ナギーブ・マフフーズ文学メダル
なぎーぶ・まふふーずぶんがくめだる
1996年創設。アメリカン・ユニバーシティ・イン・カイロ出版局(AUC Press)が主催し、英訳未刊のアラビア語現代小説の最優秀作品を表彰する賞。受賞者には賞金5,000米ドルと英訳出版権が贈られる。毎年12月11日、ノーベル賞作家ナギーブ・マフフーズの誕生日に授与される。
- 創設年
- 1996
- 主催
- アメリカン・ユニバーシティ・イン・カイロ出版局(AUC Press)
- カテゴリー
- 研究・翻訳・学術
- 選考方式
- 選考
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 締切時期
- 12月頃
- 発表時期
- 12月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Naguib Mahfouz Medal for Literature(ナギーブ・マフフーズ文学メダル)は、アラビア語で書かれ英語未訳の現代小説に対して毎年授与される文学賞である。1996年に創設され、受賞作は英訳されAmerican University in Cairo Press(AUC Press)から刊行される。賞はノーベル laureate ナギーブ・マフフーズの誕生日にあたる毎年12月11日にAUCの学長によって発表される。2011年は特例として「エジプトの人々の革命的創造性」に贈られた。
賞品
- 主賞品
- 受賞作の英訳およびAUC Pressからの刊行、受賞メダルの授与
- 英文翻訳と刊行(AUC Press)
- メダル授与
- 受賞発表はAUCの学長によって行われる
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 選考 | AUC Pressの選考委員会(詳細は公表されていない) | — | 受賞者は毎年12月11日にAmerican University in Cairoの学長によって発表される。 |
| 英訳・刊行 | AUC Pressの編集部 | — | 受賞作は受賞後にAUC Pressによって英訳され刊行される。 |
選考基準
- アラビア語で書かれた現代小説であること
- 英語にまだ翻訳されていないこと
- 文学的価値・独創性
関連の賞
- International Prize for Arabic Fiction
- AUC Press translation and publication initiatives
公式情報
https://web.archive.org/web/20070320042516/http://www.aucpress.com/t-nmmdescription.aspx?template=template_naguibmahfouz過去の受賞者
閉ざされた空間や制度的抑圧をモチーフに、女性や社会的マイノリティの声を描く作品。拘束や孤立を比喩的に描きつつ、主体性や解放の可能性を探る静かな抵抗の物語。
現代アラブ文学の作家。社会的抑圧や個人の自由をめぐる主題を扱い、女性や弱い立場の視点を取り上げることが多い。
匿名の人物の消失を軸に、存在の不確かさや社会の無関心を問いかける作品。失踪が周囲に及ぼす微妙な影響を通して、個人の孤立や記憶の欠落、社会的関係の脆弱さを描く。
中東圏の作家。存在の喪失や匿名性を題材にした物語で注目される。2020年の受賞作は実際の授賞が2021年に行われた。
都市の風景と移動をめぐる物語。旅する人々の視点から郷愁や社会の変容、女性の経験を描き出し、象徴的なイメージと細部の観察を通じて個人と都市の関係を浮き彫りにする。
サウジアラビアの作家。都市と旅、人々の記憶を繊細に描く作品で知られ、現代社会のなかの個人の位置や移動の経験に着目している。
女性の欲望と抑圧、記憶の層を織り交ぜた長編。パレスチナ社会の現実と個人の内的世界が交錯するなかで、登場人物たちの関係性や時間の流れを官能的かつ詩的に描き出す作品。
パレスチナの女性作家。女性の視点や記憶、トラウマを鋭く描く作品で知られ、政治的現実と個人の内面を結びつける作風が特徴的。
コプト教徒コミュニティを舞台に、主人公ユースフ・タドラスと周囲の人々の軌跡を通して宗教・文化・芸術の継承と摩擦を描く物語。少数派の生活実感や世代間の断絶、信仰と日常の交錯を細やかに表現している。
エジプトの小説家。コプト教徒の生活や文化、芸術を題材にした作品で注目され、宗教的少数派の日常と歴史的文脈を描写することが多い。
レバノン社会の混乱を背景に、中年の人物を通して道徳的ジレンマや過去の傷を掘り下げる長編。戦争や社会的分断が個人の選択と人間関係に与える影響を繊細な心情描写で示し、救済の見えない現実を問いかける。
レバノン出身の作家・批評家。紛争と日常が交差する人間ドラマを丁寧に描写し、レバノン社会の歴史的影響を主題にした作品で知られる。
スーダン社会の歴史的変動を背景に、政治的抑圧と個人の記憶を巡る長編。権力による暴力や拷問の余波が日常に及ぶ状況のなかで、友情や喪失、記憶の継承を繊細に描き、国家と個人の緊張を浮かび上がらせる。
スーダン出身の作家。現代スーダンの社会・政治をテーマにした作品で国際的な評価を受ける。権力、記憶、個人の喪失を鋭く描写する作風が特徴。
