-
第27回(1999年) 受賞受賞作: Brown Girl in the Ring
『Brown Girl in the Ring』は、崩壊した近未来のトロントを舞台に、アフロカリブの伝承と魔術を織り交ぜて生存と再生を描く長編。共同体、家族、儀礼が物語の重要な軸となります。
ディストピアアフロカリブ神話都市文学魔術
ナロ・ホプキンソン
ナロ・ホプキンソン
Nalo Hopkinson
プロフィール
- 性別
- 女性
- 生誕
- 1960-12-20 (キングストン(ジャマイカ))
- 国籍
- カナダ
- 言語
- 英語
- 居住地歴
- キングストン(ジャマイカ) → ガイアナ → トリニダード → トロント(カナダ) → リバーサイド(カリフォルニア、アメリカ合衆国) → バンクーバー(ブリティッシュコロンビア、カナダ)
経歴
- 職業
- 作家, 編集者, 創作ライティング教授
- 活動期間
- 1998年〜
- 所属
- カール・ブランドン・ソサエティ(理事), カリフォルニア大学リバーサイド校(教授)
- 所属団体
- カール・ブランドン・ソサエティ, アメリカSF作家協会(SFWA)
- 影響を受けた人物
- デレク・ウォルコット, カート・ヴォネガット, ウィリアム・シェイクスピア, ホメロス(『イリアス』『オデュッセイア』), クリスティーナ・ロセッティ(詩『Goblin Market』), サミュエル・R・デラニー, トバイアス・バックル, チャールズ・R・ソーンダース
- ノミネート
- フィリップ・K・ディック賞 ノミネート:ブラウン・ガール・イン・ザ・リング(1998), ジェームズ・ティプトリー/Otherwise賞 ショートリスト:ミッドナイト・ロバー(2000), ヒューゴー賞 ノミネート:ミッドナイト・ロバー(2001), ネビュラ賞 ノミネート:ザ・ソルト・ローズ(2004), ネビュラ賞 ノミネート:ザ・ニュー・ムーンズ・アームズ(2007), カナダリード(Canada Reads)ファイナリスト:ブラウン・ガール・イン・ザ・リング(2008)
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| セトン・ヒル大学 | ポピュラー・フィクション創作(大学院) | — | Master of Arts | — | アメリカ合衆国 |
セトン・ヒル大学
ポピュラー・フィクション創作(大学院)
学位:
Master of Arts
国:
アメリカ合衆国
指導教員はジェームズ・K・モロー(James K. Morrow)。
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1999 | ジョン・W・キャンベル賞(新人作家賞) | — | — | ワールド・サイエンスフィクション協会(WSFS) | 受賞 |
| 1999 | ローカス賞(ベスト・ファースト・ノベル) | ブラウン・ガール・イン・ザ・リング | — | Locus Magazine | 受賞 |
| 2003 | ワールド・ファンタジー賞(コレクション部門) | スキン・フォーク | — | ワールド・ファンタジー・カンファレンス | 受賞 |
| 2003 | サンバースト賞(カナダ幻想文学賞) | スキン・フォーク | — | サンバースト賞協会 | 受賞 |
| 2004 | ゲイラティック・スペクトラム賞 | ザ・ソルト・ローズ | — | Gaylactic Spectrum Awards | 受賞 |
| 2008 | オーロラ賞 | ザ・ニュー・ムーンズ・アームズ | — | オーロラ賞(Prix Aurora Awards) | 受賞 |
| 2008 | サンバースト賞 | ザ・ニュー・ムーンズ・アームズ | — | サンバースト賞協会 | 受賞 |
| 2004 | ネビュラ賞(最優秀長編) | ザ・ソルト・ローズ | — | アメリカSF作家協会(SFWA) | ノミネート |
| 2007 | ネビュラ賞(最優秀長編) | ザ・ニュー・ムーンズ・アームズ | — | アメリカSF作家協会(SFWA) | ノミネート |
