80歳
国籍
ドイツ, チェコスロバキア, アメリカ合衆国
言語
ドイツ語
宗教
ルター派(プロテスタント)
居住地歴
リューベック(生誕〜少年期) → ミュンヘン(1891–1933) → クヌシャフト/チューリッヒ近郊(スイス、亡命期) → プリンストン(アメリカ合衆国、滞在) → パシフィック・パリセーズ(ロサンゼルス、1942–1952) → ニダ(夏の別荘、現リトアニア) → キルヒベルク(最終居住地、スイス)

経歴

職業
小説家, 短編作家, 随筆家, 社会評論家, 講演者, 翻訳者(限定的)
活動期間
1896年〜1954年
所属
プリンストン大学(教壇、講義), アメリカ議会図書館(ドイツ文学顧問/フェロー)
影響を受けた人物
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ, フリードリヒ・ニーチェ, アルトゥル・ショーペンハウアー, テオドール・フォンターネ, ロシア19世紀の作家(ドストエフスキー、トルストイ等)
影響を与えた人物
三島由紀夫(影響を公言), ジョセフ・キャンベル(メンター的存在と述べられる), 近現代の多くの小説家・学者(ドイツ文学・比較文学領域)
ノミネート
ノーベル文学賞(推薦者:アンダース・エステルリング、受賞 1929), ノーベル文学賞(再推薦 1948)

学歴

ミュンヘン大学(ルートヴィヒ=マクシミリアン大学)
歴史・経済・美術史・文学を専攻
期間: 1891–1894
国: ドイツ
ジャーナリズム準備のため幅広い教養科目を履修したが、学位取得は明確でない。
ミュンヘン工科大学(現:テクニカル・ユニヴァーシティ・ミュンヘン)
同上(歴史・経済など)
期間: 1891–1894
国: ドイツ
正式な学位取得は記録上不明。

受賞歴

ノーベル文学賞
1929
対象作品: 『ブッデンブローク家の人々』(主に)
主催: スウェーデン・アカデミー
結果: 受賞
ゲーテ賞
1949
主催: ゲーテ賞選考委員会(フランクフルト等)
結果: 受賞

受賞・候補エディション

  1. 北ドイツの商家ブッデンブローク家の世代交代を通じて、繁栄と衰退、個人の運命と社会変化を描く家族史。時間の経過と世代間の価値変容を精緻に描写した代表作。

    繁栄の家族史が、やがて静かな崩壊の物語へ変わる。

    448ページ
    家族史ブルジョワ社会世代と衰退個人と社会
  1. 受賞作: 魔の山

    『魔の山』(Der Zauberberg)は、スイスの療養所を舞台に、青年ハンス・カストルプの長期滞在を通して時間、病、思想の対立を描く長編。医学・哲学・政治の論争を織り交ぜ、近代ヨーロッパの精神状況を深く問う作品である。

    時間と病近代ヨーロッパ思想と倫理社会批評

作品

代表作

『ブッデンブローク家の人々』

1901年 小説(家族叙事詩)

ある商家の4世代にわたる衰退を描いた家族史。ブルジョワ社会と世代間の変化を詳細に描写する代表作。

家族の没落資本と文化の衝突世代間の断絶
映像化・舞台化
  • [映画] ブッデンブローク家(映画化) / Heinrich Breloer (2008)
翻訳
  • 英訳『Buddenbrooks』ほか多数

『魔の山』

1924年 小説(長編・文芸小説)

主に歯科医のサナトリウムを舞台に、思想と文化、時間感覚をめぐる哲学的対話を展開する長編。

時間と病ヨーロッパ思想の対立成長と精神の試練
翻訳
  • 英訳『The Magic Mountain』ほか

『ベニスに死す』

1912年 中編(ノヴェラ)

