世界・海外・国外の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
経度への挑戦: 一秒にかけた四百年

ブリティッシュ・ブック・アワード(Nibbies/ニビーズ)

経度への挑戦: 一秒にかけた四百年

フィリップ・プルマン

18世紀の経度問題と、時計職人ジョン・ハリソンの執念を描く科学史ノンフィクション。航海の安全を左右した技術革新を、人物伝としても読みやすくまとめている。

科学史航海発明伝記

作品情報

経度を測るための時計づくりが、海の歴史を変える。

経度を正確に測ることがいかに難題だったかを起点に、ジョン・ハリソンが海洋クロノメーターを完成させるまでの道のりを描く。科学、航海、発明の物語としてまとまりがよい一冊。

書籍情報

出版社
翔泳社
発売日
1997-07-01
ページ数
205ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784881355053
ISBN-10
4881355058
価格
2092 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学

大航海時代を経た18世紀ヨーロッパ。海外交易が華やかに繰り広げられる一方で、不正確な経度測定に起因する遭難事故が相次いだ。イギリスは1741年、経度誤差が30分以内の測定方法の考案者に対し、「国王の身代金」に相当する賞金を設定する。天文学者がこぞって天体の運行に答えを求めるなか、無名の時計職人が名乗りをあげた。その試みは、当時不可能といわれていた技術 ---船上で正確な時刻を計ることができる時計の開発--- への挑戦だった…… 英国で23週連続ベストセラー第1位!

レビュー

  • 勉強になった

    経度と緯度の違いがよくわかった。興味深い内容で、勉強になりました。

  • 楽しく読んでいます

    楽しく読んでいます。

  • 時計の好きな方にお勧めします

    ジョン・ハリソンによるクロノメータ開発に関する物語です. 時計の好きな方にはお勧めです. 本文中に図版がないので味わい半減ですが,図版の入った洋書(The Illustrated "Longitude",同著者)もあります.こちらのほうが楽しめますが,ハリソンの時計(H1~H4)の機構・構造が詳しく解説されているというわけではないので,過度な期待は禁物です.

  • 経度のことを何もわかっていませんでした

    経度と緯度なんて、縦か横かの違いだろうとしか思っていませんでしたが、この本を読んで経度についての見方がガラリと変わりました。そもそも、経線は大円ですが緯線は大円ではないということも、当然のことなんでしょうけれど、認識できていませんでした。いやあ、実に恥ずかしい。人類は、自分がいる場所、時間を知る方法を常に模索してきました。現在では、人工衛星が我々のいる位置を、スマホが時間や暦を正確に教えてますが、一昔前はそうはいきません。特に航海中に自分の居場所を正確に把握するのは困難を極めました。この本はその歴史をほんの少し繙いてくれます。そういえば何年か前に地理の問題で、「自分の緯度を正確に知るためにはどうすれば良いか」というのを見かけましたが、まさにその問いの答えがここに書いてあります。是非、ご一読あれ。

  • 最高

    ジョンハリソンの本になりますが、数多くハリソンについての本や資料を見ましたがこの本が一番良かったです。 経度や一秒に対する当時の想いがとても伝わってきて入り込んで一気に読みました。何回も読み返したくなります。 イギリスで23週に渡りトップでベストセラーになったのはとても納得しました。

  • 科学と技術の発展の原点がここにある

    この本を読んで、私は多くのことを考えさせられた。この本では、ジョン・ハリソンという不屈の時計技術者とネビル・マスケリンという第五代グリニッジ天文台台長の、ユニバーサルな時間の計測をめぐっての、激しい先陣争いがテーマとなっている。著者は、ハリソンに同情的な立場をとっているが、マスケリンの多大な貢献についても十分に記すことを忘れていない。この本が、米欧でベストセラーになった背景はいくつかあると思われるが、それは、彼らの父祖が大航海時代を経て新大陸へ大挙して進出した、その大元を支えた先駆的技術の開発の物語であり、しかもそうした技術が最初は不可能と思われていたのにあえて挑戦したからだからだと思われる。つまり、キャプテン・クックに代表されるわくわくするような海外雄飛の大冒険を縁の下でがっしり支えたのが科学者や技術者の生涯をかけての仕事だったのだから、これほど感動的なことはない。ハリソンは技術を代表し、マスケリンは科学を代表するようだ。共に競争して、傍からみると相補う関係にあった。ハリソンは徹底して頑固であり自分の技術の秘密を明かすのを嫌い、一方、マスケリンもあらゆる妨害をいとわない利己主義者のようにも見えるが、当時の状況を考えればやむをえない。何しろ、当時のイギリスでは、世界で最初の特許法もできたばかりで、すべてが試行錯誤の段階だったからだ。彼の頑固のおかげで、後に続く改良も短時間ですんだ。とにかくこの本を科学と技術に関心のある人全てに薦めたい。

  • 経度を知るための時刻との戦い

    緯度を調べるのは容易い。物理的に北極と南極があり、北極星が見える角度などから観測できるからだ。一方で経度は物理的な基準がない(グリニッジも基準点の一つでしかない)ために、時間を計って計算しなければならない。言い換えれば、経度を知ることは、正確な時計を製作することと同義になる。 ジョン・ハリソンは18世紀に、クロノメーターという航海で使える時計を開発した。本書はハリソンを中心に、過酷な環境でも正確に時を刻む時計にまつわる物語。まさに人生を懸けた時計製作の物語である。今では当たり前のように正確な時計を誰もが持っているが、それが当たり前ではない時代の苦労を知ることができる。とてもドラマチックであり、楽しく読める。 そういえば、上田早夕里氏の「リリエンタールの末裔」に、ハリソンの時計を題材にした小説「幻のクロノメーター」がある。合わせて読むと、より楽しめるだろう。

  • 科学と技術史と言うよりもお話し

    科学史としてはけっこう良くできている。クロノメータが大航海時代の時代背景で求められ、人間の世界観の変化、科学と技術の1関係として記述されている。 しかし、図版や写真も無いので技術史としては掘り下げが浅い。クロノメータは機械であり、機構の記述が必須なのだが、ほとんど機構や構造には触れていないのが残念。著者は人間の話しとしてこの本を書いたとある。その意味ではなかなか良くできている。だが、技術の記述を抜きに技術者を記述してどんな意味があるのかといった読後感を持った。

関連する文学賞