-
第9回(1989年) 受賞受賞作: Dusk and Other Stories
老いや喪失、愛と後悔を主題にした短編集。簡潔で抒情的な文体によって日常の瞬間を切り取り、登場人物の内面に潜む微細な感情を静かに照らし出す作品群。
老いと喪失の気配を、抒情的な短編でたどる。
157ページ老いと回想欲望と喪失短編文学抒情性
ジェームズ・サルター
ジェームズ・サルター
Jeimuzu Sarutā
別名:
James Arnold Horowitz
ペンネーム:
ジェームズ・サルター(筆名。のちに法的に改名して用いた)
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1925-06-10 (パサイク(ニュージャージー州))
- 死没
- 2015-06-19 (サグ・ハーバー(ニューヨーク州)) 90歳
- 国籍
- アメリカ合衆国
- 言語
- 英語
- 居住地歴
- ニューヨーク(マンハッタン) → フランス(長期滞在) → サグ・ハーバー(ニューヨーク州)
経歴
- 職業
- 小説家, 短編作家, 脚本家
- 活動期間
- 1956年〜2015年
- 所属
- アメリカ芸術文学アカデミー
- 所属団体
- アメリカ芸術文学アカデミー
- 影響を受けた人物
- アイザック・バベル, アンドレ・ジッド, トマス・ウルフ, F・スコット・フィッツジェラルド, アーネスト・ヘミングウェイ
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| アメリカ陸軍士官学校(ウェストポイント) | — | — | — | 1942–1945 | アメリカ合衆国 |
| ジョージタウン大学 | — | — | 修士 | 1948–1950 | アメリカ合衆国 |
アメリカ陸軍士官学校(ウェストポイント)
期間:
1942–1945
卒業年:
1945
国:
アメリカ合衆国
戦時短縮カリキュラムのため3年で卒業
ジョージタウン大学
学位:
修士
期間:
1948–1950
卒業年:
1950
国:
アメリカ合衆国
1949年末–1950年1月にかけて修士号取得
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1989 | PEN/Faulkner賞 | Dusk and Other Stories | — | PEN/Faulkner Foundation | 受賞 |
| 2010 | Rea短編賞 | — | — | Rea Award | 受賞 |
| 2012 | PEN/Malamud賞 | — | — | PEN/Faulkner財団 | 受賞 |
| 2013 | ウィンダム=キャンベル賞 | — | — | イェール大学(ウィンダム=キャンベル基金) | 受賞 |
| 2014 | フィッツジェラルド賞(アメリカ文学業績賞) | — | — | F. Scott Fitzgerald Literary Festival(ロックビル) | 受賞 |
PEN/Faulkner賞
1989
対象作品:
Dusk and Other Stories
主催:
PEN/Faulkner Foundation
結果:
受賞
Rea短編賞
2010
主催:
Rea Award
結果:
受賞
PEN/Malamud賞
2012
主催:
PEN/Faulkner財団
結果:
受賞
ウィンダム=キャンベル賞
2013
主催:
イェール大学(ウィンダム=キャンベル基金)
結果:
受賞
フィッツジェラルド賞(アメリカ文学業績賞)
2014
主催:
F. Scott Fitzgerald Literary Festival(ロックビル)
結果:
受賞
受賞・候補エディション
アンバサダー・ブック・アワード
1回登壇
-
第13回(1998年) 受賞受賞作: Burning the Days: Recollection
作家としての長年の経験や人生の回想を綴る随筆集。創作と私生活、時間の流れについて静かに省察し、美しい文章で記憶を呼び起こす。
回想録創作論時間と記憶文体
-
第36回(2012年) 受賞受賞作: 小説・短編(代表作:A Sport and a Pastime)
情景描写の精緻さと抒情性を武器に、欲望や記憶の微細な揺らぎを描く作品群。官能と喪失、時間の経過に伴う感情の変容を緻密な文体で表現し、読者に強い印象を残す。