老作家のアッシェンバッハが若い少年タジオへの執着を深め、崩壊へと向かう美と欲望の物語。

欲望と抑圧美と死創作と自己崩壊
映像化・舞台化
  • [映画] ベニスに死す(映画) / Luchino Visconti (1971)
  • [オペラ] ベニスに死す(オペラ) / Benjamin Britten (作曲・演出ではないがオペラ化) (1973)
翻訳
  • 英訳『Death in Venice』ほか

『ヨセフとその兄弟』

1933年 長篇叙事詩的四部作(小説シリーズ)

旧約聖書のヨセフ物語を題材にした四部構成の大作。神話性と文学的再解釈を交えた叙述。

神話と起源運命と家族宗教的再解釈

『ドクター・ファウストゥス』

1947年 小説(近代音楽とナチズムを扱う)

架空の作曲家アドリアン・レヴァークーンを通じて、ドイツ文化の堕落とナチズムの台頭を描く野心作。

芸術と倫理音楽とモダニズム政治的堕落

全著作

  • 『ブッデンブローク家の人々』 (1901)
  • 『ベニスに死す』 (1912)
  • 『魔の山』 (1924)
  • 『ヨセフとその兄弟』四部作 (1933–1943)
  • 『ドクター・ファウストゥス』 (1947)
  • 『フェリックス・クルルの自叙伝的告白(抜粋)』 (未完・1954)

翻案

  • 『ベニスに死す』の映画化(Luchino Visconti監督、1971)など
  • 『ブッデンブローク家の人々』の映画化(2008)

作品の翻訳

  • 『ブッデンブローク家の人々』→英訳『Buddenbrooks』等
  • 『魔の山』→英訳『The Magic Mountain』等

作風・主題

文体
象徴的かつ皮肉を帯びた叙述古典的教養に基づく緻密な構成叙述の中に同時にユーモアと批評性を併せ持つ文体
頻出モチーフ
芸術家・知識人の心理家族の衰退病と死古典・神話の引用

健康

  • 静脈炎(血栓性静脈炎)として診断
    1955年7月–1955年8月
    当初は血栓性静脈炎と診断されたが、実際の死因は腸骨動脈瘤の破裂に伴う後腹膜出血であり、誤診が死亡につながった。

評価・遺産

20世紀ドイツ文学を代表する作家の一人。家族史的叙事詩や思想的長篇を通じて西欧文化・芸術・政治の問題を探求し、ノーベル賞受賞後も広く国際的影響を持ち続けた。多くの学術機関・記念館が彼の名で継承・研究を行っている。

記念館・博物館

  • ブッデンブローク家博物館(ブッデンブルークハウス、リューベック) リューベック, ドイツ
  • トーマス・マン・ハウス(ロサンゼルス) パシフィック・パリセーズ(ロサンゼルス), アメリカ合衆国
  • ニダの夏の別荘(トーマス・マン文化センター、ニダ) ニダ(現リトアニア)

関連学会

  • トーマス・マン国際ネットワーク(TMI-Research)
  • トーマス・マン研究会(各大学の関連学会)

資料所蔵先

  • トーマス・マン・アーカイブ(ETHチューリッヒ)
  • ビネッケ図書館(Yale)所蔵のトーマス・マンコレクション

大衆文化への影響

  • ヴィスコンティ監督による『ベニスに死す』の映画化(1971)など、映画・オペラ・音楽作品に多数引用・参照される。
  • 現代小説や音楽、映画で『魔の山』や『ベニスに死す』のモチーフが再解釈され続けている。

引用

  • 「戦争は恐ろしいが、それにはヒトラーが文化について演説するのを妨げるという利点がある。」
    出典: BBCドイツ語放送(1940年ごろの放送) (1940年)

豆知識

  • 1929年にノーベル文学賞を受賞し、賞金でニダに別荘を建てた。
  • 1933年にナチス台頭のため亡命し、第二次大戦中はアメリカに在住した(1944年米国籍取得)。
  • 自身の初期の日記の多くを1945年に焼却したが、残された日記は死後公開され大きな反響を呼んだ。