ビリー・ジョーの大地
『Out of the Dust』は、1930年代オクラホマのダストボウルを背景に、少女ビリー・ジョーの喪失と回復を描く自由詩形式の物語である。
作品情報
家族を襲う悲劇の後、少女が土埃の中で生き延びようとする。
カレン・ヘスの代表作の一つで、詩的な短章でダストボウル期の生活と心の再生を描く。
書籍情報
- 出版社
- 理論社
- 発売日
- 2001-03-01
- ページ数
- 305ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784652071939
- ISBN-10
- 4652071930
- 価格
- 1000 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/英米文学
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レビュー
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大人にも読んで欲しい
児童文学?いいえ、大人の心にも響き残る物語。伊藤比呂美さんの名訳が素晴らしい。開拓時代のアメリカの、貧しいなりに平穏な生活を送っていた一家の悲惨な事故と停滞する心、希望の光が兆すラスト。名訳のリズムも心地好く一気読みしてしまいました。が、母さん、可哀想でした。
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切なく愛おしい物語ですよ。
1930年代、オクラホマ。干ばつ、土嵐など、厳しい環境下に生きる家族。 『大草原』の30年代大不況時代版です(『大草原』自身は、ちょうどこの作品の時代設定の頃に出版されたのですが)。だからといって、『大草原』的ノスタルジーな手法をこれはとっていません。むしろ正反対かな。 物語は、男の子を望んだのに女の子が生まれたけれど、当初男の子用に考えていたビリー・ジョーなる名前をさずけられた少女の語りで進むのだけど、これが、まるで詩のように短い言葉で綴られています。 だから小説を読むつもりだった人は最初とまどうと思います。 けど、その無駄のない文は、入り込めれば読む者に強いイメージを残します。 あーこんな方法があったんだと、感心。 切なく愛おしい物語ですよ。
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煌く言葉、生きることの輝き
1934年、大恐慌の真っ只中を生きた14歳の少女の日記。日記というが、訳されたそれはまるで散文詩集のよう。だから読み進むほどに断片になって散らばる印象が、どくどくと沸き上がって来る。断片すぎてそれらは、すぐどれと繋がるのか迷うことさえある。複雑なジグソー・パズルのように一見見える。が、それが幾つか繋がった時、強烈な光が放たれる。 「あたしたちの将来はカラカラに乾いて/土埃といっしょにどこかに飛んで行ってしまったことを知る」(P55)「うすやわらかな花びらが太陽の中で焦げてゆくのを/あたしは見ていられなかった」(P110) 「そして今/その悲しみは/階段をのぼりつめて、すぐそこまで近づいてきた。/テキサスぐらい大きくなって/まっすぐこっちに向かってきていたというのに/あたしたちはそれが目に入らなかったというのか」(P113) 「いっしょに/ならんで/土埃の中をぱふぱふ歩いてゆくにつれ/あたしは/あとのことぜんぶについて/自分自身をゆるしている。」(P269) 「今までずっと/この土埃から抜け出そうと必死だった。/でも現実は/土埃もあたしの一部だった。/土埃があるからあたしがいる。/そして、こんなありのままのあたしはとてもいい。/自分で見てもいいなと思える。」(P290) そうして散りばめられた言葉たちは、まるで彼女の命の煌きのように、こちらの胸を目を射るほどにきらきらと輝いている。
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ビリージョー
波乱万丈。まさにそんな感じの話だった。人は悩み、苦しみ、時に立ち止まり前へ進めなくなる。けど、人は「人」「出会い」「時間」を通じて前進していく。「人間ってやっぱ、いいなぁ~。」と思わせてくれる本でした。