モレルの発明 第2版 (フィクションの楽しみ)
アドルフォ ビオイ=カサーレス, Adolfo Bioy Casares, 清水 徹, 牛島 信明
故国での政治的迫害を逃れて絶海の孤島に辿り着いた逃亡者は、ある日突然、無人島のはずの場所に1920年代風の男女の一団を目撃する。その中の若い女性ファウスティーヌに恋した彼は、彼女が自分に一切気づかないことに苦しみながら島を探索し、やがて驚愕の真実を発見する。科学者モレルが発明した機械は、視覚・聴覚・触覚・嗅覚に至るまですべての感覚を完全に記録・再生し、対象者の魂ごとを永遠にループさせる。しかし記録される者は命を奪われる。孤独と絶望の果てに、語り手は自らも機械に記録されることで、投影されたファウスティーヌの傍に存在しようと決意する。