世界・海外・国外の文学賞

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ベルトルト・ブレヒト

べるとると・ぶれひと

Berutoruto Burehito

別名: Eugen Berthold Friedrich Brecht / Bert Brecht
ペンネーム: ベルト・ブレヒト初期の新聞記事や批評で使用された短縮形, ユージン・ベルトホルト・フリードリヒ・ブレヒト出生名(公的記録や初期の伝記で使用)

プロフィール

性別
男性
生誕
1898-02-10 (アウクスブルク(バイエルン王国、ドイツ帝国))
死没
1956-08-14 (東ベルリン(東ドイツ)) 58歳
国籍
ドイツ, オーストリア(帰化)
言語
ドイツ語
宗教
プロテスタント(家庭的影響)
居住地歴
アウクスブルク(出生・幼少期) → ミュンヘン(学生時代) → ベルリン(ワイマール期、活動の中心) → スヴェンボー(デンマーク、亡命期) → サンタモニカ(ロサンゼルス、亡命中) → チューリッヒ(短期間) → 東ベルリン(戦後〜晩年)

経歴

職業
劇作家, 演出家, 詩人, 脚本家, 演劇理論家
活動期間
1916年〜1956年
所属
ベルリナ・アンザンブル(Berliner Ensemble), ドイチェス・テアター(Deutsches Theater, ベルリン、助理ドラマトゥルグ時代)
影響を受けた人物
エルンスト・トール(Ernst Toller), エルヴィン・ピスカトル(Erwin Piscator), カール・コルシュ(Karl Korsch), カール・ヴァレンティン(Karl Valentin), カール・マルクス(思想的影響)
影響を与えた人物
ジャン=リュック・ゴダール(映画、ブレヒト的手法を参照), ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー, ナガサ・オシマ(大島渚), いくつかのロック/ポップミュージシャン(例:ドアーズ、デヴィッド・ボウイ)

学歴

ミュンヘン大学(ルートヴィヒ=マクシミリアン大学)
医学(形式上の登録、演劇を学ぶ)
期間: 1917–1918(在籍、学位取得は不明)
国: ドイツ
徴兵回避のため医学コースに登録したが、演劇研究に傾倒した。学位取得はされていない可能性が高い。

受賞歴

クライスト賞(Kleist-Preis)
1922
対象作品: 『バール』『夜の戦鼓』『In the Jungle of Cities』(初期劇作)
主催: クライスト賞選考委員会
結果: 受賞
スターリン平和賞
1954
対象作品: 業績に対して
主催: ソビエト連邦(授賞機関)
結果: 受賞

受賞・候補エディション

作品

代表作

『三文オペラ』

1928年 音楽劇 / エピック・シアター 96ページ

ベルリンの犯罪と道徳の偽善を風刺する音楽劇。ウェイルとの協働で大ヒットとなり、世界的な影響を与えた。

資本主義批判偽善の暴露階級闘争
映像化・舞台化
  • [映画] 『三文オペラ』(映画版) / G. W. Pabst (1931)
  • [舞台(歌劇/ミュージカル上演)] 各種上演版
翻訳
  • 『三文オペラ』日本語訳(複数版)

『ガリレオの生涯』

1943年 歴史劇 / 政治劇 120ページ

科学者ガリレオの葛藤を通じて権力と真理の問題を問う劇。ハリウッド滞在期に英語版制作にも関与した。

権力と真理科学と倫理個人と社会
映像化・舞台化
  • [映画] 『ガリレオの生涯』(映画化や翻案複数)
翻訳
  • 『ガリレオの生涯』日本語訳

『母クラウディアとその子供たち』

1941年 戦争劇 / エピック・シアター 116ページ

三十年戦争を背景に渡り商売をする母クラウディアの物語を通して、戦争の経済的・道徳的帰結を描く。

戦争の商業化道徳の相対化個人と社会
映像化・舞台化
  • [舞台] 各国での上演
翻訳
  • 『母クラウディアとその子供たち』日本語訳

『コーカサスの白墨の円』

1948年 寓話劇 / エピック・シアター 80ページ

正義と所有の問題を寓話的に扱う劇。中国の伝統劇や民話的な要素を取り入れている。

正義所有権共同体
映像化・舞台化
  • [舞台] 各国での上演・舞台化
翻訳
  • 『コーカサスの白墨の円』日本語訳

『アルトゥーロ・ウイの易々とした台頭』

1941年 風刺劇 / 政治劇 88ページ

ヒトラーの台頭をマフィア譚に置き換えて風刺した作品。権力の操作と責任を問う。

ファシズム批判権力の腐敗政治的風刺

全著作

  • 『バール』
  • 『夜の戦鼓(Drums in the Night)』
  • 『三文オペラ』
  • 『ガリレオの生涯』
  • 『母クラウディア』
  • 『コーカサスの白墨の円』
  • 詩集『Hauspostille(家の奉納)』
  • 理論エッセイ『小さなオーガノン(A Short Organum for the Theatre)』

翻案

  • 『三文オペラ』映画(1931)等、多数の舞台・映像化
  • 『Hangmen Also Die!』(脚本協力、1943)

作品の翻訳

  • 『三文オペラ』日本語訳・英語訳等多数
  • 『ガリレオの生涯』ほか主要劇作の英訳・訳注版

作風・主題

文体
エピック・シアター(歴史化・距離化)モンタージュ的構成政治的・教化的な語り口
頻出モチーフ
階級闘争権力の批判市民的偽善の暴露歴史化と距離化(ヴェルフレムドゥング効果)

健康

  • リウマチ熱による心疾患(拡大心)
    子供時代〜生涯を通じて
    慢性的な心不全や不整脈を引き起こし、晩年の健康を損なったとされる。創作活動に影響を与えつつも作品の源泉にもなった。
  • シデンハム舞踏(Sydenham's chorea)
    生涯にわたって断続的に
    震えや不規則な手の動きなどの神経症状が見られ、同僚は神経質で不安定な様子を記している。

評価・遺産

ブレヒトは20世紀演劇の最重要人物の一人であり、エピック・シアターや距離化効果などの理論・技法を通じて演劇と政治の接点を強く示した。後世の映画・演劇・音楽に広範な影響を与え続けている。

記念館・博物館

  • ブレヒトハウス(アウクスブルク) アウクスブルク、ドイツ
  • ブレヒト=ワイゲル記念館(チョーゼシュトラーセ、ベルリン) ベルリン、ドイツ

関連学会

  • 国際ブレヒト協会
  • 各国のブレヒト研究会

資料所蔵先

  • ベルリン芸術アカデミーのブレヒト資料
  • 各国図書館・アーカイブに散在する手稿・資料

大衆文化への影響

  • 『アラバマ・ソング』などの楽曲がロック/ポップミュージシャンにカバーされるなど音楽分野での影響
  • 映画や演劇におけるブレヒト的技法(歴史化、距離化)の継続的使用

引用

  • 最初に餌(食い物)が来る。次に道徳が来る。
    出典: 『三文オペラ』の一節(歌詞・台詞) (1928年)
  • もし政府が人民を信頼しなくなったら、政府は人民を解散し、他の人民を選べばよいのではないか。
    出典: 詩『Die Lösung(解決)』(Buckow Elegies) (1959年)

豆知識

  • 1947年に米下院の反米活動委員会(HUAC)で証言し、その翌日にヨーロッパに戻った。
  • 1954年にスターリン平和賞を受賞した。
  • 出自はプロテスタントの母とカトリックの父で、幼少期に聖書の影響を受けた。
  • 少年期にリウマチ熱を患い、心臓疾患やシデンハム舞踏を生涯にわたり抱えた。