傷つきやすいものたち
A novel centered on a daughter who returns to her mountain home and the mother who tries to protect her, as the memory of a past catastrophe and the wounds it left on the land slowly resurface. Family silence and local history are woven across generations.
Work Information
Beneath a mother's and daughter's silence, the past buried in the mountain land begins to surface.
Following Lucia and her daughter Amanda, the novel returns to a mountain hometown where a long-buried event and the family's accumulated pain refuse to stay hidden. It is a quiet, urgent story in which personal renewal meets the memory embedded in the land.
Book Information
- Publisher
- 小学館
- Published
- 2026-02-18
- Pages
- 258 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 13 x 1.8 x 18.8 cm
- ISBN-13
- 9784093567589
- ISBN-10
- 4093567581
- Price
- 2750 JPY
- Category
- 本/文学・評論/文芸作品/イタリア文学
ストレーガ賞W受賞の傑作ヒューマンドラマ 遠くへ去った親友。傷を抱えた娘。あのときなぜ私は…。 語り手の後悔とレジリエンスの物語に心揺さぶられた。 ――中島京子さん(作家) 奪われた尊厳を、私たちの手に取り戻す。 襲いかかる不条理に対し、女性たちが自分らしく息ができる場所を探していく、静かで峻烈な抵抗の物語。 ――辻愛沙子さん(株式会社arca CEO | Creative Director) こんな物語に出くわすから読書はやめられないのだ。 この一作から世界文学の広さと大きさを思い知り、胸が震えた。 ――間室道子さん(書評家、代官山 蔦屋書店 文学コンシェルジュ) イタリア文学賞の最高峰ストレーガ賞+同賞ヤング部門賞W受賞! ルチアは故郷の山間の町に暮らしている。夫は単身赴任で家を出たままで、老父が暮らす近所の実家を時々訪れる日々。都市封鎖でミラノの大学から戻ってきた娘は部屋に引き籠もったままだ。ある日、ルチアは父親から土地を継げと持ちかけられる。その土地はかつて、今も町に影を落とす忌まわしい事件が起きた場所だった。ルチアは封印していた記憶と向き合うことに――。 すべての人間の弱さを力強く描いた、感動の人生賛歌。 【編集担当からのおすすめ情報】 イタリア文学の最高峰ストレーガ賞を選考委員の圧倒的支持を得て受賞、さらに各地の高校・専門学校生(16~18歳)の投票によって選ばれる同賞〈ヤング賞〉のW受賞という快挙を成し遂げ、2024年の欧州の話題をさらった『L’età fragile』。本作『傷つきやすいものたち』はその邦訳版です。 ヤング賞を受賞していますが主人公は若者ではなく、老父と大学生の娘を持つ中年女性。別居中の夫との関係、家父長制的価値観の強い老父、心を閉ざしている娘との距離感……。「夫の妻」「父の娘」「娘の母」それぞれの苦しさ。そんな普遍的な女性の生きづらさを描きながら、主人公が若い頃に経験し、数十年後も町に暗い影を落とし続ける痛ましい事件が回想されていきます。封印していた記憶と自分の古い傷に向き合うことは、彼女に何をもたらすのか。そして、心に傷を抱えて殻に閉じこもっていた娘はーー。 読み終えた後にきっと、本作がストレーガ賞のみでなくヤング賞も受賞した意味を理解いただけるのではないでしょうか。傷つきやすさを抱えたすべての世代の方に読んでいただきたい作品です。ぜひ、イタリア文学の奥深さを感じてください。
Reviews
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生き延びた者たちが語ること
「狼の牙」と呼ばれるイタリアの山地で起きた惨劇。実際に起きた事件を下敷きにしているそうだ。遭遇したことで心に傷を負い、人生を狂わされた登場人物達の悲哀が行間ににじむ。 生きていくことは、時に薄氷を踏んで渡る危うさをもつ。前書きの「生き延びたすべての女性たちへ」という言葉の重さを噛みしめずにはいられなかった。