| 2001 | ヒューゴー賞(最優秀長編) | ミッドナイト・ロバー | — | ワールドコン(Worldcon) | ノミネート |
| — | インクポット賞 | — | — | コミックコン・インターナショナル | 受賞 |
| 2020 | ダモン・ナイト大賞(グランドマスター) | — | — | アメリカSF作家協会(SFWA) | 受賞 |
| 2022 | セオドア・スタージョン賞 | Broad Dutty Water: A Sunken Story | — | セオドア・スタージョン記念賞 | 受賞 |
| — | オンタリオ芸術評議会 基礎賞(Emerging Writers) | — | — | オンタリオ芸術評議会 | 受賞 |
ジョン・W・キャンベル賞(新人作家賞)
1999
主催:
ワールド・サイエンスフィクション協会(WSFS)
結果:
受賞
ローカス賞(ベスト・ファースト・ノベル)
1999
対象作品:
ブラウン・ガール・イン・ザ・リング
主催:
Locus Magazine
結果:
受賞
ワールド・ファンタジー賞(コレクション部門)
2003
対象作品:
スキン・フォーク
主催:
ワールド・ファンタジー・カンファレンス
結果:
受賞
サンバースト賞(カナダ幻想文学賞)
2003
対象作品:
スキン・フォーク
主催:
サンバースト賞協会
結果:
受賞
ゲイラティック・スペクトラム賞
2004
対象作品:
ザ・ソルト・ローズ
主催:
Gaylactic Spectrum Awards
結果:
受賞
オーロラ賞
2008
対象作品:
ザ・ニュー・ムーンズ・アームズ
主催:
オーロラ賞(Prix Aurora Awards)
結果:
受賞
サンバースト賞
2008
対象作品:
ザ・ニュー・ムーンズ・アームズ
主催:
サンバースト賞協会
結果:
受賞
ネビュラ賞(最優秀長編)
2004
対象作品:
ザ・ソルト・ローズ
主催:
アメリカSF作家協会(SFWA)
結果:
ノミネート
ネビュラ賞(最優秀長編)
2007
対象作品:
ザ・ニュー・ムーンズ・アームズ
主催:
アメリカSF作家協会(SFWA)
結果:
ノミネート
ヒューゴー賞(最優秀長編)
2001
対象作品:
ミッドナイト・ロバー
主催:
ワールドコン(Worldcon)
結果:
ノミネート
インクポット賞
主催:
コミックコン・インターナショナル
結果:
受賞
ダモン・ナイト大賞(グランドマスター)
2020
主催:
アメリカSF作家協会(SFWA)
結果:
受賞
セオドア・スタージョン賞
2022
対象作品:
Broad Dutty Water: A Sunken Story
主催:
セオドア・スタージョン記念賞
結果:
受賞
オンタリオ芸術評議会 基礎賞(Emerging Writers)
主催:
オンタリオ芸術評議会
結果:
受賞
受賞・候補エディション
サンバースト賞(カナダ幻想文学賞)
2回登壇
-
第3回(2003年) 受賞受賞作: Skin Folk
カリブ海地域の民話や移民経験を下地にした短編集。魔術的要素と現実が交差する短篇群を通じて、アイデンティティ、帰属、ジェンダー、世代間の軋轢と癒しを多様な視点で描き出す。
民話ディアスポラアイデンティティジェンダー -
第8回(2008年) 受賞受賞作: The New Moon's Arms
カリブの伝承や移民経験を背景に、家族、暴力、癒しを巡る長編。現代社会における文化断絶とルーツの継承を魔術的要素と人物の内面描写で描き出し、共同体と個人の再生を探る。
民話移民母性暴力と癒し
作品
代表作
ブラウン・ガール・イン・ザ・リング
1998年 サイエンスフィクション / ディストピア未来のトロントを舞台に、貧困やコミュニティの再生、魔術的な伝承を織り交ぜながら女性たちの生き様を描く長編小説。
カリブ文化貧困と階級女性のエンパワーメント民間伝承/魔術
ミッドナイト・ロバー
2000年 スペキュレイティヴ・フィクション / ファンタジーカリブ的言語と民話を取り入れた語りで、追放と成長、復讐を扱う長編。独特の方言表現や民話的モチーフが特徴。
移民と帰属復讐と成長カリブ民話アイデンティティ
ザ・ソルト・ローズ