『No Knives in this City's Kitchens』はシリア社会における抑圧と一家の物語を数十年にわたって描く長編。日常の細部に潜む暴力と政治的圧力を通じて、世代を超えた喪失と変容を静かに描写する。
シリアの小説家。政治的抑圧や家族の悲劇を描く作品で国際的に評価されている。
『House of the Wolf』は家族史を通してエジプト社会の変容と権力の影響を描く長編。日常的な描写から国家的な力学までを繋げ、個人の運命と歴史的文脈を重層的に示す作品である。
エジプトの小説家。家族史や社会変容を題材にした長編で知られる。
2011年はキャンパスの状況により通常の授賞式が行われず、代わりに「エジプト人民の革命的創造性」に賞が贈られた。抗議行動や市民表現を通じた文化的・政治的創造性が評価された特例の受賞である。
2011年のエジプト革命(1月25日以降)における市民の創造的表現(詩、スローガン、アート、集会での表現など)に対して特別に贈られた表彰。
『Brooklyn Heights』は移民経験と女性の主体性を描く長編。故郷と新天地の間で揺れる主人公の視点から、文化的断絶と適応、家族関係の複雑さを繊細に描き出す作品である。
エジプト出身の小説家。ベドウィン文化や女性の経験を描く作品で国際的に評価される。
『The Scribe of Love』は愛と記憶、言葉の力を主題にした作品。主人公の記録者的視点を通して、個人的な恋愛や喪失と社会的変動が絡み合う様を詩的に描き出す。
シリアの作家・ジャーナリスト。社会と歴史、個人の感情を織り交ぜた作風で知られる。
『A Dog with No Tail』は周縁化された人々の視点から地方社会の断面を描く物語。喪失や希望、ユーモアと悲哀が交錯する語りで、経済的・社会的変動が個人の運命に与える影響を浮かび上がらせる。
エジプトの作家。地方や周縁の人々を題材に、社会変化と個人の生活を描く作品が多い。
『Red Wine』は赤ワインを象徴に用いながら、抑圧や欲望、自由への希求を描く物語。登場人物の内面の揺らぎと社会的制約が対比され、現代都市の断面を描写する。
エジプトの作家。都市生活や女性の経験を鋭く描く作品で評価されている。
『The Image, the Icon, and the Covenant』はパレスチナ社会を背景に、象徴的イメージと信条が個人の生と共同体の関係にどのように影響するかを探る重厚な長編。歴史と記憶、女性の視点が中心となる。
パレスチナの小説家でフェミニズム的視点を持つ作品で知られる。歴史と日常の交差を描く。
『Wedding Night』は結婚を巡る人間模様を通じて、個人の欲望と社会的慣習の衝突を描く。儀礼としての結婚が露呈させる階層や家族の期待、葛藤を鋭く映し出す作品。
エジプトの小説家。社会の細部と人間関係の機微を描く作風で知られる。
『The Loved Ones』は家族の愛憎と個人の喪失を繊細に描く長編。政治的・社会的混乱の影響下で揺れる親密な関係を通し、記憶とトラウマ、世代間の断絶を浮かび上がらせる作品。
イラク出身の小説家。家族・記憶・社会変動を題材にした重層的な物語で知られる。
寄宿舎や下町を舞台に、多様な人々の生活を生き生きと描く作品。ユーモアと痛烈な社会批評が同居し、都市の周縁に生きる人々の声を浮かび上がらせる。
エジプトの作家。大衆的な語り口と下層社会を描写する力に定評がある。
知と権力、倫理を巡る歴史的長編。多面的な登場人物を通じて学問と社会、精神的探究の衝突を描き、文明や文化の問題を哲学的観点から問う作品。
モロッコの作家・思想家。歴史・哲学的なテーマを取り扱う重厚な作品で知られる。
女性の自己認識と社会的期待の衝突をテーマにした長編。ナルシシズムや記憶、家族関係を通じて現代社会における個人の在り方を描き出す。
エジプトの作家。女性の視点から個人と社会の関係を描く作品を手がける。
レバノン内戦の影響を受けた人々の喪失と孤独を描く長編。戦争が日常と個人の記憶に与える深い影響を詩的かつ冷静に描写する。
レバノンの小説家。内戦と戦後社会の傷跡を描く作品で国際的評価を得ている。
神話的・象徴的な要素を織り交ぜた実験的小説。都市や記憶、登場人物の内面が交差し、伝統と現代性の狭間で揺れる文化的課題を探る。
エジプトの小説家。実験的な語りと象徴性を伴う作品で知られる。
アルジェリア独立戦争とその余波の中での愛と記憶を描いた長編。個人的な情念と国の歴史が交差し、民族的トラウマと再生をテーマとしている。
アルジェリアの小説家。民族の記憶や愛を主題にした詩的な文体で国際的に評価される。
都市の混沌と人間関係を背景に、愛と喪失、社会的矛盾を描く作品。生々しい人物描写と社会批評的な視点が特徴である。
エジプトの小説家・劇作家。社会の現実や人間の葛藤を鋭く描き出す作品群で知られる。
長年の亡命生活の後に故郷ラマッラーへ戻る過程を淡々と綴った回想録。政治と私的な記憶が交錯し、喪失感と郷愁、アイデンティティの葛藤を描く。
パレスチナの詩人・作家。亡命と帰還、記憶を主題にした回想録で国際的に高く評価された。
20世紀中頃のエジプトを背景に、若い女性の自立と政治的覚醒を描く長編。家族・恋愛・社会変革が交錯し、近代エジプト社会における女性の立場を照射する。
エジプトの作家・活動家。女性の自立と政治的覚醒を主題にした著作で知られる。
アレクサンドリアを舞台に、個人の記憶と都市の変容を繊細に描く長編。登場人物の過去と現在が交差し、故郷への愛着と疎外感が主題となる。
エジプト出身の小説家。アレクサンドリアを中心に都市の記憶や個人史を題材とした作品で知られる。