官能性記憶関係性抒情性
-
第1回(2013年) 受賞受賞作: 代表作(小説・散文)
この受賞は単一作品ではなく、作家の代表的な業績全体に対する評価である。
代表作群そのものが評価対象となる受賞回。
生涯業績文学活動代表作
作品
代表作
ハンターズ(The Hunters)
1956年 戦争小説 / 文学小説朝鮮戦争を舞台にした戦闘機搭乗員たちの物語。栄光を求める若者と挫折する主人公の心理を描く。
戦争名誉と挫折男性性
映像化・舞台化
- [映画] ハンターズ(The Hunters) / Dick Powell (1958)
肉の腕(The Arm of Flesh / Cassada)
1961年 文芸小説空軍での経験をもとにした作品。後に大幅改訂されて『Cassada』として再刊された。
軍隊生活個人の変化
娯楽と過去(A Sport and a Pastime)
1967年 成人文学 / 官能小説要素を含む文芸小説フランスを舞台にした故事。語り手の幻想と欲望が交錯する作品で、サルター自身が最良と評した一作。
欲望回想ヨーロッパ文化への憧憬
ライト・イヤーズ(Light Years)
1975年 文芸小説長年の結婚生活や時間の経過を描く作品で、成熟した文体が特徴。
結婚時間記憶
ソロ・フェイセス(Solo Faces)
1979年 文芸小説 / 映画脚本由来の小説脚本の素材をもとにした小説。映画の経験を反映した作風。
創作と映像孤独
黄昏とその他の短編(Dusk and Other Stories)
1988年 短編集複数の短編を収めた短編集。収録作の一つが映画化の題材となった。
人間関係記憶消失
オール・ザット・イズ(All That Is)
2013年 文芸小説晩年の代表作として高く評価された長編。回想と人生の総括を扱う。
回想老年喪失と愛
全著作
- The Hunters(『ハンターズ』) (1956)
- The Arm of Flesh (1961) / 後にCassadaとして再刊
- A Sport and a Pastime(『娯楽と過去』) (1967)
- Light Years(『ライト・イヤーズ』) (1975)
- Solo Faces(『ソロ・フェイセス』) (1979)
- Dusk and Other Stories(『黄昏とその他の短編』) (1988)
- Burning the Days(自伝的回想録) (1997)
- Cassada (2012)
- All That Is(『オール・ザット・イズ』) (2013)
- Collected Stories(短編集集) (2013)
翻案
- ハンターズ(映画、1958)
- 短編「Twenty Minutes」を原作とする映画『Boys』(1996)
作風・主題
- 文体
- 簡潔で圧縮された文体短い文や文の断片の多用人称や時制の切り替えを用いる叙述
- 頻出モチーフ
- 飛行と軍隊経験フランス・ヨーロッパ文化への憧憬欲望と不倫過去と回想
評価・遺産
洗練された文体と短いが強烈な文章で高く評価される「作家の作家」。商業的成功は限定的だが批評家や作家仲間からの評価は非常に高く、晩年にかけて多数の文学賞で顕彰された。作品・草稿類はテキサス大学オースティン校ハリー・ランサム・センターに収蔵されている。
関連学会
- アメリカ芸術文学アカデミー
資料所蔵先
- ハリー・ランサム・センター(テキサス大学オースティン校)
大衆文化への影響
- 2014年にニューサウスウェールズ州の高等学校試験(HSC)教材に採用
- Katie Roipheの著作『The Violet Hour』の一節で取り上げられる
引用
-
彼らは過去とその神聖さを何も知らなかった。
出典: 『The Hunters(ハンターズ)』 (1956年)
豆知識
- 出生名はJames Arnold Horowitzで、のちに筆名James Salterを法的に氏名として採用した。
- 第二次世界大戦後のウェストポイントを卒業し、空軍の戦闘機パイロットとして朝鮮戦争で100回以上の作戦飛行を経験した。
- 短編『Twenty Minutes』は1996年の映画『Boys』の原作となった。
- 2014年にバージニア大学の初代Kapnick Writer-in-Residenceに任命された。