書籍情報
- 出版社
- 筑摩書房
- 発売日
- 1998-05-01
- ページ数
- 221ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784480831767
- ISBN-10
- 4480831762
- 価格
- 3638 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学
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レビュー
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短編だが読み応えがある。
大江健三郎氏おすすめの作家と聞いて、読んでみたがめちゃくちゃ面白い。 短編なので読みやすい。
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突然の暴力と死を描く理由
南部、暴力と死、差別、そして神にこだわる作家だ。収載5篇。どの作品もドライで心理描写を排した文体が素晴らしくいい。 「善人はなかなかいない」。陽気でお喋りなおばあちゃんと息子一家の6人がドライブ旅行に出かける。おばあちゃんのふと思い出した記憶(しかも勘違い)がきっかけで脇道へ変更したコースは、意外な惨劇へと一家を導く。サイコな脱獄犯とおばあちゃんはキリスト論を戦わせるが・・・。 「強制追放者」。ナチスに追われ難民として南部へやってきたポーランド人一家と、神父の説得で彼らを労働力として受け入れた女農園主の心理的な葛藤。凡庸なカソリック神父が神の恩寵を強調しても、登場人物の誰もが救われない結末を迎える。 「森の景色」。広大な地所を持つ老人と小さな孫娘との愛憎の葛藤が、突然の暴力の爆発で悲劇的な終幕を迎える。老人と孫はやはり救われない存在だ。シンプルで的確な描写、巧みな構成。 「家庭のやすらぎ」。母一人、子一人の平和な家庭に突然、ニンフォマニアの娘が割り込んできた。母親が度を超える慈悲心を発揮し、可哀想な生い立ち(嘘!)の娘を引き取ったのだ。息子は娘を家から追い出そうと画策するが・・・。厚い宗教心を持つ人間がそれゆえに悲劇を招く。切れ味バツグンの作品。 「よみがえりの日」。ニューヨークの娘夫婦に引き取られた老人が、自分は黒人を理解しているという思い上がりを無惨に砕かれ、死を前にして故郷ジョージアへ帰ろうとする・・・。虚しく死んでいく主人公の心情が哀切に描かれる。 訳者解説。 著者はジョージア州生まれで、難病に苦しみつつ執筆を続け、1964年に39歳で亡くなった。短篇の名手。 創作の背景は南部では少数派のカトリック作家ということ。暴力を描くのは単なる手段だとオコナーは言う。では、なぜ暴力を描くのか。「(頭の固い人たちを暴力に直面させて)真実に引き戻し、彼らに恩寵の時を受け入れる準備をさせる・・・」。 本当なのか? 確かにどの作品でも突然の無意味な死が登場人物に降りかかる。だから準備を怠るな、ということか。私は著者が神の存在を疑っていると理解したのだが・・・ なんとも難しい。
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クールでブラック
ブラックなユーモア漂う中、クールで衝撃的な話が的確に語られる。今までこの作家を知らなかったのが非常に不思議。(レイモンンド・カーヴァーのエッセイで初めて知った)私の偏見によれば、私の知る限り、ワン・オブ・ザ・ベストの短編作家だ。
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ウワサ通り、すごい。
大江健三郎氏の講演を拝聴する機会があり、その講演の中で「フラナリー・オコナ-」という名を、恥ずかしながら初めて知った。壇上に立った大江氏が故オコナー氏を「素晴らしい作家」だと話していたので、それから非常に気になりだし、慌てて何冊かを購入。最初にこの1冊を読んだ。感想は「怖い」。いやになるくらい「怖い作家」。かつてのわたしのような、フラナリー未体験の方々の愉しみを軽減させるのは気の毒なので、内容には触れないでおく。ただ、愛する大作家の講演の受け売りではなく、わたくし個人的にお薦めの5つ星だということを言っておく。
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次に自分が何を書くか分からない
オコナーのインタビューやエッセイなどを読むと 主人公が次に何をするか、どういう結末になるか自分でも分からないと答えていた。 物語の天才としか言いようがない。 皮肉とユーモアと残酷さ、全てのバランスが自分が見ている世界と同じ。 孔雀と母親を愛し、自分の奇妙な病気と向き合いながら書く、全ての物語に嫉妬を覚える。
関連する文学賞
- オー・ヘンリー賞 第43回(1963年) ・受賞