ドイツ書籍賞(Deutscher Buchpreis)
どいつしょせきしょう
ドイツ語で書かれた新しい小説に対して、ドイツ書籍商協会傘下の書籍文化・読書促進財団が毎年授与する賞。フランクフルト書籍展の開催に合わせて毎年10月に「ドイツ語の小説の年」を発表する。
- Established
- 2005
- Organizer
- Stiftung Buchkultur und Leseförderung des Börsenvereins des Deutschen Buchhandels(ドイツ書籍商協会傘下の書籍文化・読書促進財団)
- Category
- General Fiction and Popular Fiction
- Selection Method
- 推薦
- Target
- Professional
- Frequency
- 1 per year
- Application Deadline
- around March
- Announcement Period
- around October
- Status
- Active
Description
German Book Prize(Deutscher Buchpreis)は2005年創設の文学賞で、ドイツ書籍販売協会(Börsenverein des Deutschen Buchhandels)がドイツ語で書かれた新作小説の中から最良作を選出して毎年授与する。出版社が候補作品をノミネート(各出版社最大2点)し、候補作はドイツ、オーストリア、スイスで出版されていることが条件。ショートリストは9月に発表され、受賞者はフランクフルト国際書籍展で10月に発表される。受賞者には€25,000、ショートリストの5名にはそれぞれ€2,500が贈られる。本賞は旧「Deutscher Bücherpreis」の後継として創設され、ブッカー賞やゴンクール賞と同様に作家の認知度向上を目的としている。
Prize
- Main Prize
- 受賞者に賞金€25,000。ショートリストの5名にはそれぞれ€2,500が贈られる。
- Cash Prize
- 25,000 EUR
- ショートリスト各作者に€2,500(5名)
- フランクフルト国際書籍展での授賞式による露出
- 受賞・ノミネートによる販売促進・メディア露出
Selection
Selection Process
| Stage | Judges | Pass Rate | Announcement |
|---|---|---|---|
| ノミネーション(出版社による推薦) | 出版社が自社の刊行済み・刊行予定作品をノミネート(各出版社最大2点) | — | ノミネーション自体は公開されず、内部集計のうえ次段階に進む |
| ショートリスト選出 | 選考委員会(年ごとに選ばれる審査員) | — | 毎年9月にショートリストを公開 |
| 受賞者決定・発表 | 選考委員会(最終選考を行う審査員) | 約16.7%(ショートリスト6点のうち1点) | フランクフルト国際書籍展で毎年10月に発表 |
Criteria
- ドイツ語で書かれた新作小説であること(ドイツ・オーストリア・スイスでの出版)
- 文学的完成度(文体、構成、テーマの深さ)
- 独創性・新規性
- 読者・文化的文脈への訴求力
- 言語表現の精密さと表現力
Application Tips
Dos
- 出版社と早めに連絡し、ノミネーションの意向を確認する(各出版社最大2点)。
- 出版日をショートリスト発表(9月)以前に設定する。
- 編集と校正を徹底し、言語表現の品質を上げる。
- 独創性と文学性の高いテーマ・文体を磨く。
- 出版社と販売・PR戦略を立て、フランクフルト書籍展での露出を計画する。
Don''ts
- 出版社の推薦が必須なので、出版社に頼らず個人で応募しようとしない。
- 締切・出版スケジュールを守らない。
- ドイツ・オーストリア・スイスでの出版条件を満たさない作品を提出する。
- 商業性のみを優先して文学的完成度を損なう改稿を行わない。
From Judges
- 言語の精密さと文体の独自性を重視する。
- 物語の構成とテーマの深さを評価する。
- ドイツ語圏の読者に響く表現や文化的洞察を大切にする。
- 翻訳・編集の質も含めて総合的に評価されるため、出版社と密に連携する。
Related Awards
- Bertolt-Brecht-Literaturpreis
- Friedenspreis des Deutschen Buchhandels
- Friedrich Nietzsche Prize
- Georg Büchner Prize
- Goethe Prize
- Hannelore Greve Literature Prize
- Heinrich-Böll-Preis
- Großer Preis des Deutschen Literaturfonds
- Jean-Paul-Preis
- Johann-Heinrich-Merck-Preis
