ダンディ国際ブック賞
だんでぃこくさいぶっくしょう
未発表の英語によるデビュー長編小説を対象としたスコットランドの年次文学賞(2000–2016)。
- 創設年
- 2000
- 主催
- Dundee – One City, Many Discoveries; University of Dundee
- カテゴリー
- 一般文芸・大衆小説
- 選考方式
- 公募
- 受賞対象
- 新人
- 開催頻度
- 年1回
- 発表時期
- 10月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Dundee International Book Prizeは2000年に設立され、未発表のデビュー英語長編小説を対象として毎年実施された文学賞です。賞金として£5,000が提供され、受賞作は出版社によって刊行される機会がありました。主催はDundee – One City, Many DiscoveriesとUniversity of Dundeeの共同で、出版社は時期によりBirlinn(2000–2010)、Cargo(2011–2014)、Freight Books(2014–2016)が担当しました。2017年は一次選考後に出版保証ができないことから中止されました。
賞品
- 主賞品
- 賞金および受賞作の出版機会(出版社による刊行)
- 賞金
- 5,000 GBP
- 受賞作の出版(Birlinn / Cargo / Freight Books など)
- 作品の露出・プロモーション機会
- 新人作家としての認知度向上
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 一次選考(sift) | 運営事務局/選考委員 | — | 一次選考通過者は次段階へ進む。通過情報は内部で管理され、最終候補は後の発表で公表される。 |
| 最終選考(ショートリスト/審査) | 選考委員会(学界・作家・出版関係者) | — | 選考委員による審査でショートリストと受賞作を決定し、公式サイトおよび報道で発表する。 |
| 受賞者発表 | 選考委員会 | — | 受賞者は公式サイトと主要メディア(例: BBC等)で発表される。 |
選考基準
- 未発表のデビュー長編小説であること
- 英語で執筆されていること
- ジャンル・テーマは不問だが、出版に値する完成度と独創性があること
- 文学的価値(文体、構成、登場人物の描写など)
応募のヒント
推奨
- 応募規約(未発表・英語作品等)を事前に必ず確認する
- 指定のフォーマット・字数・提出方法を守る
- 作品の完成度を高めるために入念に推敲する
- あらすじ(synopsis)や必要書類を整えて同封する
- 締切に余裕をもって提出する
注意
- 既に出版された作品や既に出版契約のある作品を応募しない
- 応募条件やフォーマットを無視して提出しない
- 締切後の提出を行わない
- 不完全な原稿や未整理の資料を送付しない
審査員から
- オリジナリティと物語の完成度を重視する
- 文体、登場人物の描写、構成の堅牢さが評価に繋がる
- 未発表・デビュー条件は厳格に確認されるので注意する
関連の賞
- Scottish literary awards
- First book awards
- British fiction awards
- English-language literary awards
- University of Dundee 関連の文学・文化事業
公式情報
https://www.callawaycog.org/about-us過去の受賞者
『The Cure for Lonely』(旧題『The Margins』)は、1989年の夏、カンザスからサンフランシスコへ移るトランス男性サム・ギャヴィンの成長譚。自身のアイデンティティと孤独、都市での新しい生活を通じて主人公が成熟していく過程を描く青春・成長小説。
作家。掲載情報では2016年の受賞者で、受賞作『The Cure for Lonely』(旧題『The Margins』)はトランス男性を主人公とする成長物語として紹介されている。
戦間期のロンドンに生きる人々の陰惨な日常を生々しく描き出す作品。賭博や犯罪、貧困にまみれた街の裏側を丹念に描写し、当時の都市の暗い側面と登場人物たちの欲望や絶望を絡めて描くページターナー的歴史小説。
スウェーデン出身の作家。掲載文献によれば2015年の受賞作は『Devil Take The Hindmost』で、戦間期ロンドンの陰惨な側面を描いたページターナーとして紹介されている。
作家。2014年に小説『The Other Ida』でDundee International Book Prizeを受賞した(出典に基づく)。
ダブリンの寄宿制男子校を舞台にした心理スリラー。ある少年の内に潜む犯罪的欲望が徐々に顕在化し、同級生や学校という閉ざされた環境の圧力が暴力と破滅へと導く。思春期の焦燥と抑圧が生む恐ろしさを静かに、しかし容赦なく描く作品。
作家。『Nothing Human Left』(2011)はダブリンの寄宿制男子校を舞台にした心理スリラーとして紹介されている。
劇場を舞台に、魔術的な要素と毒殺事件が交錯するダークな推理小説。俳優や演劇関係者たちの複雑な人間関係、嫉妬、野心が描かれ、舞台裏の秘密が暴かれるにつれて残忍な殺人事件の真相が明らかになっていく。劇場の陰影を巧みに活かしたサスペンス。
作家。掲載文献では『Act of Murder』(2010)が劇場や毒殺、魔術的要素を織り込んだダークな物語として紹介されている。
『Dead Wood』は暴力とギャングの復讐が渦巻く世界を舞台にした陰鬱なクライム小説。残虐な犯罪や裏切り、復讐の連鎖を通して登場人物の心理の暗部と社会の暴力性を抉り出すハードな作品。
『Dead Wood』で2009年に受賞した作家。ダークで現実主義的な犯罪小説を得意とする。
『The Triple Point of Water』は1980年代のロンドン、ソーホーでの職業経験を基にした小説。夜の街や娯楽業界の裏側で生きる人々の孤独や野心、再生を描き、都市に生きる個人の葛藤と成長をリアルに掘り下げる。
ソーホーでの勤務経験を基にした『The Triple Point of Water』で2007年に受賞。都市を舞台にした人物描写を得意とする。
『Whales for a Wizard』は1860年代のダンディーの捕鯨産業を舞台にした冒険小説。港町や航海の描写を通じて船乗りたちの友情や対立、労働の過酷さと産業化がもたらす変化を活写する歴史的冒険譚。
『Whales for a Wizard』で2005年に受賞。歴史的背景を活かした冒険小説を手掛けた作家。
『The Curewife』は1669年にダンディーで魔女として処刑されたとされるグリッセル・ジャフレイの史実を下敷きに、宗教的恐怖や共同体の偏見、法の暴力を描く歴史小説。女性への抑圧と記憶の継承を問いかける力作。
『The Curewife』で2002年に受賞。ダンディーの歴史的事件を題材にした作品で知られる作家。
『Tumulus』は1960〜70年代のダンディーのボヘミアン的な文化とその後の数十年を描いた長編小説。若者たちの芸術的情熱や日常、街の変貌を通して個人の喪失と再生、世代間の断絶と記憶の継承を繊細に描写する。
2000年の第1回大会で『Tumulus』により初代受賞。ダンディーを舞台にした地域描写や人物心理に定評のある作家。