プレミオ・カンピエッロ
ぷれみお・かんぴえっろ
イタリアの年次文学賞。専門家の審査で5作品を選出し、300人の読者が最終的に受賞作を決定する。
- 創設年
- 1963
- 主催
- Confindustria (Veneto) / Fondazione Il Campiello
- カテゴリー
- 一般文芸・大衆小説
- 選考方式
- 投票
- 受賞対象
- 不問
- 開催頻度
- 年1回
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Premio Campielloは1963年に始まったイタリアの年次文学賞。1962年にConfindustria Venetoの発案で制定され、1963年の初回授賞式はサン・ジョルジョ・マッジョーレ島のTeatro Verdeで行われた。受賞候補はまず文学専門家の委員会(giuria di letterati)によって、その年に刊行された書籍の中から選ばれ、公開の審議で5作品(Premio Selezione Campiello)がファイナリストとして選出される。続いて各地域を代表する300名の一般読者(giuria dei 300 lettori)が一票ずつ投じて勝者を決定する。2004年以降は最優秀デビュー作を対象とするPremio Campiello Opera Primaも設定されている。若年層向けにはCampiello Giovani(15〜22歳対象)があり、若者の委員会と教師、さらにGiuria dei 300を経て受賞者が決まる。1997〜2003年にはPremio Speciale(生涯業績を顕彰する特別賞)も運用された。
賞品
- 主賞品
- 主要賞:受賞作に対する文学的栄誉(トロフィー・称号・授賞式での表彰)。
- Premio Campiello Opera Prima(2004年以降の最優秀デビュー作賞)
- Campiello Giovani(15–22歳対象の若手賞)
- 過去に設けられたPremio Speciale della Giuria dei Letterati(1997–2003)
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 一次選考(専門家による選出) | giuria di letterati(文学の専門家委員会) | — | 公開の審理で5作品をファイナリスト(Premio Selezione Campiello)として選出する。 |
| 最終選考(300人の読者による投票) | giuria dei 300 lettori(各地域を代表する300名の一般読者) | 約20%(ファイナリスト5作中1作が受賞) | Giuria dei 300の投票結果に基づき、授賞式で受賞作を発表する。 |
| Opera Prima(デビュー作賞) | giuria di letterati(文学専門家) | — | 2004年以降に設けられた部門。主賞の選考と併せて発表されることが多い。 |
| Campiello Giovani(若手部門の選考) | 若者の委員会が参加作を選び、3名の教師がファイナリスト5作を決定。最終的にGiuria dei 300が勝者を選ぶ。 | — | 若手部門として別途選出され、ファイナリストと受賞者が発表される。 |
選考基準
- 対象はその年に刊行された書籍であること(出版年の適格性)
- 文学的価値(文体、構成、創造性)
- 作品の社会的・文化的意義や読み手への影響
応募のヒント
推奨
- 対象となる年に刊行された書籍であることを確認する(出版社と連携すること)
- 原稿は校正・編集を済ませ、完全な出版情報(ISBN、出版社名、刊行日)を揃える
- 作品の独自性や文学的価値を明確にアピールする(あらすじではなく創作上の意図や特徴を示す)
- 若手部門(Campiello Giovani)に応募する場合は年齢(15〜22歳)を証明する書類を用意する
注意
- 未出版の作品を標準の部門にそのまま提出する(応募要項を確認)
- 校正や編集が不十分な状態で提出する
- 応募規定や締切を無視する
- 出版社と合意せずに応募手続きを進める(出版社経由が必要な場合がある)
審査員から
- 審査員は文体の独自性、物語構成の完成度、登場人物の深さを重視する傾向がある。
- 明確で洗練された文章と、作品全体を貫く一貫した視点(テーマ)が評価されやすい。
- 出版年の適格性と出版形態(正式な刊行物であること)を必ず確認すること。
関連の賞
- Campiello Giovani(若手部門)
