世界・海外・国外の文学賞

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ビラゴ・イスマエル・ディオプ

ビラゴ・イスマエル・ディオプ

Birago Ismael Diop

プロフィール

性別
男性
生誕
1906-12-11 (オアカム(ダカール)、セネガル)
死没
1989-11-25 (ダカール、セネガル) 82歳
国籍
セネガル
言語
フランス語, ウォロフ語
居住地歴
オアカム(ダカール) → サン=ルイ(リセ・フェイドルブ在学期間) → トゥールーズ(獣医学留学) → モアゾン=アルフォール(研修) → フランス各地(短期滞在) → フランス領スーダン(現・マリ) → コートジボワール、上ボルタ(現・ブルキナファソ)、モーリタニア → チュニジア(大使在任) → ダカール(後年の拠点)

経歴

職業
詩人, 語り部(ストーリーテラー), 獣医, 外交官
活動期間
1925年〜1989年
所属
ネグリチュード運動の知識人ネットワーク(セングール、セザール、ダマスらと交流), フランス植民地行政の獣医サービス, セネガル外交サービス(チュニジア大使など)
影響を受けた人物
レオポルド・セダール・セングール, エメ・セザール(エメ・セザール), レオン・ダマス, ウォロフのグリオ(口承語り)とアマドゥ・クンバ等の語り手, ヴィクトル・ユゴー、ボードレール、ポー等(詩的影響)

学歴

トゥールーズ大学(獣医学)
獣医学
学位: 獣医学士
期間: 1928–1933
卒業年: 1933
国: フランス
アルフォールの海外獣医学研究所での研修を含む。帰国後はフランス植民地政府の獣医として勤務。

受賞歴

フランス西アフリカ文芸大賞(Grand Prix littéraire de l'Afrique occidentale française)
1950
対象作品: Les Contes d'Amadou Koumba(アマドゥ・クンバの物語)
主催: フランス西アフリカ文学関係団体
結果: 受賞
グラン・プリ・リテレール・ダフリク・ノワール
1964
対象作品: Contes et Lavanes(Tales and Commentaries)
主催: Grand prix littéraire d'Afrique noire(授与団体)
結果: 受賞
レジオン・ドヌール勲章(オフィシエ)
主催: フランス政府
結果: 叙勲
黒星勲章(シュヴァリエ/Étoile Noire)
主催: フランス関係機関
結果: 叙勲
農業功労勲章(シュヴァリエ/Mérite Agricole)
主催: フランス政府
結果: 叙勲

受賞・候補エディション

  1. 受賞作: Contes et Lavanes

    セネガルの伝承や民話を集め、現代の語り口で再構成した短編集。口承文学のリズムと寓話性を生かしつつ、動植物や神話的存在を通じて共同体の倫理、生と死、自然との関係を寓話的に描き、文化的記憶の継承を問いかける。

    民話・口承文学伝統と現代共同体と倫理

作品

代表作

Les Contes d'Amadou Koumba(アマドゥ・クンバの物語)

1947年 民話・民話集

ウォロフのグリオたちから採録した民話をフランス語で編纂した作品集。ユーモアと幻想、現実が混じり合う語りが特徴。

口承伝承動物寓話超自然と日常の交錯
翻訳
  • 英訳(Dorothy S. Blair 編訳、Oxford University Press, 1966)

Les Nouveaux Contes d'Amadou Koumba(新しいアマドゥ・クンバの物語)

1958年 民話集

最初の作品の続編にあたる民話集。伝承の素材を基にした新たな語りを収録。

伝承の保存社会的教訓ユーモア

Contes et Lavanes(Tales and Commentaries)

1963年 民話・解説集

物語とそれに対する解説や考察を含む作品。民話の文体化と解釈を試みる。

物語の解釈文化的記憶

Leurres et Lueurs(Lures and Glimmers)

1960年 詩集

1925年から1945年にかけて書かれた詩を収めた詩集。叙情的でネグリチュード運動と響き合う要素を含む。

郷愁文化的自覚自然描写

L'Os de Mor Lam(『骨』の戯曲化)

1977年 戯曲(舞台)

自身の短編「L'Os(骨)」を戯曲化した作品。舞台上での語りと伝承の表現を試みる。

語りの舞台化伝承の視覚化
映像化・舞台化
  • [演劇] L'Os de Mor Lam (1977)

回想録(La Plume raboutée 等)

1978年 回想録

1978年から1989年にかけて刊行された回想録シリーズ。自身の生涯、文学活動、口承文化との関わりを綴る。

自伝的回想文学史的証言

全著作

  • Les Contes d'Amadou Koumba(1947)
  • Les Nouveaux Contes d'Amadou Koumba(1958)
  • Contes et Lavanes(1963)
  • Leurres et Lueurs(1960)
  • L'Os de Mor Lam(戯曲、1977)
  • La Plume raboutée(1978)
  • À Rebrousse-temps(1982)
  • À Rebrousse-gens(1985)
  • Du temps de...(1986)
  • Et les yeux pour me dire(1989)

翻案

  • L'Os の舞台化(L'Os de Mor Lam, 1977)

作品の翻訳

  • Tales of Amadou Koumba(英訳:Dorothy S. Blair, Oxford University Press, 1966)
  • Contes Choisis(編:Joyce A. Hutchinson、1967)など抄訳・選集あり

作風・主題

文体
口承文学を文語に移し替える簡潔で明快な文体寓話的・叙事的な語り口ネグリチュードの文化的自覚を反映する詩的要素
頻出モチーフ
動物を主役にした寓話超自然と人間の交流伝承と記憶

評価・遺産

ビラゴ・ディオプはウォロフの口承伝承をフランス語文壇に定着させ、アフリカ民話の関心を再興した功績によりネグリチュード運動やアフリカ文学の発展に大きく貢献した。詩人・語り手としての業績は後続の作家や民話研究に影響を与えている。

引用

  • 「ここ、セネガルの故郷から遠く離れて、私の目は閉じられた地平線に囲まれている。夏の緑も秋の赤褐色も過ぎ去ると、私はサバンナの広がりを探し、裸の山々しか見いだせない。雪が彼らの罪のために埋めようとしない古代の横たわる巨人のように陰鬱だ…」
    出典: 「The Humps」(『Tales of Amadou Koumba』所収) (1966年)

豆知識

  • 本職は獣医であり、外交官(チュニジア大使)としても勤務した。
  • 『羽(ペン)を折った(cassé sa plume)』という表現で一時創作をやめたことを述べているが、その後も執筆を続けた。
  • アマドゥ・クンバらウォロフの語り手から採った民話をフランス語で伝えたことで知られる。