世界・海外・国外の文学賞

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J・G・ファレル

ジェイ・ジー・ファレル

J. G. Farrell

プロフィール

性別
男性
生誕
1935-01-25 (リバプール(イングランド))
死没
1979-08-11 (バントリー湾(コーク県)、アイルランド) 44歳
国籍
イギリス
言語
英語
宗教
アイルランド国教会(Church of Ireland)
居住地歴
リバプール(出生) → ダブリン(少年期以降の滞在) → フランス(在住・教職) → ロンドン(ナイツブリッジ等) → コーク県シープスヘッド半島(晩年の居住)

経歴

職業
小説家
活動期間
1963年〜1979年
影響を受けた人物
ジャン=ポール・サルトル, アルベール・カミュ, サミュエル・ベケット, マルコム・ロウリー, V. S. ナイパール(影響を示唆される), ウラジーミル・ナボコフ(手法的影響)
影響を与えた人物
サルマン・ラシュディ(評価・賛辞), デレク・マホン(詩の献辞の対象), アリソン・ルーリー(作品内で言及), マーガレット・ドラブル(登場人物のモデルとされる)

学歴

ロッサール・スクール
国: イギリス
オックスフォード大学 ブラセノーズ・カレッジ
フランス語・スペイン語
学位: Third-class honours (BA)
期間: 1956–1960
卒業年: 1960
国: イギリス
在学中にポリオに罹患し、一部に障害を残す

受賞歴

ジェフリー・フェイバー記念賞
1971
対象作品: Troubles(トラブルズ)
主催: Geoffrey Faber Memorial Prize 運営団体
結果: Winner
ブッカー賞
1973
対象作品: The Siege of Krishnapur(クリシュナプールの包囲)
主催: Booker Prize 運営(Booker Group がスポンサー)
結果: Winner
Lost Man Booker Prize(ロスト・マン・ブッカー賞)
2010
対象作品: Troubles(トラブルズ)
主催: The Booker Prizes
結果: Winner (posthumous, retrospective award for 1970)

受賞・候補エディション

ブッカー賞 1回登壇
  1. 受賞作: The Siege of Krishnapur

    1857年のインド大反乱を背景に、英国人居留地クリシュナプールが包囲されていく過程を、皮肉とユーモアを交えながら描く。帝国の優越感が、飢えや病気や恐怖の前で少しずつ崩れていくさまが、群像劇として立ち上がる。

    包囲が進むほど、帝国の自信は空洞だったとわかっていく。

    376ページ
    植民地主義包囲戦帝国の衰退風刺歴史小説

作品

代表作

Troubles(トラブルズ)

1970年 歴史小説 / 風刺

第一次世界大戦後のアイルランドを舞台に、老朽化したホテルとそこに集う人物たちを通して、英領アイルランドの崩壊と個人の哀歓を描く風刺的長編。

帝国の衰退アイルランド独立人間の脆弱性ユーモアと哀愁
映像化・舞台化
  • [テレビドラマ] Troubles(トラブルズ) / Christopher Morahan (1988)

The Siege of Krishnapur(クリシュナプールの包囲)

1973年 歴史小説 / コロニアリズム批評

1857年のインドの反乱を背景に、架空の町クリシュナプールで英領駐屯部隊が包囲される様子を描く。植民地主義の倫理と人間の耐久について風刺的かつ深刻に描写する。

植民地主義歴史と物語の交錯人間の耐久

The Singapore Grip(シンガポール・グリップ)

1978年 歴史小説 / 社会風刺

第二次世界大戦期のシンガポール陥落を扱い、植民地経済や倫理、英領とアジア諸国の経済関係を風刺を交えて描く長編。

帝国の終焉経済的搾取文化衝突

全著作

  • A Man from Elsewhere(1963)
  • The Lung(1965)
  • A Girl in the Head(1967)
  • Troubles(1970)
  • The Siege of Krishnapur(1973)
  • The Singapore Grip(1978)
  • The Hill Station; and An Indian Diary(未完、1981刊行)

翻案

  • テレビドラマ化:Troubles(1988)

作風・主題

文体
風刺的歴史的再構築を用いるブラックユーモアと悲哀の併存
頻出モチーフ
帝国・植民地の崩壊病気(特にポリオ)と身体の脆弱性崩れゆく建築やホテル人間の尊厳と滑稽さ

健康

  • ポリオ(急性灰白髄炎)
    1956(オックスフォード在学中に罹患)
    部分的な身体障害を残し、その経験は作品テーマにも頻出する

評価・遺産

J・G・ファレルは「帝国三部作」によって1970年代の英国文学における重要な声となり、植民地主義を風刺的かつ歴史的に問い直す作品群で高く評価された。若くして亡くなったため作品数は限られるが、その完成した三作は今日でもポストコロニアル文学や歴史小説の重要作と見なされている。

資料所蔵先

  • トリニティ・カレッジ・ダブリン 手稿図書館(Papers of James Gordon Farrell, TCD MSS 9128-60)

大衆文化への影響

  • アリソン・ルーリー『Foreign Affairs』で作中人物がファレルの小説を読む描写がある
  • マーガレット・ドラブル『The Gates of Ivory』で登場人物の一部がファレルをモデルにされている
  • デレク・マホンが詩 'A Disused Shed in County Wexford' をファレルに献呈

引用

  • 「私の生涯で本当に興味深かったことは、イギリス帝国の衰退だ」
    出典: インタビュー(The Observer) (1978年)

豆知識

  • 1979年に釣り中にバントリー湾の岩から落ちて溺死したとされる(享年44)
  • St James' Church, Durrus の教会墓地に埋葬されている
  • 『Troubles』は1971年にジェフリー・フェイバー記念賞を受賞し、2010年にロスト・マン・ブッカー賞(1970年作品の遡及的表彰)を受賞した
  • 『The Siege of Krishnapur』は1973年のブッカー賞を受賞した