- Premio Campiello Opera Prima(デビュー作賞)
- Premio Speciale della Giuria dei Letterati(過去の特別賞)
- Premio Strega(イタリアの主要文学賞)
- 他のイタリア国内文学賞への応募機会
公式情報
http://www.premiocampiello.org/過去の受賞者
移民や故郷への郷愁をテーマに、世代を超えた記憶と風景を織り込んだ物語。地方の言葉や風土を通じてアイデンティティの再生と希望を描く作品。
南イタリア出身の作家。移民や郷愁、故郷の記憶をテーマにした叙情的な作品で知られる。
多様な人物たちの視点を通じて20世紀の歴史と人間の残酷さ、ユーモアを描く群像劇。戦争や暴力の影響を受けた社会の断面を生き生きと描写する長編作。
イタリアの作家。幅広い主題を扱う作風で、歴史的・社会的な背景を持つ長編で評価される。
サルデーニャの習俗に根ざした『accabadora(死を閉じる者)』の役割を軸に、生と死の倫理を問いかける物語。孤児と老女の関係を通して地域社会の規範と個の選択を描く。
サルデーニャ出身の作家。地域文化や社会問題を主題にした力強い筆致で知られる。
ボスニア紛争を背景に、戦争がもたらした傷と家族の絆を描く感動的な小説。母と子の関係を軸にトラウマと和解、生きることの意味を問い、映画化もされた代表作。
イタリアの作家。感情豊かな人間描写と社会的テーマを織り合わせた作品で国際的に知られる。
20世紀前半のイタリアを舞台に、家族と恋愛、階級の葛藤を繊細に描いた作品。個人の情念と社会の変容が交錯し、喪失と再生の物語が展開する。
イタリアの小説家。歴史的背景を巧みに用いた人間ドラマを得意とする。
小さな南イタリアの村で世代を超えて生きる人々の営みを通じ、貧困や連帯、移住と戦争の影響を描く群像劇。日常の細部が積み重なり、地域史の断面が浮かび上がる作品。
南イタリアの地方を舞台に、地域の記憶や女性たちの暮らしを丹念に描く作家。
サルデーニャの村を舞台に、伝統や因習に翻弄される人々の運命を民話的で詩的な筆致で描く。地域の習俗や方言を生かしながら、喪失と再生を力強く描写する作品。
サルデーニャ出身の作家。方言や地域文化を織り込んだ叙情的な作風で評価される。
社会の周縁に生きる人々の痛みと連帯を描く作品。日常の中にある孤独や希望、傷ついた人間の再生を丁寧に描写することで、現代社会の断面を浮かび上がらせる。
イタリアの作家。地方や社会の周縁に生きる人々の声を掬い上げる作風が特徴。
記憶と生存を巡る心理的な長編。過去の傷や社会的暴力が個人の生をどのように規定するかを見つめ、生き残ることの倫理と意味を問い直す作品。
イタリアの作家。歴史や政治的主題を織り込んだ重厚な長編で知られる。
日常の細部と人間関係の機微をユーモアと温かさを交えて描く長編。家族や記憶、喪失と再生を繊細な筆致で紡ぎ、現代社会の人間像に光を当てる作品。
イタリアの小説家。日常の些細な瞬間や家族関係を鋭く捉える作風で知られる。
中世イタリアを背景に、学問と信仰、個人の欲望が交錯する人間模様を繊細に描いた歴史小説。実在の人物や文学史的要素を織り込み、知識人の葛藤と時代の変化を静かに描写する。
イタリアの作家・文学研究者。中世文学や文学史に造詣が深く、歴史的背景と人物の内面を織り交ぜた作品で評価される。
再生や二度目の人生をテーマに、主人公が人生の転換点を迎え自己や家族の関係を再評価していく過程を丁寧に描く作品。
人間の内面や関係性を鋭く描くイタリアの作家・随筆家。洞察に富んだ文体で知られる。
主人公が家族の過去と向き合い、過去の出来事が現在の生活や人間関係にどのように影響を与えるかを描く物語。記憶と贖罪、親子関係が主要なテーマとなっている。
イタリアの現代作家。家族や個人の内面を丁寧に描くことで知られる。
ナポリにゆかりのある作家・ジャーナリスト。都市の記憶や社会問題を題材にした作品が多い。
亡命や故郷の喪失、記憶と帰属意識を巡るテーマを扱った作品。個人史と歴史的出来事の交錯を通してアイデンティティを問う。
ジャーナリスト出身の作家で、歴史や政治、亡命を題材にした作品を多く手がけた。
日常の中の小さな勇気や人間関係の温かさを丁寧に描く物語。登場人物たちが過去の傷と向き合いながら再生と希望を見出していく過程を描く。
イタリアの小説家。地方の風景や住民の人間模様を繊細に描く作風で知られる。
1938年のリスボンを舞台に、新聞文化欄の編集者ペレイラが若い活動家との出会いを契機に検閲や権威主義と向き合い、良心と責任に目覚めていく過程を描く。権力と個人の道徳的選択を問いかける作品。
