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ワイルド・スワン 上

ブッカー賞

ワイルド・スワン 上

ジェームズ・ケルマン

三世代にわたる中国女性の生をたどりながら、革命、戦争、文化大革命をまたぐ20世紀中国の歴史を家族史として描く回想録。親密な証言と大きな歴史の流れが重なり合う。

中国現代史家族史回想録

作品情報

三代の女性を通して、中国20世紀史を読み解く回想録。

個人史と政治史が重なり合うことで、中国近現代の激動が身近な経験として立ち上がる。長編回想録でありながら、歴史の見取り図としても読める。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1993-01-01
ページ数
378ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062056533
ISBN-10
4062056534
価格
2699 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学

激動中国、祖母・母・娘 親子三代七〇年 現代中国を舞台に、祖母・母・娘の親子三代七〇年にわたる、激動の大河ドラマである。彼女たちの笑いや涙、怒りとともに時が静かに優しくそして力強く流れる。

【ユン・チアン】 1952年中華人民共和国四川省宜賓市生まれ。14歳でしばらく紅衛兵を経験したあと、農村に下放されて農民として働き、「はだしの医者」、機械工場の鋳造工、電気工を経て四川大学英文科の学生となり、のちに講師となる。1978年にイギリスへ留学。ヨーク大学から奨学金を得て勉強を続け、1982年に言語学の博士号を取得。中華人民共和国からの留学生でイギリスの大学から博士号を取得したのは張戎(ユン・チアン)が初めて。現在はロンドンに住み、ロンドン大学の東洋アフリカ研究所で教鞭をとっている。 【土屋京子】 翻訳家。1956年愛知県生まれ。東京大学教養学部卒業。英字誌編集者を経て、現在に至る。訳書に『地球を救うかんたんな50の方法』『人生を成功させる7つの秘訣』『ZAPP!』『大接戦』(いずれも講談社)など。

レビュー

  • 歴史書を読むだけでは伝わらない「人間」の生きた記録

    祖母、母、著者と、3代にわたる女性が波乱の時代に翻弄されつつ、それでも強く生きた記録。 旧日本軍から国民党、共産党と目まぐるしく支配体制がかわる中で昨日正しかった事が今日には覆され、昨日まで追従していた人が今日には掌を返して暴力をふるってくるような世界で、何を信じ、誰を守り、どう生きるのか。 等身大の読みやす文体で書かれているのですんなりと頭に入ってきます。

  • 良書

    探していた本なので、ここで買えてよかったです。

  • 中国共産党 毛沢東 の政治手法と中国人の感覚を学べます

    中国人の感覚、表向きな表現と内心のギャップ、中国の歴史的経緯を学べます。 内容は、生の激動の中国を生きた人の本音がうまく描写されて、とても素晴らしいけど、 図とか挿絵を挿入して、外国の人でも、制度、地名、地理が分かりやすくしていただけるともっと素晴らしいと思います

  • 記憶に残る本

    内容は重くてかなり難しいかもしれないが、記憶に残るいいものでした。

  • 寝食忘れ、夢中に

    二十数年まえ、職場のおじさんが「これ、面白いで」と、貸してくれました。 読み始めると夢中に。早く帰宅して続きが読みたくてウズウズしたものです。 文庫になったのを見つけ懐かしくなって購入しました。 本の内容と関係ないのですが本書を手にとると、お母様が満州国で映画館を営まれていたこと、洗濯物が凍ってしまうことなど、楽しそうに話して下さったおじさんの笑顔が蘇りました。 ノンフィクション。誰しも人生ノンフィクション。

  • 猿のごとく読み、人のごとく考える・その188・181冊目

    ・サノーさん一言コメント 「祖母、母、姉、著者、三代にわたる中華の白鳥が体験した、権力と支配の荒波。近代中国のDNAを知る」 【サノーさんおすすめ度★★★★★】 ・ウノーさん一言コメント 「中国史上、もっとも記録が少ない時期を克明に記録し、知られざる中国という国家の成り立ちを知る一冊です」 【ウノーさんおすすめ度★★★★★】 ・サノーさん、ウノーさん読書会 サノーさん(以下サ):まず、注意したいのは、満州国成立以前の結婚適齢期は15歳だということだ。 ウノーさん(以下ウ):だから、祖母も母も活躍期が長いというか、現在のイメージだと理解できない「濃密な人生」が書かれています。 サ:つい、現在の年代感覚で連想してしまうと、違和感が出てしまう。 ウ:満州国による日本の支配を体験し、国民党の台頭を知り、共産党に入り、幾多の生死の境目を潜り抜けてきて「党員幹部」となった「母」の年齢が20代だったりしますので、注意が必要です。 サ:そこを意識すると、著者の義理の祖父である「夏先生」だけが上巻では「イメージ通りの老人」だな。 ウ:物語は支配者が変わるたびに翻弄される人々と、家族が生き延びるために死力を尽くす親と子が軸です。 サ:権力による暴力、支配による殺生、その矛盾が描かれるが「夏先生」だけは医を仁術とし、人を助けるスタンスを貫いた人物として書かれている。 ウ:著者が好きだったことはもちろんですが、実際に人々を多く救う行為が、その人生を助けるという摂理だと感じました。 サ:その観点からいえば、この物語は「因果応報」の実例なのかもしれない。 西欧の中国進出と撤退、日本の支配と敗戦、国民党の台頭と腐敗による敗退、共産党の台頭と弾圧、それの史実は、全て、人間の弱さや欲望や暴力が「因」となり、「果」としての死や悲しみが確立したと考えられる。 ウ:理解したのは、中国が脈々と受け継いできた「DNA」とそれに対する恐怖です。 サ:支配する側とされる側、そこで起こる軋轢や腐敗、それに対する反動が「毛沢東」という現実を生み出し「全体の幸福」を目指すための規律と法律、制度へと至ったわけだ。 ウ:「あの」大弾圧の種となるもの、素地となったものを初めて知りました。 サ:自分たちに流れるもの、自国が繰り返してきた「過ち」に対する恐怖なんだ。 ウ:著者の父が「革命意欲低下」のレッテルを張られたときから、束の間の家族の平穏と幸せが始まっているのも、強烈なアンチテーゼです。 サ:父親が「家族よりも大事」だとしてきた「思想」から離れたとき、残ったのが家族であり、人としての本来の「幸福」だったのだと思う。 【了】

  • パール・バックの「大地」の後に

    パール・バックの「大地」の後に読みました。「大地」がフィクションのためいきなりドラマティックであるのに比べると、中国人作家によるノンフィクションであり、特に上巻は祖母や母の話が中心だということもあって退屈な感じから始まりました。しかし、下巻からは重苦しい中にも精一杯生きる中国の人々の息を飲む展開です。まだそれほど時代が経っていないとは思えないと思いながら、今でも思想や言論に制限のある中国という国を、その歴史から理解できた観があります。

  • 圧倒的な迫力で

    迫る、ノンフィクション。 ずいぶん前に一度読んでいたのを、今回、Kindleで購入し、再読しました。 やはり、あらためて、スゴイ……のひと言につきます。 上下巻とも一息に読み切りました。 淡々としながらも、壮絶で生々しい描写に、戦慄が走ります。 濃く、重く、壮大で過酷な、中国の歴史の一幕。 著者の家族をはじめ、係わる人々の人間性に強く胸を打たれました。 ぜひ、お勧めです。 もちろん、☆5つ。

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