世界・海外・国外の文学賞

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エディス・ウォートン

エディス・ニューボールド・ウォートン

Edith Wharton

ペンネーム: E. A. Washburn(出版時に使用された匿名名義)若年期の翻訳作品が友人の父の名義で出版された際の名義

プロフィール

性別
女性
生誕
1862-01-24 (アメリカ合衆国・ニューヨーク市)
死没
1937-08-11 (フランス・サン=ブリス=スー=フォレ(Saint-Brice-sous-Forêt)) 75歳
国籍
アメリカ合衆国
言語
英語, フランス語, ドイツ語, イタリア語
宗教
プロテスタント(聖公会) 1862年受洗
居住地歴
ニューヨーク市(出生〜時々の居住) → ヨーロッパ各地(幼少期の滞在:フランス、イタリア、ドイツ、スペインなど) → ニューポート(ロードアイランド州) → ザ・マウント(マサチューセッツ州レノックス) → パリ(Rue de Varenneのアパルトマン) → サン=ブリス=スー=フォレ(パヴィヨン・コロンブ)

経歴

職業
小説家, 短編作家, 随筆家, 装飾・インテリアデザイナー, ガーデンデザイナー, 旅行記作家
活動期間
1877年〜1937年
影響を受けた人物
ワルト・ホイットマン, ジョン・ラスキン(John Ruskin), チャールズ・ダーウィン, フリードリヒ・ニーチェ, ソーシャル・セオリー(ヴェブレンなど)
影響を与えた人物
20世紀のアメリカ小説家(社会描写に影響), 女性作家の世代(社会的慣習を題材にした作品に影響)
ノミネート
1927年 ノーベル文学賞候補, 1928年 ノーベル文学賞候補, 1930年 ノーベル文学賞候補

学歴

家庭教師・個人教育
家庭教育
期間: 幼年期〜若年期(家庭教育、家庭教師による教育)
国: アメリカ合衆国 / 欧州(滞在)
正式な大学教育は受けていない。幼少期からヨーロッパでの家庭教育を受け、多言語を習得。

受賞歴

ピューリッツァー賞(フィクション部門)
1921
対象作品: 『無邪気の時代(The Age of Innocence)』
主催: ピューリッツァー賞委員会(コロンビア大学)
結果: 受賞
レジオンドヌール勲章(シュヴァリエ)
1916
主催: フランス政府
結果: 受章(シュヴァリエ)
ナショナル・ウィメンズ・ホール・オブ・フェイム(殿堂入り)
1996
主催: National Women's Hall of Fame
結果: 殿堂入り(追贈)

受賞・候補エディション

  1. 1870年代のニューヨーク上流社会を舞台に、婚約中のニューランド・アーチャーが、規範を乱す帰国者エレン・オレンスカとの再会によって、欲望と義務のはざまで揺れる。礼法と沈黙に貫かれた社交界のなかで、愛と自己抑制の代償を描く長編。

    旧ニューヨークの華やかな礼法の奥で、ひとつの再会が人生の選択を揺さぶる。

    588ページ
    旧ニューヨーク社交界婚約と欲望慣習と抑制
  1. 受賞作: The Age of Innocence

    19世紀末のニューヨーク上流社会を舞台に、慣習や階級意識が個人の愛と幸福をどう制約するかを描く。登場人物の抑制された感情と社会的規範の衝突を通じて、名誉や義務と個人の自由の葛藤を浮き彫りにする。

    上流階級社会規範個人対社会愛と義務
  1. 受賞作: 無垢の時代 (The Age of Innocence)

    『無垢の時代』は19世紀末のニューヨーク上流社会を舞台に、個人の欲望と社交界の規範との衝突を描く長編。見栄や体面が人間関係を縛る様を繊細かつ冷徹に描写し、社会的圧力が個人の幸福に及ぼす影響を明らかにする。

    上流社会社会規範恋愛と抑圧階級批評

作品

代表作

『無邪気の時代』

1920年 小説(社会小説、現実主義) 320ページ

19世紀末の上流社会を舞台に、形式的な慣習と個人の欲望の対立を描く。主人公たちの抑制された情感と社会的義務の重さが主題。

社交界の慣習抑圧された欲望階級と名誉結婚と義務
映像化・舞台化
  • [映画] 『無邪気の時代』(1993年版) / Martin Scorsese (1993)
  • [舞台(戯曲化)] 『The Age of Innocence(戯曲)』 (1928)
翻訳
  • 無邪気の時代(日本語訳)
  • L'Âge de l'innocence(フランス語訳)