イタリアの小説家・翻訳家。ポルトガル文学、とりわけフェルナンド・ペソアの研究と翻訳で知られ、政治や良心をテーマにした作品で国際的に評価された。
北東地方の家を巡る物語を通して、過去の記憶と現在の生活が交差する様子を描く。土地と家族の物語が個人の歴史と結びつき、再生と喪失のテーマを探る。
イタリアの作家。地域の風土と個人の歴史を結びつける物語を執筆する。
良家の体裁と裏に隠れた秘密を描く現代小説。階級意識や家族の期待が個人の選択に与える圧力を掘り下げ、近代的価値観との衝突を描く。
イタリアの作家であり、家族や社会を題材にした作品を手がける。
18世紀シチリアを舞台に、聴覚障害を持つ貴婦人マリアンナ・ウクリアの生涯を描く歴史長編。沈黙の中で自らの声と主体性を取り戻そうとする女性の成長と社会の圧力を描写する。
フェミニズムや家族、個人史をテーマにした作品で国際的に知られるイタリアの作家。
私物や記録を手がかりに、過去と現在が交錯する物語。家族の秘密やアイデンティティの問題を通して、記憶の多層性と真実の揺らぎを探る。
家族や記憶を主題にした作品で知られるイタリアの小説家。
戦時中とその後の記憶を巡り、移ろう時代の中で人々が受ける喪失と再生を描く。幼年期の体験や家族の歴史が物語の中核をなす。
記憶や家族の歴史を繊細に描くイタリアの小説家。
バシェント川流域を舞台に、土地に根づく伝統と近代化の衝突を描く群像劇。家族や共同体の変容、記憶の火が物語を貫く。
南イタリア(バジリカータ)に根ざした題材を扱う作家。地域の歴史と人間模様の描写で知られる。
象徴的な「試合」を巡る人間ドラマ。決断と駆け引き、運命的な対立が登場人物たちの関係を浮き彫りにする心理劇的長編。
冒険小説や歴史小説を手がけたイタリアのジャーナリスト兼作家。
女性の視点から愛と孤独、世代間の断絶を描く物語。内面描写を通して社会的期待と個人の欲望の間で揺れる心理を掘り下げる。
イタリアの作家。人物の内面や人間関係の機微を描く作品で知られる。
愛と犠牲をめぐる長編。登場人物たちの情熱と道徳的選択を通して、個人の欲望と社会的制約の衝突を描く。
映画と文学の両分野で活躍したイタリアの脚本家・映画監督・作家。
山間の小さな村を舞台に、家族の秘密と伝承をめぐる物語。世代を超えた記憶と土地の歴史が絡み合い、登場人物の内面変化を通して共同体の再生と喪失を描く。
イタリアの作家。地域の歴史や人間ドラマを題材にした長編で知られる。
第二次世界大戦期におけるユダヤ人志願兵たちの旅と連帯を描いた歴史小説。仲間意識や倫理的選択、人間の尊厳をめぐる問いを通して戦争と記憶の意味を探る作品。
イタリアの化学者で作家。アウシュヴィッツの生存体験を基にした作品群で知られ、戦後文学とホロコースト記憶の重要な声となった。
療養所での経験をもとに病と死、記憶と文学の関係を深く掘り下げた長篇。独特のユーモアと哲学的な省察が混ざる語りで、人生観を鮮烈に提示する作品。
シチリア出身の作家。晩年に文壇に登場し、病と死、記憶を主題とする独特の語り口で高い評価を得た。
兄弟の関係を通じてイタリア社会の価値観やアイデンティティを問い直す作品。日常の機微を繊細に描き、ユーモアと哀感が混在する文体で人間模様を浮かび上がらせる。
ユーモアと悲哀を交えた筆致で人間関係や社会を描くイタリアの作家・評論家。短編や小説で幅広く活躍した。
山岳地帯を舞台に、戦争や移住によって翻弄される人々の生活と記憶を穏やかな筆致で描く。自然との共生や過去の影響を静謐に伝える叙情的な作品。
アルプス地方の自然と戦争体験を題材にした作品で国際的に評価される作家。簡潔で叙情的な文体が特徴。
カール大帝(Carlo Magno)を題材にした歴史的考察・物語。権力と文化の交錯、時代のうねりの中での個人の役割を問い直す作品で、歴史叙述と人間描写を融合している。
ジャーナリスト出身の作家・ノンフィクション作家。歴史や伝記的題材を扱う作品で知られる。
小さな町サンタ・ヴェネーレを舞台に、周縁に生きる人々の葛藤と伝統・近代化の衝突を描く。地域社会の力学と個人の孤立を鋭く描写する作品。
南イタリアの地域社会や移民、労働の問題を題材にした作品で知られる作家。地域の伝統や人々の日常を生々しく描く。
石膏の胸像を象徴に据え、過去の出来事と現在の心理が交錯する物語を描く。記憶や罪責、個人の再生をめぐるモチーフが中心となる作品。
戦後イタリア文学の文脈で活動した作家・ジャーナリスト。個人の記憶や歴史を題材にした作品を多く残す。
