世界・海外・国外の文学賞

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イムレ・ケルテス

イムレ・ケルテス

Imre Kertesz

プロフィール

性別
男性
生誕
1929-11-09 (ハンガリー、ブダペスト)
死没
2016-03-31 (ハンガリー、ブダペスト) 86歳
国籍
ハンガリー
言語
ハンガリー語, ドイツ語
宗教
ユダヤ教
居住地歴
ハンガリー(ブダペスト) → ドイツ(ベルリン)

経歴

職業
小説家, ジャーナリスト, 翻訳者
活動期間
1948年〜2016年
影響を受けた人物
フリードリヒ・ニーチェ(翻訳した作家), ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン(翻訳・影響), エリアス・カネッティ(翻訳した作家)

学歴

中等学校
期間: 〜1948
卒業年: 1948
国: ハンガリー
高校卒業後、ジャーナリズムと翻訳の仕事に従事

受賞歴

ノーベル文学賞
2002
主催: スウェーデン王立科学アカデミー
結果: 受賞
コシュート賞
1997
主催: ハンガリー政府
結果: 受賞
ゲーテ・メダル
2004
主催: ゲーテ協会
結果: 受賞
ハーダー賞
2000
主催: ヘルダー財団
結果: 受賞
YIVO 終身功労賞
2003
主催: YIVO研究所
結果: 受賞
ハンス・サール賞
2002
主催: ハンス・サール財団
結果: 受賞

受賞・候補エディション

  1. 受賞作: 小説『運命(Sorstalanság)』ほかの文学的業績

    代表作『運命(Sorstalanság)』を含む作品群でホロコーストと人間の尊厳を探求し、文学における記憶の重要性を問い続けた。1997年のKossuth賞はその文学的貢献を讃えたもの。

    文学ホロコースト記憶
  1. 受賞作: Fatelessness (Sorstalanság / 『運命なき者』)

    アウシュビッツを生き延びた若者の視点からホロコーストとその後の生に向き合う半自伝的長編。運命と無関係に見える出来事の中で生きる人間の存在を静かに問う作品。

    アウシュビッツを生き延びた若者の視点からホロコーストとその後の生に向き合う半自伝的長編。

    ホロコースト記憶と証言存在の意味

作品

代表作

ソースタラシュハー(Sorstalanság)/Fatelessness

1975年 小説

主人公ジョルジュ・ケーヴェシュ(15歳)がアウシュヴィッツやブーヘンヴァルトなどの強制収容所で生き延びた体験を軸に、個人の運命と歴史の暴力を描く半自伝的要素を含む長編小説。

ホロコースト生存個人の尊厳記憶
映像化・舞台化
  • [映画] ソースタラシュハー(映画)/Fateless / Lajos Koltai (2005)
翻訳
  • 英訳(Tim Wilkinson、Christopher C. Wilson and Katharina M. Wilson ほか)

生まれざる子へのカディッシュ/Kaddish for an Unborn Child

1990年 長編小説

ホロコースト生存者の父親としての苦悩と、生まれなかった子への祈り(カディッシュ)をめぐる独白的な作品。喪失と責任、言語と記憶を扱う。

喪失罪と責任記憶
翻訳
  • 英訳(Christopher C. Wilson & Katharina M. Wilson、Tim Wilkinson)

フェルスツァーモラーシュ(Felszámolás)/Liquidation

2003年 小説

共産主義から民主化へ移行するハンガリー社会を背景に、個人の精神的危機と自殺をめぐる物語を描く。

政治的移行抑うつ個人の自由
翻訳
  • 英訳(Tim Wilkinson)

ア・クダルチ(A kudarc)/Fiasco

1988年 小説

『ソースタラシュハー』に続くホロコースト三部作の一部とされる作品で、運命と失敗、歴史との関わりを問いかける。

運命歴史存在の不条理
翻訳
  • 英訳(Tim Wilkinson)

K.ドッシエ/K. dosszié(Dossier K)

2006年 小説/断章

断章的な手法を用いた作品。記憶と断片的な体験を通じて、歴史と個人の関係を問う。

断片化された記憶歴史と個人
翻訳
  • 英訳(Tim Wilkinson)

最終酒場(A végső kocsma)/The Final Tavern

2014年 小説/随想

晩年の作品で、文化や記憶、ヨーロッパの遺産についての随想的な要素を含む。

ヨーロッパの遺産文化記憶

全著作

  • Sorstalanság(1975)
  • A nyomkereső(1977)
  • Detektívtörténet(1977)
  • A kudarc(1988)
  • Kaddis a meg nem született gyermekért(1990)
  • Felszámolás(2003)
  • K. dosszié(2006)
  • A végső kocsma(2014)

翻案

  • 『ソースタラシュハー』を原作とする映画『Fateless』(監督: Lajos Koltai, 2005)

作家による翻訳

  • フリードリヒ・ニーチェ(翻訳)
  • ジークムント・フロイト(翻訳)
  • ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン(翻訳)
  • エリアス・カネッティ(翻訳)

作品の翻訳

  • ソースタラシュハー(Sorstalanság) — 英語訳あり
  • Kaddis a meg nem született gyermekért — 英語訳あり
  • Felszámolás — 英語訳あり

作風・主題

文体
簡潔で冷静な文体断片的・随想的な構成を用いることがある第一人称に近い叙述
頻出モチーフ
記憶と忘却個人の尊厳歴史の暴力アイデンティティの危機

健康

  • パーキンソン病
    晩年(診断年は公表されていないが、2010年代に症状が現れる)
    移動や日常生活に影響を及ぼし、執筆や公的活動に制約を与えた。
  • うつ病(反復)
    生涯を通じて断続的に発症
    創作テーマに反映される一方、私生活や作品の内容に影響を与えた。
  • 右股関節の怪我(2013年手術)
    2013年以降
    手術後に回復したが、晩年の健康問題に追い打ちをかけた。

評価・遺産

ケルテシュはホロコーストをめぐる個人的体験と記憶を文学的に問い直したことで国際的に評価され、2002年にハンガリー人として初めてノーベル文学賞を受賞した。彼の作品はホロコースト文学、記憶文学、個人と歴史の関係を考える研究で重要な位置を占める。

関連学会

  • ベルリン芸術アカデミー(遺贈先)

資料所蔵先

  • ノーベル財団アーカイブ関連資料
  • ハンガリー国立図書館等の蔵書・資料

大衆文化への影響

  • 『ソースタラシュハー』は映画化され、教育現場でも広く読まれる作品となった。

引用

  • 個人の儚い経験を、歴史の野蛮な恣意性に対して守り続ける作品に対して。
    出典: ノーベル賞選考委員会(受賞理由、2002年) (2002年)
  • 私は、ホロコーストを理解しないか、理解することを望まないような表象はすべてキッチュだと見なす。
    出典: インタビュー/エッセイ(引用として広く紹介) (2001年)

豆知識

  • 2002年にノーベル文学賞を受賞し、ハンガリー人として初めて同賞を受賞した。
  • 1944年にアウシュヴィッツへ強制収容され、その後ブーヘンヴァルトなどに送られ生還した。
  • 代表作『ソースタラシュハー(Fatelessness)』は2005年に映画化され、本人が脚本に関与した。