世界・海外・国外の文学賞

← ホームに戻る

ペネロープ・フィッツジェラルド

ペネロープ・メアリー・フィッツジェラルド

Penelope Fitzgerald

別名: Penelope Mary Knox
ペンネーム: ペネロープ・メアリー・ノックス出生名として使われた名前(結婚前の姓)

プロフィール

性別
女性
生誕
1916-12-17 (リンカン、イングランド)
死没
2000-04-28 (ロンドン、イングランド) 83歳
国籍
イギリス
言語
英語
居住地歴
ハムステッド(ロンドン) → サウスウォルド(サフォーク) → バタシー(ロンドン) — ハウスボート

経歴

職業
小説家, 詩人, 随筆家, 伝記作家, 教師
活動期間
1938年〜2000年
影響を受けた人物
ジェーン・オースティン, エドワード・バーネ=ジョーンズ, ノヴァーリス

学歴

ワイコム・アビー校
期間: 通学(詳細不明)
国: イギリス
女子寄宿学校で教育を受けた
サマービル・カレッジ(オックスフォード大学)
英語・文学
学位: BA (congratulatory First)
期間: 1930年代(卒業 1938)
卒業年: 1938
国: イギリス
1938年に優等で卒業。学生新聞で「Woman of the Year」に選ばれる。

受賞歴

ブッカー賞
1979
対象作品: オフショア
主催: ブッカー賞運営団体
結果: 受賞
ナショナル・ブック・クリティックス・サークル賞
1997
対象作品: 青い花
主催: ナショナル・ブック・クリティックス・サークル
結果: 受賞
ゴールデン PEN 賞
1999
主催: English PEN
結果: 受賞(功労賞)

受賞・候補エディション

ブッカー賞 1回登壇
  1. 受賞作: Offshore

    テムズ河のはずれにあるはしけ暮らしの共同体を舞台に、居場所のなさと人間関係のずれを描く。軽妙な会話の裏に、生活の不安定さが静かに滲む。

    水上の共同体に漂う、軽やかで切実な不安。

    141ページ
    テムズ川共同体家族アイデンティティ英国小説

作品

代表作

黄金の子

1977年 ミステリ(コメディ風)

博物館を舞台にしたユーモラスなミステリ。1970年代のトゥタンカーメン熱に触発された作品。

ユーモア風刺

ザ・ブックショップ

1978年 小説(地域小説)

東アングリアの架空の町で苦闘する書店の物語。1959年を背景に、書店が『ロリータ』を仕入れるかが重要な出来事として描かれる。

孤立地域社会文化と検閲
映像化・舞台化
  • [映画] ザ・ブックショップ(映画) / Isabel Coixet (2017)

オフショア

1979年 小説(社会小説)

1961年のバタシーのハウスボート居住者たちを描いた作品。1979年のブッカー賞受賞作。

共同体経済的困窮人間関係

ヒューマン・ヴォイシズ

1980年 小説(戦時フィクション)

第二次世界大戦中のBBCでの生活を題材にした小説。著者自身のBBC勤務経験が反映されている。

戦争と日常職場の人間模様

アット・フレディーズ

1982年 小説(学園小説)

演劇学校での生活を描き、著者が教えていた頃の経験が反映されている。

教育野心若者の成長

イノセンス

1986年 小説(歴史小説/ロマンス)

1950年代のフィレンツェを舞台にした恋愛物語。イタリアの政治・社会的背景が色濃く反映される。

階級差文化的衝突

春の始まり

1988年 小説(歴史小説)

1913年のモスクワを舞台に、ロシア革命前夜の世界を家庭と仕事を通して描く作品。

近代化家族変化の予兆

天使の門

1990年 小説(歴史小説/ロマンス)

1912年のケンブリッジを舞台に、物理学と恋愛が交差する物語。科学革命の時代背景が描かれる。

科学と人間恋愛知の変革

青い花

1995年 小説(歴史小説)

18世紀ドイツの詩人・哲学者ノヴァーリスと、その描かれた愛を中心に据えた作品。批評家から傑作と評され、1997年にNBCC賞を受賞。

ロマン主義芸術と愛歴史的人物の再現
映像化・舞台化
  • [ラジオドラマ] 青い花(BBCラジオ用脚色) / Peter Wolf (1999)

脱出の方法(短編集)

2000年 短編集

フィッツジェラルドの短編を収めた遺作的短編集。2001年ペーパーバック版に追加短編あり。

人間関係短編的寓話

全著作

  • エドワード・バーネ=ジョーンズ(伝記、1975)
  • ザ・ノックス・ブラザーズ(1977)
  • シャーロット・ミューとその友人たち(伝記、1984)
  • 黄金の子(1977)
  • ザ・ブックショップ(1978)
  • オフショア(1979)
  • ヒューマン・ヴォイシズ(1980)
  • アット・フレディーズ(1982)
  • イノセンス(1986)
  • 春の始まり(1988)
  • 天使の門(1990)
  • 青い花(1995)
  • 脱出の方法(短編集、2000)
  • A House of Air: Selected Writings(随筆集、2003、アメリカ題:The Afterlife)

翻案

  • ザ・ブックショップ(映画、2017)
  • 青い花(BBCラジオ脚色、1999)

作品の翻訳

  • 青い花(日本語訳)
  • ザ・ブックショップ(日本語訳)

作風・主題

文体
簡潔で抑制された文体ユーモアと悲哀が同居する語り口厳密な観察と精緻な描写
頻出モチーフ
孤立した小さな共同体経済的困窮と生活の苦労歴史的人物や過去の回想

評価・遺産

ペネロープ・フィッツジェラルドは後年に文学的評価が高まり、簡潔で精緻な文体と歴史小説での成果により20世紀後半の重要な英文学者と見なされている。遺稿や書簡類は英国図書館やハリー・ランサム・センター等に所蔵されている。

記念館・博物館

  • ブリティッシュ・ライブラリー(収蔵:ペネロープ・フィッツジェラルド・アーカイブ) ロンドン、イギリス 1973年開館

資料所蔵先

  • ブリティッシュ・ライブラリー(ペネロープ・フィッツジェラルド・アーカイブ、2017年取得)
  • ハリー・ランサム・センター(テキサス大学オースティン校)

大衆文化への影響

  • 『ザ・ブックショップ』の映画化(2017)により一般への認知が再燃

引用

  • 若い頃、私は父と三人の叔父を当然のことだと思っていた。他の人が皆そうでないとは思わなかった。
    出典: インタビュー/回想(出典詳細不明)

豆知識

  • 58歳で本格的な文壇デビュー(1975年)した。
  • 70歳まで教職を続けた。
  • バタシーのハウスボートは二度沈み、二度目の沈没で多くの蔵書や家族の文書を失った。
  • 夫デズモンドは法曹界から追放され、その後アルコール依存に苦しんだ。
  • ブリティッシュ・ライブラリーが2017年にフィッツジェラルドのアーカイブを取得した。