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トリリウム・ブック賞

とりりうむぶっくしょう

オンタリオ州の作家を対象とした年次文学賞。Ontario Creates(オンタリオ州政府のクラウン機関)が運営し、作家と出版社に対する金銭的支援を含む。

FictionNonfictionPoetryChildren's literatureEnglish-languageFrench-language
創設年
1987
主催
Ontario Creates (a Crown agency of the Government of Ontario)
カテゴリー
児童文学・童話・絵本
選考方式
公募
受賞対象
不問
開催頻度
年1回
発表時期
4月頃
賞のステータス
活動中

説明

Trillium Book Award(Prix littéraire Trillium / Prix Trillium)は1987年創設のオンタリオ州の年次文学賞で、Ontario Creates(オンタリオ州政府のクラウン機関)が運営する。目的は文学的卓越性の顕彰、州内出版業の支援、公共図書館と作家コミュニティの連携強化である。1994年にフランス語部門が追加され、2003年に各言語の詩部門が導入、2006年にフランス語児童文学部門が追加された。出版社からのエントリー制で、アンソロジー、再刊、翻訳、電子出版物、セルフパブリッシュ作品は応募不可。

賞品

主賞品
Books: CA$20,000 to the author and CA$2,500 to the publisher. Other categories (e.g., poetry): CA$10,000 to the author and CA$2,000 to the publisher.
賞金
20,000 CAD
  • Publisher award: CA$2,500 (books)
  • Poetry prize (author): CA$10,000
  • Poetry prize (publisher): CA$2,000
  • 複数言語・部門にわたる別賞設定(英語/フランス語等)

選考情報

選考プロセス

Submission
審査員 出版社がタイトルを提出(Ontario Creates / Ministry に提出)
発表 提出は内部審査およびジャッジによる選考のための登録段階
Jury shortlisting
審査員 各言語ごとに3名の審査員(作家や文学関係者)が短冊(ショートリスト)を選出
発表 ショートリストはメディア発表・プレスリリースで公表
Final selection and award
審査員 同じ審査員が最終選考を行い受賞作を決定
発表 受賞作は春(例:4月頃)に報道発表および授賞式で発表

選考基準

  • 文学的卓越性(Quality of writing, artistic merit)
  • オンタリオ州社会や住民への理解を深める貢献
  • 独創性と表現力
  • 応募資格の遵守(カナダ市民または永住者で、過去5年のうち3年はオンタリオ州に居住)
  • 対象作品の要件(フィクション、ノンフィクション、詩、児童文学など。アンソロジー、再版、翻訳、電子出版、セルフパブリッシュは不可)

応募のヒント

推奨

  • 応募条件(カナダ市民または永住者、オンタリオ州居住要件)を事前に確認する
  • 出版社に提出を依頼し、出版社経由で正しくエントリーする
  • 初版であること、アンソロジー/再刊/翻訳ではないことを確認する
  • 作品の校正・編集を徹底し、提出資料(著者情報、要約、宣材)を整える
  • 該当する言語・部門を正しく選択する(英語/フランス語、詩/児童文学等)

注意

  • セルフパブリッシュや電子専売のみの作品を応募しない
  • アンソロジー、再刊、翻訳を提出しない
  • 出版社を通さず個人で提出しようとしない(応募ルールに従う)
  • 応募期間や締切を逃す

審査員から

  • 文章の完成度(編集・校正)と独自の声を重視する
  • 明確なテーマ性やオンタリオに関する貢献が評価されることがある
  • 言葉遣いや構成の巧みさ、オリジナリティを示すこと
  • 応募要項・カテゴリーのルールを厳守すること

関連の賞

  • Governor General's Awards
  • Atlantic Book Awards
  • CBC Literary Prize
  • Lorne Pierce Medal
  • Canada Reads

公式情報

https://www.ontariocreates.ca/our-sectors/book/trillium-book-award

過去の受賞者

マーガレット・アトウッド まーがれっと・あとうっど 受賞
The Robber Bride

三人の女性の人生と、彼女たちを裏切り傷つける謎めいた女性“ロバー・ブライド”をめぐる小説。友情と裏切り、女性の連帯と自己再生が中心テーマとなり、Atwoodならではの社会洞察と皮肉が効いている。