- Joseph-Breitbach-Preis
- Kleist Prize
- Leipzig Book Award for European Understanding
- Leipzig Book Fair Prize
- Lessing Prize of the Free State of Saxony
- Literaturpreis der Konrad-Adenauer-Stiftung
- Ludwig Börne Prize
- Mainzer Stadtschreiber
- Nelly Sachs Prize
- Rainer-Malkowski-Preis
- Rheingau Literatur Preis
- Schiller Memorial Prize
- Schubart-Literaturpreis
- Siegfried Lenz Prize
- Siegfried Unseld Preis
- Sigmund Freud Prize
- Stadtschreiber von Bergen
- Thomas Mann Prize
- Uwe Johnson Prize
- Wilhelm Raabe Literature Prize
Official Resources
https://www.deutscher-buchpreis.de/Past Winners
夜眠れないパフォーマンスアーティストが、介護と仕事とネット上の会話のあいだで、自分の輪郭を保とうとする。愛と虚構、孤独と解放が、軽やかな語りと神話的なイメージのなかでせめぎ合う。
日常の重さのなかで、虚構だけが自由の入口になる。
ドイツ語圏の作家。日常の言葉や対話を通じて人間関係や孤独を描く作風で知られ、2024年に『Hey guten Morgen, wie geht es dir?』でドイツ書籍賞を受賞した。
ウィーンの名門寄宿学校を舞台に、ティルが権威的な教育とゲームの世界のあいだで自分の居場所を探す。友情、初恋、喪失、そして Age of Empires 2 が、成長譚の推進力として噛み合っていく。
学校とゲームのあいだで、青年期の自由のかたちを探る。
オーストリア出身の作家。現代社会の時間感覚やメディアとの関係を題材にした作品で評価され、2023年に『Echtzeitalter』でドイツ書籍賞を受賞した。
ノンバイナリーの語り手が、祖母の認知症を起点に、家族の沈黙、母系の記憶、身体、階級、そして言葉の限界をたどっていく。形式も語り口も揺れ続ける、自己探索と解体の物語。
名前のない裂け目を、言葉の実験でたどり直す。
スイスの作家・詩人。家族史やジェンダー、言語を巡る実験的な作品で注目を集め、2022年に『Blutbuch』でドイツ書籍賞を受賞した。
現代ヨーロッパを舞台にした複雑な愛の物語。2021年にドイツ・ブックプライズを受賞した。
現代ヨーロッパを舞台にした複雑な愛の物語。
ドイツの小説家。ジェンダーやアイデンティティ、身体性をテーマにした繊細な作風で評価され、2021年に『Blaue Frau』でドイツ書籍賞を受賞した。
叙事詩の形式を女性主人公の視点に置き換えた実験的な長編。伝統的な英雄譚を解体し、女性の行為や歴史的行動を新たな語りで再構築することで、ジェンダーと記憶を問い直す。
叙事詩の形式を女性主人公の視点に置き換えた実験的な長編。
フランス語・ドイツ語で執筆する作家。詩的かつ実験的な文体で知られ、2020年に女性主人公を描く叙事詩的長編『Annette, ein Heldinnenepos』でドイツ書籍賞を受賞した。
著者自身の出自と移民経験、家族の記憶を巡る回想録的長編。出自とは何か、言語や故郷の概念が個人に与える影響をユーモアと深い洞察で描き、帰属とアイデンティティを問い直す。
ボスニア出身、ドイツで活動する作家。移民経験と家族史を独自の語りで綴り、ユーモアと哀感を併せ持った作品で知られる。2019年に『Herkunft』でドイツ書籍賞を受賞した。
テネリフェ島を舞台に、複数の家族と島の社会がたどった二十世紀の記憶を逆行するように描く長編。老いた門番の過去、内戦、階級、植民の痕跡が重なり、私的な家族史と政治史が一つの島の風景に刻まれていく。
永遠の春の島に、家族の秘密とヨーロッパの暴力の記憶が折り重なる。
ドイツの作家。社会史や家族史をテーマにした重層的な物語を得意とし、2018年に『Archipel』でドイツ書籍賞を受賞した。
欧州連合の“首都”ブリュッセルを舞台に、官僚制や権力のあり方、市民と制度の距離を描く群像劇。風刺的かつ批評的な視点でEUの運営や言説を描き、政治的アイデンティティを問う。
欧州連合の“首都”ブリュッセルを舞台に、官僚制や権力のあり方、市民と制度の距離を描く群像劇。
オーストリア出身の作家・評論家。政治やヨーロッパ的アイデンティティをテーマにした作品で知られ、2017年に『Die Hauptstadt』でドイツ書籍賞を受賞した。
偶然の出会いから始まる短い旅を通して、愛と孤独、そして他者への接近を描く小説。
一度の夜の出来事が、人生の輪郭を静かに変えていく。
