世界・海外・国外の文学賞

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アドルフォ・ビオイ・カサレス

アドルフォ・ビオイ・カサレス

Adolfo Bioy Casares

別名: Bioy Casares / Adolfo Bioy
ペンネーム: ホノリオ・ブストス・ドメックホルヘ・ルイス・ボルヘスとの共作ペンネーム(風刺的・探偵ものの作品に使用), ベニート・スアレス・リンチボルヘスとの共作で用いた別名

プロフィール

性別
男性
生誕
1914-09-15 (アルゼンチン、ブエノスアイレス(レコレータ))
死没
1999-03-08 (アルゼンチン、ブエノスアイレス) 84歳
国籍
アルゼンチン
言語
スペイン語, 英語, フランス語, ドイツ語
居住地歴
レコレータ(ブエノスアイレス)— 生涯の大半を居住 → 家族の牧場(若年期に滞在し独学で文学を学ぶ)

経歴

職業
作家, ジャーナリスト, 日記作家, 翻訳者, 詩人, 批評家, 図書館員
活動期間
1929年〜1999年
所属
アルゼンチン作家協会(SADE)
所属団体
アルゼンチン作家協会(SADE)
影響を受けた人物
ホルヘ・ルイス・ボルヘス, H. G. ウェルズ, ビクトリア・オカンポ(文化的交流の影響)

学歴

Instituto Libre de Segunda Enseñanza(ブエノスアイレス)
期間: 中等教育
国: アルゼンチン
中等教育機関。後の大学進学の準備を行った。
ブエノスアイレス大学(Universidad de Buenos Aires)
法学・哲学・文学の課程を断続的に履修
国: アルゼンチン
法学・哲学・文学の各課程を開始したが、いずれも中退している。
家族の牧場(独学)
国: アルゼンチン
大学を離れた後、牧場で文学の研究や執筆に専念した。

受賞歴

ミゲル・デ・セルバンテス賞
1991
対象作品: (業績に対して)
主催: ミゲル・デ・セルバンテス賞選考委員会
結果: 受賞
SADE グラン・プレミオ・デ・オノール
1975
主催: アルゼンチン作家協会(SADE)
結果: 受賞
レジオン・ドヌール(フランス共和国勲章)
1981
主催: フランス政府
結果: 受勲
コネックス賞(ダイヤモンド)
1994
主催: コネックス財団
結果: 受賞
ブエノスアイレス名誉市民
1986
主催: ブエノスアイレス市役所
結果: 称号授与
プライマー・プレミオ・ムニシパル・デ・リテラトゥーラ(市文学賞)
1941
対象作品: 『モレルの発明』
主催: ブエノスアイレス市
結果: 受賞

受賞・候補エディション

  1. 故国での政治的迫害を逃れて絶海の孤島に辿り着いた逃亡者は、ある日突然、無人島のはずの場所に1920年代風の男女の一団を目撃する。その中の若い女性ファウスティーヌに恋した彼は、彼女が自分に一切気づかないことに苦しみながら島を探索し、やがて驚愕の真実を発見する。科学者モレルが発明した機械は、視覚・聴覚・触覚・嗅覚に至るまですべての感覚を完全に記録・再生し、対象者の魂ごとを永遠にループさせる。しかし記録される者は命を奪われる。孤独と絶望の果てに、語り手は自らも機械に記録されることで、投影されたファウスティーヌの傍に存在しようと決意する。

    絶海の孤島で愛は永遠に再生される—そして愛する者は消えてゆく。

    197ページ
    現実と虚構の境界複製と不死性片思いと孤独科学技術と倫理意識とは何か

作品

代表作

モレルの発明(La invención de Morel)

1940年 幻想文学 / サイエンスフィクション / 心理小説 126ページ

逃亡者である語り手が孤島に滞在し、島の住人たちが現実の人物ではなくモレルという発明者の機械によって記録された複製であることに気づく物語。現実と複製、記憶と永続性をめぐる幻想的な寓話。

現実と複製記憶と永続性孤独と望郷アイデンティティの曖昧さ
翻訳
  • 『モレルの発明』英訳版(The Invention of Morel)

豚の戦争の日記(Diario de la guerra del cerdo)

1969年 ディストピア / 社会風刺 207ページ

高齢者が社会から排除される不穏な未来を描くディストピア的寓話。老いと社会的排斥をテーマに、恐怖とユーモアが交錯する。

老い社会的排斥暴力の連鎖
翻訳
  • 『豚の戦争の日記』英訳版(Diary of the War of the Pig)

日曜の眠り(Dormir al sol)

1973年 小説 / 社会的寓話 229ページ

アルゼンチン社会を背景に人間関係や人生の虚無を描く長編。リアリズムと幻想が交差する。

現実と夢社会の虚無
翻訳
  • 『日曜の眠り』英訳版(Asleep in the Sun)

ラ・プラタの写真家の冒険(La aventura de un fotógrafo en La Plata)

1985年 長編小説 / 探偵的要素 223ページ

写真家を主人公にした異色の長編。記憶と事件、都市の風景が絡み合う作品。

記憶都市と風景
翻訳
  • 『ラ・プラタの写真家の冒険』英訳版(The Adventures of a Photographer in La Plata)

全著作

  • La nueva tormenta o la vida de Juan Ruteno (1935)
  • La invención de Morel (1940)
  • El perjurio de la nieve (1944)
  • Plan de evasión (1945)
  • El sueño de los héroes (1954)
  • Diario de la guerra del cerdo (1969)
  • Dormir al sol (1973)
  • La aventura de un fotógrafo en La Plata (1985)
  • Una muñeca rusa (1991)
  • 多くの短編・随筆・共著(ボルヘス、シルヴィナ・オカンポ他)

翻案

  • 『Invasión』(1969) — ボルヘスと共同で脚本に関与
  • 『Los orilleros』(1955) — ボルヘスと共同脚本

作品の翻訳

  • 『モレルの発明』英訳(The Invention of Morel)など、主要作品は英語をはじめ複数言語に翻訳されている

作風・主題

文体
明瞭で洗練された文体冷静な語り口と知的なユーモア幻想と現実を自然に混交させる技法
頻出モチーフ
現実と再現(複製)記憶と時間の循環孤独とアイデンティティの探求

評価・遺産

アドルフォ・ビオイ・カサレスはアルゼンチンの幻想文学・近代小説における重要人物であり、ホルヘ・ルイス・ボルヘスとの共作や『モレルの発明』によって国際的な評価を受けた。20世紀ラテンアメリカ文学に影響を与え、映画やテレビ作品にも先行的な影響を及ぼした。

関連学会

  • アルゼンチン作家協会(SADE)

資料所蔵先

  • ブエノスアイレス国立図書館などに作品・日記の一部が所蔵

大衆文化への影響

  • アラン・レネの『去年マリエンバードで』に影響を与えたとされる(作品テーマの類似)
  • テレビシリーズ『LOST』など現代メディアに間接的影響

引用

  • 『モレルの発明』は“理性に訴える想像力”の作品である。
    出典: ホルヘ・ルイス・ボルヘス(序文) (1940年)

豆知識

  • 11歳で最初の短編を書いた。
  • ホルヘ・ルイス・ボルヘスと長年にわたる友情と共同作業を行った。
  • 初期の作品群は後に自身で否定し、1940年以前の作品を「ひどい」と称した。
  • 私生児や家族を巡る複雑な私生活があり、相続をめぐる法的問題が生じた。