アガサ賞 あがさしょう
第31回(2018年)
受賞者
10名ヴィクトリア朝ロンドンを舞台に、若い未亡人フランシスが社交界の作法と陰謀のただ中で夫の死をめぐる疑惑に踏み込む歴史ミステリ。軽妙な会話と階級社会の緊張が、優雅な表面の下に潜む危険を浮かび上がらせる。
礼儀作法の陰に、未亡人が見逃せない殺意が潜む。
怪我でバレエの道を離れたアリーが、故郷のロブスター小屋を手伝ううちに料理コンテスト絡みの死に巻き込まれるコージーミステリ。海辺の町の人間関係と再出発の物語が、食をめぐる事件と結びつく。
ロブスターロールの競争が、故郷での再出発を殺人事件へ変える。
ルイジアナのプランテーションB&Bを舞台に、洪水とマルディグラの喧騒の中で身元不明の死体が見つかる。南部の祝祭感と家族経営の宿の日常が、過去と現在の謎をつなぐ。
祝祭の音が高まるほど、バイユーの水辺に沈んだ秘密が浮かび上がる。
ボンベイ初期の女性弁護士パーヴィーン・ミストリーが、隔離生活を送る寡婦たちの相続書類に疑問を抱き、殺人へつながる事件を追う。法、宗教、家父長制の制約を背景にした歴史ミステリ。
女性の声が届きにくい屋敷で、法律家は沈黙の裏にある危険を読む。
サスペンスを生むひねりの設計を、伏線、構造、読者の期待操作から解説する創作指南書。ミステリに限らず、回想録や舞台作品にも応用できる物語技法を扱う。
読者を驚かせるための技術を、偶然ではなく構造として組み立てる。
実在したステージコーチ・メアリー・フィールズを題材にした歴史短編集の表題作。奴隷制後のアメリカ西部で、自立心の強い黒人女性が信仰共同体や地域社会と関わりながら困難に向き合う。
西部の道を進むメアリーの独立心が、歴史の余白に声を与える。
ナンシー・ドリューという名を背負った女性が、安っぽい殺人ミステリーディナーの場で現実の不審事に巻き込まれる短編。名探偵ものへの遊び心と、望まぬ役割を引き受ける可笑しさが軸になる。
名前から逃げたい女性が、結局は事件を解く側へ押し出される。
魔法のレシピ本をめぐる児童向けファンタジー・ミステリ。ケリーたちは失われた本、学校の料理プログラムの危機、地域の店の存続問題を前に、友情と機転で解決策を探す。
魔法のレシピを取り戻すことが、友人たちと町を守る第一歩になる。