2003年 歴史的ファンタジー / マジカル・リアリズム複数の時代と場所を行き来しながら、アフロ・カリブの宗教や女神的存在を巡る女性たちの物語を描く壮大な長編。
カリブ史奴隷制と抵抗宗教とルーツクィア/ジェンダー
ザ・ニュー・ムーンズ・アームズ
2007年 ファンタジー / 魔術的リアリズム海や月のモチーフを通じて家族、記憶、歴史を探る作品。カリブの伝承と現代的テーマを重ね合わせる。
家族と記憶カリブの伝承歴史と個人
スキン・フォーク
2001年 短篇集 / スペキュレイティヴ・フィクションカリブの民話や日常を題材にした短編を集めた作品集。多様な声と視点でフォークロアと現代性を織り交ぜる。
フォークロア人種と文化魔術と日常
The Sandman Universe: House of Whispers
2018年 コミック / グラフィックノベルDC/Vertigoの『Sandman Universe』世界の一作品として、ホプキンソンが脚本を担当したコミックシリーズ(2018–2020)。
民話と神話カリブの要素
全著作
- ブラウン・ガール・イン・ザ・リング(長編, 1998)
- ミッドナイト・ロバー(長編, 2000)
- スキン・フォーク(短篇集, 2001)
- ザ・ソルト・ローズ(長編, 2003)
- ザ・ニュー・ムーンズ・アームズ(長編, 2007)
- The Sandman Universe: House of Whispers(コミック, 2018–2020)
- Report From Planet Midnight(短篇・インタビュー集, 2012)
- Falling in Love With Hominids(短篇集, 2015)
- The Chaos(ヤングアダルト長編, 2012)
- Sister Mine(長編, 2013)
- Blackheart Man(長編, 2024)
翻案
- The Sandman Universe: House of Whispers(コミックシリーズへの参加)
作風・主題
- 文体
- カリブの口承伝承と英語的語りを融合した独特の語り口フォークロアと民間伝承を取り入れた幻想表現社会問題(人種・階級・ジェンダー)を意識したリアリズムと幻想の混淆
- 頻出モチーフ
- アナンシなどのトリックスターや民話的存在移民と帰属感女性の身体・母性・世代間のつながり詩や歌のモチーフ
健康
-
重度の貧血(子宮筋腫による)およびビタミンD欠乏数年間(出版活動が6年間停止)数年間執筆・出版が止まり、経済的困窮や約2年間のホームレス生活を経験した後、UC Riversideでの採用で回復。
-
学習障害生涯学習面での困難が報告されているが、執筆活動と教育活動を続けている。
評価・遺産
ナロ・ホプキンソンは、カリブの口承伝統、民話、ポストコロニアルな視点をスペキュレイティヴ・フィクションに取り込み、英語圏のSF/ファンタジーの中で独自の位置を築いた作家である。多くの賞を受賞・ノミネートされ、SF界・ファンタジー界における多様性の擁護者として評価されている。2020年にはSFWAよりダモン・ナイト・グランドマスターに選出された。
関連学会
- カール・ブランドン・ソサエティ
- アメリカSF作家協会(SFWA)
資料所蔵先
- カリフォルニア大学リバーサイド校 特別収集・大学アーカイブ(Nalo Hopkinson papers)
大衆文化への影響
- 複数のSFコンベンションでゲスト・オブ・オナーに招かれる。
- CBCの音声シリーズ『Six Impossible Things』のキュレーターを務めた。
- DC/Vertigoのサンドマン・ユニバース関連コミックに脚本家として参加(House of Whispers)。
引用
-
私は21世紀に賭けてみるつもりだ。
出典: The Globe and Mail(インタビュー記事) (2015年) -
終生の業績を評価されることは光栄だ。
出典: SFWA(ダモン・ナイト・グランドマスター選出に関する声明) (2020年)
豆知識
- 父はガイアナ出身の詩人・劇作家で、母は図書館技術者として育った。
- 幼少期にデレク・ウォルコットなどの作家に接し、6歳頃にはカート・ヴォネガットを読んでいた。
- 趣味は裁縫、料理、園芸、布地デザイン。