Europese Literatuurprijs(欧州文学賞)
おうしゅうぶんがくしょう
2011年創設のオランダの文学賞。前年に刊行されオランダ語に翻訳された現代ヨーロッパ小説の中から最優秀作に贈られる。
- 創設年
- 2011
- 主催
- Nederlands Letterenfonds (Dutch Foundation for Literature); SPUI25; De Groene Amsterdammer; Athenaeum Boekhandel
- カテゴリー
- 研究・翻訳・学術
- 選考方式
- 推薦
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 発表時期
- 11月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Europese Literatuurprijs(欧州文学賞)は2011年に創設されたオランダの文学賞で、前年に刊行されオランダ語に翻訳された現代ヨーロッパ小説に与えられる。受賞作の作者には€10,000、翻訳者には€5,000が授与される。賞はNederlands Letterenfonds、学術文化センターSPUI25、週刊紙De Groene Amsterdammer、書店Athenaeum Boekhandelのイニシアティブで、Lira Fundや独立系書店の支援を受けている。候補はオランダおよびフランデレンの書店から推薦され、専門の審査員(スペシャリスト・ジュリー)が最終決定を行う。
賞品
- 主賞品
- 受賞作の作者に€10,000、翻訳者に€5,000の賞金が授与される。
- 賞金
- 10,000 EUR
- 翻訳者賞: 5000 EUR
- Lira Fundや独立系書店によるスポンサーシップやプロモーション
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 推薦(ノミネーション) | オランダおよびフランデレンの書店が候補を推薦 | — | — |
| 最終選考 | 専門の審査員(スペシャリスト・ジュリー)が選考 | — | 受賞者は公式サイトおよびプレスリリースで発表される |
選考基準
- 前年に刊行された現代のヨーロッパ小説であること
- オランダ語への翻訳があること
- 文学的価値と翻訳の質
応募のヒント
推奨
- 候補となるためにはオランダまたはフランデレンの書店からの推薦が重要であるため、書店と連携する
- 作品が「前年に刊行され、オランダ語に翻訳されている」要件を満たしているか確認する
- 翻訳の質を重視し、訳文の校正・ブラッシュアップに注力する
注意
- 直接の公募で応募しようとする(本賞は書店の推薦がベース)
- 翻訳の品質を軽視する
- 対象年や出版条件を満たしていない作品を提出する
関連の賞
- Nederlands Letterenfonds の翻訳助成プログラム
- Lira Fund による翻訳支援
- 欧州の翻訳賞・小説賞(例: International Booker Prize 等)
公式情報
https://www.europeseliteratuurprijs.nl/過去の受賞者
自然療法や民俗的治療を巡る不穏な物語と、自然・民俗・超自然を織り交ぜた実験的な長編。寓話的で哲学的な視点から人間と自然の境界、恐怖と癒しの関係を問いかける。
ポーランドを代表する作家で国際的に高い評価を受ける。ノーベル賞受賞者でもあり、民俗や自然、神話的要素を織り交ぜる作風で知られる。2024年は『Empusion: Een natuurgeneeskundig griezelverhaal』(原題: Empuzjon / The Empusium)で受賞。
個人的な記憶や読書経験、創作の過程を中心に展開する内省的な長編。断片的で詩的な語りを通じて、言語と自己の関係、女性の視点や創作の孤独を繊細に探る。
英国の作家。個人的な記憶と読書体験を基軸にした『Checkout 19』(オランダ語訳: Kassa 19)で受賞。私的で詩的な語り口が特徴の長編作家。
断片的な構成と引用、科学・大衆文化の断片を織り交ぜた実験的小説三部作。伝統的な物語形式を解体し、現代文化やメディア、知識の断片化を横断的に描く。
スペインの作家。実験的で断片的な語りと文化的引用を組み合わせた『Nocilla』三部作(Nocilla Dream, Nocilla Experience, Nocilla Lab)で受賞。前衛的な手法が特徴。
出自と移民経験を巡る回想的な作品。家族史や戦争の記憶をユーモアと痛切さを交えて綴り、記憶・言語・アイデンティティの関係を問いかけるエッセイ的要素の強い長編。
ボスニア生まれでドイツ語で執筆する作家。自らの出自や移民経験を題材にした『Herkunft』(オランダ語訳: Herkomst)で受賞。記憶とアイデンティティを巡る語りが特徴。
第一次世界大戦に従軍したセネガル出身の兵士たちを主人公に、戦争の暴力性と喪失、植民地主義がもたらす精神的影響を詩的かつ鋭い文体で描く短めの小説。
セネガル出身の作家。短いながら詩的な文体で第一次世界大戦に従軍したアフリカ出身兵士の経験を描いた『Frère d’âme』(オランダ語訳: Meer dan een broer)で受賞。
季節を主題とするシリーズの一篇。日常の細部と政治的な出来事を織り交ぜ、家族や時間、共同体のつながりを独特の語りで描く。言語的遊びや断片的構成が特徴。
英国の作家。季節をめぐる四部作の一作である『Spring』(オランダ語訳: Lente)で受賞。政治的・社会的なテーマと日常を織り交ぜる作風で知られる。
第一次世界大戦を戦った西アフリカ出身兵士の視点で描かれる衝撃的な物語。戦場体験が精神を蝕み、友情と復讐が暴力的に交錯する中で、植民地主義の残酷さと個の破壊を鋭くえぐる作品。
第二次世界大戦末期のオーストリアを舞台に、戦争と病が人々の暮らしにもたらす影響を繊細に描く。日常の細部を通じて希望と絶望が交錯する人間ドラマを紡ぎ出す作品。
友情と記憶、戦争が交差する叙事的な長篇。複数の時代と視点を行き来しながら、個人のトラウマと歴史的事件(ベトナム戦争など)の影響を描き、現代社会における人間関係の複雑さを照らす。
母の死を巡る家族の悲嘆を、詩的かつ実験的な文体で描いた作品。悲嘆を象徴する“カラス”が寓意的に登場し、ユーモアと鋭い感情表現で喪失と癒やしのプロセスを探る。
家族や失われた土地を巡る物語を通じて、個人の過去と社会の変容を描く長篇。ユーモアと悲哀を帯びた視点で現代イタリア社会の内面を掘り下げ、再生と喪失を問う作品。
個人の記憶と20世紀の歴史が交錯する物語。家族の断片や人生の終焉を繊細に辿りながら、記憶の断絶と歴史が私的世界に及ぼす影響を静かに描き出す長篇。
小さな地中海の町を舞台に、歴史的衰退と個人の倫理を重ね合わせて描く物語。哲学的な省察と人間関係の細やかな描写を通じて、現代社会における喪失と希望を静謐に問う作品。
実在の人物エドゥアルド・リモノフの生涯を追う伝記的長篇。文学者としての創作と政治的活動、暴力と情念が交錯する生の軌跡を通して、現代ロシア社会の陰影と個人の矛盾を描き出す。
中年の男の回想を通じて記憶の曖昧さと責任を問い直す物語。過去の人間関係や手紙・遺産を契機に主人公の自己認識が揺らぎ、記憶と真実、道徳的責任の問題が浮かび上がる。
三編で構成される短編集。移民や家族関係、権力や暴力に翻弄される女性たちの運命を抑制の効いた筆致で描き、強さと脆さ、孤独と抵抗の諸相を鋭く浮かび上がらせる。