ドイツの小説家・脚本家。人間関係や記憶を繊細に描く作風で知られ、2016年に長編『Widerfahrnis』でドイツ書籍賞を受賞した。
13歳の語り手の視点から、旧西ドイツの政治的混乱と個人の記憶を巨大なコラージュとして再構成する実験的小説。
歴史の断片が、ひとりの少年の意識の中で解体され再配置される。
ドイツの作家。小説やエッセイを手がけ、実験的な語りやユーモアを特徴とする。2015年に長編『Die Erfindung der Roten Armee Fraktion durch einen manisch-depressiven Teenager im Sommer 1969』でドイツ書籍賞を受賞した。
東ドイツ末期の孤島ヒッデンゼーに集う若者たちと謎めいた人物Krusoを中心に、自由への希求と喪失、共同体の成立と崩壊を描く。青春と別離、個人の再生が抒情的な筆致で綴られる物語。
ドイツの作家・詩人。詩作と小説の双方で知られ、東ドイツ末期の若者たちや共同体の物語を抒情的に描写する作風で注目され、2014年に『Kruso』で受賞した。
言語と移民の問題を軸に、疎外とコミュニケーションの断絶を描く。翻訳や記憶、社会的排除が個人のアイデンティティにどのように影響するかをユーモアと冷厳な観察で描き、現代社会の不在感を浮かび上がらせる。
ハンガリー生まれでドイツ語で執筆する作家・翻訳者。言語や移民の問題を鋭く描き、現代社会の疎外や個人の孤立を主題とした作品で評価されている。2013年に『Das Ungeheuer』で受賞。
地方裁判所や法律を手がかりに、個人の過去や戦後ドイツ社会に横たわる負の遺産を探る。司法に関わる人々の物語を通して罪と責任、記憶の継承や沈黙の傷を静かに照射する重厚な物語。
ドイツの詩人・作家。詩や小説、エッセイにおいて個人の記憶や社会史を主題にしており、2012年に『Landgericht』でドイツ書籍賞を受賞した。
東ドイツの一家を中心に、政治的理想の消耗と世代間の断絶を描く家族叙事詩。国家史と個人史が重なり合う。
東ドイツを舞台にした家族叙事詩。
ドイツの作家。東ドイツの歴史や家族の物語を通して社会と個人の関係を描く長編で高い評価を受け、2011年に『In Zeiten des abnehmenden Lichts』でドイツ書籍賞を受賞した。
旧ユーゴスラビア(ヴォイヴォディナ)出身の家族がスイスへ移住する過程を、多声的に描き出す。戦争と民族の記憶、言語や文化の衝突、世代間の断絶と連帯が混在する現代ヨーロッパの肖像として描かれる。
旧ユーゴスラビア出身でスイスを拠点に活動する作家。移民や記憶、文化的アイデンティティをテーマにした作品で知られ、2010年に『Tauben fliegen auf』でドイツ書籍賞を受賞した。
主人公が病と向き合う過程を通して、身体と心の変容、家族や他者との関係の再構築を描く長編。病の経験がもたらす恐怖と希望、日常の価値の再評価など生と死の境界を鋭く問いかける。
主人公が病と向き合う過程を通して、身体と心の変容、家族や他者との関係の再構築を描く長編。
ドイツの作家。病や個人的な苦難をテーマに内省的な作品を発表しており、2009年に『Du stirbst nicht』でドイツ書籍賞を受賞した。
1980 年代の東ドイツを舞台に、医師一家や周囲の知識人たちの生活を通して国家体制の矛盾と抑圧を描く大河小説。日常の細部や制度の監視、個人の倫理が交錯し、社会の終焉を濃密に描写する。
崩れゆく東ドイツを、家族の視点から描いた大河小説。
ドイツの作家。東ドイツの社会と個人の葛藤を克明に描く長編で知られ、2008年に『Der Turm』でドイツ書籍賞を受賞した。
第一次世界大戦前後から戦間期にかけて、ある女性の生涯とその娘たちへの影響を軸に描く叙事詩的長編。母性の葛藤、放棄と赦し、戦争が個人と家庭にもたらす深い傷を丁寧に掘り下げる作品。
母と子の断絶を、歴史の長い流れの中で描き出す。
ドイツの小説家。20世紀における女性の運命や家族の断絶を題材にした作品で高い評価を得ており、2007年に『Die Mittagsfrau』でドイツ書籍賞を受賞した。
ベルリンなど都市を舞台に、登場人物たちの経済的・感情的欠乏を通して現代社会の希薄化を描く。欲望や倫理の衝突、他者との断絶、消費と孤独が人物の行動にどのように影響するかを冷徹な視線で照射する。
都市の孤独と欠乏を、冷ややかな視線で切り取る。
ドイツの小説家。都市生活や人間関係の複雑さを描く作風で知られ、2006年に『Die Habenichtse』でドイツ書籍賞を受賞した。
オーストリアの小さな町を舞台に、主人公とその家族の生活を通じて日常の刻々とした変化を描く長編。記憶や世代間のすれ違い、個人の孤独と人間関係の温かさが交錯し、平凡な暮らしの中に潜む時代の影響を繊細に描出する。
日常の細部から、家族と時代の輪郭が浮かび上がる。
オーストリア出身の小説家。日常の細やかな観察と家族を主題にした作品で知られる。2005年に『Es geht uns gut』で第1回ドイツ書籍賞(German Book Prize)を受賞。