海辺や自然を背景に、失われた記憶や家族の絆、郷愁を淡く叙情的に綴る長篇。風景描写と登場人物の内面の微妙な交差を通して人生の無常を描く作品。
旅行記や小説を手がけ、風景描写と郷愁を伴う作風で知られる作家。自然や記憶を通じて人間の内面を掘り下げる作品が多い。
主人公アレッサンドラの内面を中心に据えた心理小説。愛や孤独、周囲との隔たりに悩む個人の選択とその結果を繊細な筆致で描く作品。
詳細資料が限られる作家。代表作『Alessandra』では人物の内面と人間関係の繊細な描写を通じて個人の選択を問う傾向がある。
北東イタリアを背景に、伝統や権力、家族関係をめぐる人間模様を叙事的に描いた小説。郷土の歴史や世代間の変化を重層的に扱い、地域社会の変容と個人の運命を描写する。
北東イタリア(フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア周辺)を題材にした歴史・郷土小説で知られる作家。地域の伝承や人間関係を丹念に描写する作品が多い。
Per le antiche scaleは、病院や療養の現場での体験を背景に人間の脆さや回復、他者への共感を描いた作品である。医療と倫理、患者の内面に寄り添う視点が作品全体を貫く。
イタリアの精神科医・作家。臨床経験に根ざした人間洞察に富む作品で知られ、患者への共感や医療現場の倫理を描写した作品群がある。
Ritratto in piediは人物の肖像を通じて人間関係や個人の内面を見つめ直す作品で、特に女性の視点からの鋭い観察が特徴である。静かな筆致で登場人物の輪郭と心理を浮かび上がらせる。
イタリアの女性作家。繊細な心理描写と人物の内面に迫る文体で知られ、女性の視点や肖像描写で評価された。
L'attoreは俳優という職業と個人生活の交錯を描いた作品で、演じることの意味や芸術家のアイデンティティ、名声と孤独のはざまを丁寧に描写する。舞台裏の人間模様を通じて創作と倫理を問う小説である。
イタリアの作家・映画監督。文学と映画の両分野で活躍し、人物描写や文化観察に優れた作品を残した。
L'Aironeは郷愁と記憶を主題にした作品で、故郷の風景や人々との関係を通じて過去と現在を交差させる。歴史の影が個人の日常に及ぼす影響を抒情的に描き、共同体と記憶の問題を掘り下げる。
イタリアの小説家。フェラーラを舞台にユダヤ人コミュニティや記憶の問題を繊細に描いた作品群で知られる。
L'avventura di un povero cristianoは、貧しい一人のクリスチャンの視点から社会の矛盾や信仰の試練を描く物語。倫理的葛藤と人間性の尊厳が冷静かつ情感豊かに問い直される社会小説である。
本名Secondo Tranquilli。イタリアの社会派作家で、貧困や社会正義を主題にした作品群で知られる。政治的な関心を持つ文学者として評価される。
Orfeo in Paradisoは、オルフェウス神話を現代的に再解釈した物語で、音楽や愛、死と再生のモチーフを通じて喪失と救済を探る。詩的な表現で内省的な世界を描き出す作品である。
イタリアの作家。叙情的で詩的な作風が特徴で、神話や音楽をモチーフにした作品を発表した。
Questa specie d'amoreは、複雑な恋愛関係と情熱の形を描く長編。登場人物の欲望や裏切り、疎外が絡み合い、愛情の光と影を力強い文体で表現する作品である。
イタリアの作家・映画人。情熱的な恋愛や人間の情念をテーマにした作品群で知られ、文学と映画の両面で活動した。
La compromissioneは、個人の道徳的妥協と社会的圧力を描く小説。主人公の選択とその帰結を通じて責任や良心の揺らぎ、対人関係の複雑さを問う。戦後イタリアの倫理的問題を背景にした作品である。
イタリアの作家・評論家。宗教や倫理、政治的テーマを扱った作品を発表し、戦後文学の重要な一角を担った。
Il male oscuroは、主人公の抑うつや不安、自己崩壊と再生を描く自伝的要素の強い小説。精神分析的な断片と記憶の描写を通じて、戦後イタリアにおける個人の孤立や内面の病理を浮き彫りにする作品である。
イタリアの小説家。個人の精神的葛藤や内的な苦悩を題材にした作品で知られる。自我の問題や精神分析的視座を持つ作風が特徴的である。
La treguaは、プリモ・レーヴィが第二次世界大戦後にナチス強制収容所から解放され、故国イタリアへ帰還するまでの旅路を綴った回想録。列車や港町で出会う人々との交流を通じて生存の記憶と再出発の困難が繊細に描かれる。
イタリアの化学者・作家。ホロコースト生還者としての体験を基にした回想録や小説で知られる。人間の尊厳や記憶を冷静かつ人間味を持って描いた著作群が評価される。