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ペーパーボーイ (STAMP BOOKS)

ジョン・ニューベリー・メダル(ニューベリー賞)

ペーパーボーイ (STAMP BOOKS)

Vince Vawter

一九五九年のメンフィスで、吃音を抱える少年が友人の代わりに新聞配達を引き受ける。配達の一夏を通じて、街の空気と人々の現実が少しずつ見えてくる。

成長吃音人間関係人種問題

作品情報

配達の一か月が、少年の世界を広げていく。

自伝的な手触りをもつ少年小説。言葉に詰まりやすい語り手の視点から、労働、沈黙、勇気の意味が丁寧に描かれる。

書籍情報

出版社
岩波書店
発売日
2016-07-09
ページ数
300ページ
言語
日本語
サイズ
12.9 x 2.1 x 18.8 cm
ISBN-13
9784001164114
ISBN-10
4001164116
価格
1870 JPY
カテゴリ
本/絵本・児童書/読み物

1959年、メンフィス。ぼくは夏休みのあいだ、友達のラットに代わって新聞配達を引き受けることになった。すぐにどもってしまうせいで人と話すのは緊張する。でも大人の世界へ一歩踏み出したその夏は、思いもよらない個性的な人たちとの出会いと、そして事件が待っていた。2014年度ニューベリー賞オナーブック。

レビュー

  • 大人へと成長する過程の少年の悩みと成長を、周囲の人々との関わりの中で描く回想録風フィクション

    1959年、メンフィス。両親と住み込みの黒人家政婦マームと共に暮らす11歳の「ぼく」は、吃音に悩みながらも、夏休みの間友人の代わりに新聞配達をすることになった。配達はまだしも集金には苦労したが、ワージントンさんの奥さんの美しさやスピロさんの聡明さや気遣いに励まされる。そんな中、研ぐために廃品回収業者のR・Tに預けたナイフが、研ぎ賃とともに横領されてしまった。マームに打ち明けると、しばらく彼女は仕事を休み、傷だらけになって帰ってきた。 大人へと成長する過程の少年の悩みと成長を、周囲の人々との関わりの中で描く回想録風フィクション。 吃音に悩み、年上の女性に憧れ、自らの出生に疑問を抱く少年の葛藤を鋭く表現する作品。 スピロさんとの交流により、彼がより物事を深く考え、理解していく様子がとても心強い。 半面、R・Tとの暴力的なやりとりは、この静かな物語の中では異質で、必要だったのか疑問が残るが、マームをはじめとする差別されたものたち独自の世界を描くためだったのでしょうか。 米文学にはこういう描写が多いように思えるのは、それが日常だからなのか、これぐらいの刺激が求められているからなのか……? それほど難解な作品ではないが、内容から中学生以上が妥当でしょう。

  • 吃音ネタたっくさんだけど、少年の成長物語。続編も読みたい!

    時代は1959年。プレスリーの故郷、メンフィスが舞台。 ペーパーボーイって新聞配達の子の事で、週末集金(95セント)もする 吃音持ちの主人公は12歳の男の子。1人っ子で、親は裕福。いつも仕事で忙しいけど優しいお父さんとちょっと言い間違いが多いお母さんと、どんな時も200%味方でいてくれる黒人のメイドさんと暮らしていて、親友が1人いる。言語聴覚士さんと吃音改善のトレーニングもしている。(本には登場しないけど) その親友が夏休みに祖父の農園に行くので4週間新聞配達を替わる事になり。色んな人と出会い、見える景色が変わるってお話。成長話。 約300ページだけど、ティーン向けの本だからか一気に読めた。凄く面白かった。 吃音持ちが書いた自伝的な本、日本なら「きよしこ」が有名だし、イギリスの女の子の「吃音と生きる」も吃音の痛み、悲しみが描かれていたけど、 この本にはなんか、吃音の痛み悲しい感じは薄い。だから、より万人向け、かなと思った。 痛み悲しみが薄くてもいいと書ける俺は著者と同じで「治ってないけど克服できてる」と思ってるからかな 主人公は「.....ssss」(柔起声?言語聴覚士さんに教えてもらったらしい)を駆使して言葉を繋いでいく。 (難発で発話できなくて血だらけで倒れたりもするのだけど) ささやき声は発話しやすいのは知ってるけど主人公は「(叫ぶような)大きな声も発話しやすい」と認識していて。 中盤~後半と映画的な展開もあり、景色が変わったの描写(父の優しさ、母の思いやり、社会(時代は黒人解放前)への疑問も。 主人公は「とび級制度で実年齢より1つ学年が上。吃音のハンデ、負い目の救いを飛び級でって母の思惑があったようだけど(本筋とは関係なし) 設定は本人がタイプライターで書いてるって感じです。冒頭にも最後にも書いてるのだけど「句読点」が少ない。 俺もリズムで発話するから「息を吸うと喋れなくなる恐怖」があって知らないうちにこういう文も句読点少な目。 思わぬトコで共感出来て、苦笑してしまった。 続編も執筆中だとか。読みたい!同じ訳の方で読みたい。訳の方の持ち込みで出版できたのだとか。ありがたや~

