ミゲル・デ・セルバンテス賞
1回登壇
-
第16回(1990年) 受賞
故国での政治的迫害を逃れて絶海の孤島に辿り着いた逃亡者は、ある日突然、無人島のはずの場所に1920年代風の男女の一団を目撃する。その中の若い女性ファウスティーヌに恋した彼は、彼女が自分に一切気づかないことに苦しみながら島を探索し、やがて驚愕の真実を発見する。科学者モレルが発明した機械は、視覚・聴覚・触覚・嗅覚に至るまですべての感覚を完全に記録・再生し、対象者の魂ごとを永遠にループさせる。しかし記録される者は命を奪われる。孤独と絶望の果てに、語り手は自らも機械に記録されることで、投影されたファウスティーヌの傍に存在しようと決意する。
絶海の孤島で愛は永遠に再生される—そして愛する者は消えてゆく。
197ページ現実と虚構の境界複製と不死性片思いと孤独科学技術と倫理意識とは何か