友情裏切り女性のアイデンティティ復讐
1939-11-18 / 小説家、詩人、評論家 / オンタリオ州オタワ

カナダを代表する作家。社会的・フェミニズム的視点を持ちつつ、多様なジャンルで活躍する。1993年の受賞作は人間関係と裏切りを描いた長編。

ジェーン・アークハート じぇーん・あーくはーと 受賞
Away

家族の秘密と個人の記憶を巡る物語で、アイルランドとカナダを往還する舞台設定を通じて喪失と再生、場所の記憶を描く長編。移民や歴史の影響を受けた登場人物の生活が繊細に綴られる。

移民記憶場所性家族
小説家、詩人

カナダの小説家。土地の記憶や歴史、移民の経験を詩的に織り交ぜる作風で知られ、感情と風景を重層的に描くことを得意とする。

マイケル・オンダーチェ まいける・おんだーちぇ 受賞
The English Patient

第二次世界大戦末期、イタリアの田舎の別荘に集う負傷した“英人患者”と看護する者たちの交錯する物語。過去の恋愛や国籍の曖昧さ、記憶と罪の意識が複雑に絡まり、愛と喪失を壮麗な筆致で描く長編である。

戦争と記憶アイデンティティトラウマ
1943-09-12 / 作家、詩人 / コロンボ(旧セイロン/現スリランカ)

詩的な文体と歴史・記憶への関心で知られる作家。『The English Patient』は第二次世界大戦を背景にした叙事的な作品で国際的評価(ブッカー賞など)を獲得した。

マーガレット・アトウッド まーがれっと・あとうっど 受賞
Wilderness Tips

権力関係や女性の経験、孤独と欲望を鋭く抉る短編を収めた短編集。ブラックユーモアや皮肉を伴う冷徹な観察で現代社会の不条理と人間の矛盾を浮き彫りにする作品群である。

短編フェミニズム社会批評アイデンティティ
1939-11-18 / 小説家、詩人、評論家 / オンタリオ州オタワ

カナダを代表する作家。フェミニズムや環境、人間関係に関する鋭い社会洞察を持ち、詩的かつ批評的な文体で多くの重要作を発表している。

アリス・マンロー ありす・まんろー 受賞
Friend of My Youth

過去の記憶や家族関係、地方社会の変容を主題にした短編集。Munro特有の静かな視線で人物の内面と人生の分岐点を掬い取り、短編としての濃密さと余韻を残す作品群が収められている。

短編記憶家族地方社会女性
1931-07-10 / 短編作家 / オンタリオ州ウィンガム

現代短編の巨匠。日常の細部を通して人間関係や人生の転機を繊細に描き、短編形式で深い普遍性を示す作風で国際的評価を得る。

モドリス・エクステインス もどりす・えくすていんす 受賞
Rites of Spring

第一次世界大戦前後の文化的潮流とモダニズムの台頭を、儀礼・芸術・政治の相互作用から分析する文化史。戦争が個人と社会の感覚を如何に変容させたかを史料と理論を交えて論じ、近代性生成の視座を提示する一冊。

第一次世界大戦モダニズム文化史近代性
歴史家、文化史研究者

ラトビア生まれでカナダを拠点にする文化史家。芸術・儀礼・政治の相互作用から近代性とモダニズムの成立を分析する研究で知られる。

ティモシー・ファインドリー てぃもしー・ふぁいんどりー 受賞
Stones

人間の孤独や家族関係、記憶や道徳的葛藤を扱う短編・中編を集めた短編集。Findleyらしい緊張感のある心理描写と時に象徴的・幻想的な要素が混ざり、登場人物の矛盾や脆さを鋭く浮き彫りにする作品群。

短編心理家族記憶道徳
小説家、劇作家

カナダの小説家・劇作家。心理的深みと時折の幻想的要素を併せ持つ作風で知られ、人間関係や道徳的葛藤を鋭く描く。

マイケル・オンダーチェ まいける・おんだーちぇ 受賞
In the Skin of a Lion

20世紀初頭のトロントを舞台に、移民労働者や都市開発の裏側に生きる人々の物語を織り交ぜながら、都市の成り立ちと個人の記憶を描く長編。愛と喪失、連帯と犠牲が詩的で断片的な語りで再構成され、周縁にある声を掬い上げる作品。

移民都市化労働史記憶
1943-09-12 / 作家、詩人 / コロンボ(旧セイロン/現スリランカ)

スリランカ生まれのカナダの作家。詩的で断片的な語りを用い、記憶や移民、歴史の周縁に生きる人物像を描く。長編・詩・脚本など多彩な作品群で国際的評価を得ている。