『歓びの家』

1905年 小説(社会批評) 400ページ

ニューヨーク上流階級の女性リリー・バートの没落を通じて、社会的期待と個人の幸福の矛盾を描く。

女性の社会的地位経済と結婚虚栄と孤立
映像化・舞台化
  • [映画] 『歓びの家』(2000年版) / Terence Davies (2000)
  • [舞台(1906年の戯曲化)] 『The House of Mirth(戯曲)』 (1906)
翻訳
  • 歓びの家(日本語訳)

『イーサン・フロム』

1911年 中編小説(悲劇) 160ページ

寒村を舞台に、運命と抑圧された情愛がもたらす悲劇を描いた物語。閉塞した環境と登場人物の選択が悲劇を生む。

閉塞感禁欲と欲望運命
映像化・舞台化
  • [映画] 『Ethan Frome』(1993年版) / John Madden (1993)
  • [バレエ(Snowblind)] Snowblind(サンフランシスコ・バレエ) / Cathy Marston (2018)
翻訳
  • イーサン・フロム(日本語訳)

『家の飾り(装飾)』

1897年 ノンフィクション(インテリア・デザイン) 200ページ

建築とインテリアの調和、家具と空間の配置に関する実践的なガイド。コドマンとの共著で、当時の住居装飾に影響を与えた。

建築とインテリアの調和実用的デザイン原則
翻訳
  • 家の装飾(日本語訳)

全著作

  • 『Verses』(1878)
  • 『The Decoration of Houses』(1897)
  • 『The House of Mirth』(1905)
  • 『Ethan Frome』(1911)
  • 『The Age of Innocence』(1920)
  • 『A Backward Glance』(回想録、1934)

翻案

  • 『無邪気の時代』映画化(1924年、1934年、1993年など)
  • 『歓びの家』映画化(1918年、2000年など)
  • 『イーサン・フロム』映画化(1944提案、1993年公開)
  • 戯曲化・テレビ化・ラジオ化多数

作家による翻訳

  • ヘルマン・ズダーマンの戯曲『Es Lebe das Leben(The Joy of Living)』の英訳/翻訳(1902)

作品の翻訳

  • 『無邪気の時代』(日本語訳)
  • 『歓びの家』(日本語訳)
  • 『イーサン・フロム』(日本語訳)

作風・主題

文体
現実主義的筆致社会観察に基づく風刺心理描写の精緻さ洗練された語り口
頻出モチーフ
家屋と室内空間(家=人格の映し)社交界の儀礼と抑圧結婚と経済的圧力孤独と閉塞

健康

  • 腸チフス(小児期)
    幼少期(約9歳頃)
    重篤で生死に関わる病となり、その後の健康観に影響を与えた
  • 喘息
    生涯に断続的
    執筆活動や旅行に断続的な影響
  • うつ状態(抑うつ)
    主に結婚後〜生涯に断続
    私生活・旅行・創作活動に影響を与えた

評価・遺産

エディス・ウォートンは、ゴールデンエイジの上流社会を鋭く描き出した作家であり、建築・インテリア分野でも業績を残した。1921年に『無邪気の時代』でピューリッツァー賞(フィクション)を受賞し、アメリカ文学における重要な位置を占める。没後も翻訳・映像化・舞台化が続き、研究と評価が継続している。

記念館・博物館

  • The Mount(エディス・ウォートン邸) マサチューセッツ州レノックス

関連学会

  • ナショナル・ウィメンズ・ホール・オブ・フェイム(殿堂入り)

資料所蔵先

  • イェール大学 ビーネック希少書・原稿室(Edith Wharton Collection)
  • インディアナ大学 リリー図書館(The Edith Wharton Papers)
  • コロンビア大学 レアブック&原稿室(Iola S. Haverstick 関連資料)

大衆文化への影響

  • 1980年発行のアメリカ切手に登場
  • 映画・テレビ・ラジオ・舞台で多数脚色・引用される(例:1993年映画『無邪気の時代』)
  • 現代の小説やテレビで作中参照されることがある(例:Gilmore Girls、Entourage 等)

引用

  • 光を広める方法は二つある。灯をともすか、それを映す鏡になるかだ。
    出典: 引用(広くエディス・ウォートンに帰属)

豆知識

  • 1921年、『無邪気の時代』でフィクション部門のピューリッツァー賞を受賞。女性として初めて同賞を受賞した。
  • 生涯で大西洋を60回以上横断した。
  • 没後、1970年代以降に多数の未公開資料が公開され、私生活に関する研究が進んだ。
  • 1980年にアメリカの切手に肖像が採用された。