  • 子どもが見るもの、感じるものは、大人が思っているよりも深く広い

    こういう子どもの世界を描きながら、大人の世界を反映させた作品が好きだ。日本だと、『兎の眼』あたりだろうか。 子どもが見ているもの、感じるものは、子ども時代を忘れてしまった大人が想像するよりも、様々で深い。 主人公が言葉というか言語に敏感なのも、「吃音」を媒介させると分かりやすい。 ワージントンの奥さん、スピロなど印象に残る人物も多く、やや古めの大リーグネタも、あの時代の大リーグに詳しい人にはとても楽しい。 著者の自伝的な作品のようなので、ほかの方も書いておられるが、青年期を中心とした続編を書いてもらいたい。

  • やさしい気持ちになれる本

    自分のしゃべり方にコンプレックスを持つ少年の成長物語。時に迷い、時に怒り、時に傷つき、それでも思いやり、素直な心は失わず、勇気と強さを身に着けてゆく。彼の本当にまっさらな心を通して語られる物語は、読んでいて心地よく、読み終わってしまうのが惜しい感じがした。子どもたちだけでなく、たくさんの大人も読んでくれたらいいと思った。

  • 最高に爽やか!!

    夏休み、友達よりも少し先に少年から成長していく過程が、リアルで面白いです。喋ることが苦手な分心の襞が沢山有る少年の物語です。 少年の初恋も少し心が痛いし、言葉で伝えななくてもちゃんと心を理解してくれる最高の理解者マームが頼もしし、公民権運動の少し前の物語だけど人を人として素直に受け入れられる少年の澄んだ心には感動する。小説の中で気になっていた「スピロ」さんは実は少年の成長したその先の人でした、なるほど! 吃音症の少年の心の声が痛いほどわかるのだけど、それを乗り越えて成長し行く「リトル マン」が本当に爽やかで清々しい思いにさせてくれる読み終わってからも心の中にに5月の風がズ――――ッと吹いています。

  • 読者は、「深い穴」に葬られたハズの物語を読むことができる

    夏のあいだ友人に代わって新聞配達をした吃音・発話障害をもつ白人少年のお話し。その間に起きた出来事、人との出会いを少年はタイプして残す。その残された記録が本書という設定になっている。 描かれるのは、1960年ころのアメリカ南部の生活。人種差別が現在よりはるかに色濃い時代で、「黒人は自分たちの問題は自分たちだけで片づけるし白人や白人の警察には頼らないんだ」という意識をもっている。 その言葉を口にしたのは、少年の家で共に暮らしているメイドのミス・ネリーだ。少年は「マーム(英語本文ではMam)」と彼女を呼ぶ。マームは、少年にとって「世界で一番の友だちだ」。 少年とマームの関わったふたりの間の秘密となった事件が、徐々に明らかにされていく。そして、最後はこう綴じられる。「そろそろタイプもおしまいにしようと思う。/ タイプした紙の束は新聞用の紐でしばって裏庭のテラスへもっていき『やばいソファ』の下のゆるんだレンガの下に埋めてしまおう。/地獄の番犬たちにかぎつけられないよう深い穴を掘らなきゃならない。口から出た言葉は言ったとたんに風に吹かれてどこかへ行ってしまうけれど紙の上の言葉はいつまでも残るのだから」。 読者は、「深い穴」に葬られたハズの物語を読むことができる。

  • 吃音症の少年の12歳の夏の成長物語。爽やかで、すがすがしさ満喫。読後感が大変いい物語。

    吃音症の少年の12歳の夏の成長物語。 時代は1950年代、アメリカのメンフィスが舞台。 主人公の少年の健康な精神が読んでいてなんとも心地いい。 人種差別や、吃音を抱える少年の悩みなど、考えさせられることもあるが、大変に勉強になる。 爽やかで、すがすがしさ満喫。 読後感が大変いい物語。

  • 夏休みに読みたい一冊です

    吃音症の少年が夏休みに田舎に帰る友達の代わりに新聞配達をし、色々な人に出会うストーリーです。 吃音症でなくてもコミュニケーションが苦手だったり、自分の気持ちを上手く表現出来ずもどかしい思いをしているティーンには、とても共感出来ると思います。

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