書籍情報
- 出版社
- 人文書院
- 発売日
- 1994-01-01
- ページ数
- 306ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784409130193
- ISBN-10
- 4409130196
- 価格
- 3150 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/フランス文学
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レビュー
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孤独な純潔さ
何も事件らしい事件は起こらない小説だが、妙に面白い。 それは、普段生活していて、人間的なものってなんて薄汚れているんだろうと 思っている私からすると、この小説のロカンタンの持つ孤独な純潔さといった ものに強く惹き付けられるからだ。 アニーとの会話で〈完璧な瞬間〉はない、という言辞が出てくるが、それは 自分の切実な願望や、救済とは必ず出会い損なう、愛の不可能さについて 語っているのだと思う。サルトルが評価していたマラルメはそれを身を以て 知悉していたと思われるが、サルトルが頭でそれをわかっているだけの子供 なのか、体感できていた大人なのかは、よくわからない。 デリダは本作を十代の頃読んで感銘を受けたらしいが、出来ればこの小説は 十代のうちに読んでおけたらいい作品の一つに思われる。少なくとも私は 本作を十代の頃に読んだことは大きな財産になっているからだ。
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文学の極み
母に頼まれて発注しました。 精神性の高い内容で読み耽っています! 状態もよく満足しております。 有り難うございます!
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哲学書を読むまえに。
サルトルの実存主義は、全く無知の状態で読みました。 ロカンタンが、激越な洞察をマロニエの下でえたのはまるで釈迦の菩提樹下のよう。しかし、アニーというあまり可愛くない女に振り回されて、悟りを逃してしまう。 解説を読むと、このような不思議な体験をサルトルがしていたそうで、実存主義のもとになった体験なのかもしれないけど、小説を読む限り、実存主義を理解したいようには思えない。おかしな考え方をした文学者の話として、小説は面白く読めた。 サルトルの文系脳的なまわりくどい表現がよく出ていました。
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古い本ですが、今も価値があります。
私たちは、IT機器に取り囲まれた生活を送っている訳ですが、私たちは、ビッグデータなどに変換されるなどして、実存が脅かされている気がします。実存というものが何なのか、よく分る本です。
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サルトル。まぶだち。
中学2年、 この本を読み耽った。こんなにも僕と同じ感覚を持つ人間が世の中のどこかにいたことに、感激と驚きで胸が熱くなった。 父親の本棚で見つけた嘔吐だが、冒頭の一文が45年を経てもこんなにすらせら出てくるほどだ(笑) 「例えばパイプを掴むとかフォークを握るとかの方法がある。あるいは、しかし今、パイプがある一種の握らせかたをするというべきかもしれない。先ほど自分の部屋に入ろうとした時、私は急に立ち止まった。それは何か冷たい物が私の手の中にあって、個性的なものをもって私の注意を促したのを感じたからだった。私は手を開いて、そして眺めた。私は全く単にドアの取っ手を握っていたに過ぎない」・・・ 無であり続ける事も、嘔吐や下痢で自己の體躯と対話する事も、そして成りゆきで他者と同じ空間に生きる事も、全てが自由で全てが自分の思いのままなのだと気付かせてもらえてどれだけあの日の僕は救われた事か。 苦しむティーンエイジャーにこそ読んでもらいたい。
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理解の鍵
この本を読む人が、哲学や社会学などの研究者で、定職がなく、精神的な病を抱えている人、あるいは、そのような状態に陥ったことのある人が読むと、最初から、何の問題もなく、共感をもって読めます。そのような経験がないと、理解するのに時間がかかるかもしれません。
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「良」は甘い
カバーの傷み・汚れと表紙上下の傷み具合から、「可」が妥当と思います。
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感じる書物
人間1人でいるときに、フッと自分とはなんだろうとか、どうしてこんなことを考えるのだろうかとか、 頭に浮かんでくることがあります。それをソックリそのまま書物にしたものですね。 実存主義とか深く考える必要なんてありませんし、理解しようとするよりは感じたほうが良いでしょう。 読み終わってしばらく月日や年月が経つと、またページをめくりたくなるかもしれません。 たぶん、解決することのない根源的な問いが、再び本書を手に取らせるはずです。
関連する文学賞
- ノーベル文学賞 第57回(1964年) ・受賞