ピューリッツァー賞
ぴゅーりっつぁーしょう
アメリカの新聞ジャーナリズム、文芸、音楽などにおける優れた業績を表彰する年次賞。コロンビア大学が運営し、1917年にジョセフ・ピューリッツァーの遺志により創設された。
- 創設年
- 1917
- 主催
- Columbia University
- カテゴリー
- 詩・現代詩
- 選考方式
- 公募
- 受賞対象
- 不問
- 開催頻度
- 年1回
- 発表時期
- 5月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
ピューリッツァー賞は1917年に創設され、コロンビア大学が主催するアメリカ合衆国におけるジャーナリズム、文学(Letters)、演劇(Drama)、音楽(Music)の業績を表彰する年次賞。複数のジャーナリズム部門と文芸・音楽部門を含み、各部門ごとに審査員(ジュリー)がノミネート(通常3名)を選出し、Pulitzer Prize Boardが多数決(または特定の割合の多数)で受賞作を決定する。受賞者は原則として証明書と賞金を受け取り、Public Service部門のみ金メダルが授与される。応募は所定の手続きを経て事務局に提出され、カテゴリ適合性や出版・掲載要件が審査される。
賞品
- 主賞品
- 受賞者には証明書と現金15,000米ドルが贈られる(Public Service部門では金メダルが授与される)。
- 賞金
- 15,000 USD
- 賞状(certificate)
- Public Service部門の金メダル(gold medal)
- Pulitzer Traveling Fellowships(コロンビア大学ジャーナリズム大学院の学生向け)
- 特別賞(Special Citations and Awards)
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 受付・事務局による資格確認 | Pulitzer賞事務局(エントリーフォーム・提出要件の確認) | 不明(応募作の適合性確認を実施) | 提出受理の確認は事務局で行われる(勝者発表とは別) |
| ジュリー(審査員)による審査とノミネート | 各カテゴリーごとに選出される審査員(通常5名、特定のカテゴリーは7名) | 各カテゴリーから通常3名のノミネート(ファイナリスト)が選出される | ノミネート(ファイナリスト)と勝者は公表される(ファイナリスト発表は1980年以降実施) |
| Pulitzer Prize Boardによる最終選定 | Pulitzer Prize Board(約19名) | 通常はノミネートから過半数の票で勝者を選出。ノミネートを無視して別の候補を選ぶ場合は75%の多数が必要。場合によっては該当なし(No award)とすることもある。 | 最終受賞者は毎年5月に発表される |
選考基準
- 各部門における卓越性(journalism: accurate, illuminating, context; letters/drama/music: distinguished achievement)
- 明瞭な文章力、独創性、主題の習熟(特に解説・特集・評論の部門)
- 提出作品が応募要件(掲載・出版年、米国ベースの媒体等)を満たしていること
- カテゴリ適合性(作品は最大2カテゴリまで出品可能)
- 公共性・影響力(特にPublic ServiceやInvestigative Reporting等)
応募のヒント
推奨
- 公式のエントリーフォームとガイドラインに従って提出すること(カテゴリ判定・提出要件を必ず確認)
- 提出時に作品の発行・掲載日、媒体、寄稿者情報などの証拠を明示すること
- カテゴリ適合性を慎重に確認し、該当する最も適切なカテゴリで出品すること
- ノミネート対象となる年の出版・掲載であることを確認すること
- 必要なサポート資料(出典、許諾、キャプション等)を整えて提出すること
注意
- 応募しただけで「Pulitzer nominee(ノミネート)」と誤って宣伝すること(ファイナリストでない限り推奨されない)
- カテゴリ要件を無視して不適切なカテゴリに出品すること
- 提出要件(フォーマット、締切、枚数制限等)を守らないこと
- 明確な出典・掲載証明を欠いたまま応募すること
審査員から
- 審査員は作品の『卓越性』と『影響力』を見る。明確で説得力ある説明と文脈提示が重要。
- ジャーナリズム部門では正確さ、取材の深さ、公共性を重視する。出典や証拠を明示すること。
- 書籍・文芸部門では文章力・構成・独創性が評価される。提出資料は出版情報を明確に。
- 作品は1つ以上のカテゴリに適合するが、同一作品を2カテゴリ以上に応募する場合は規定を確認すること。
関連の賞
- Alfred I. duPont–Columbia University Award
- National Book Award
- The Booker Prize
- Miguel de Cervantes Prize
- National Magazine Awards
- Commonwealth Writers Prize
- Prix Goncourt
公式情報
https://pulitzer.org/過去の受賞者
サイゴン陥落後の亡命社会を舞台に、二重スパイの視点から冷戦下の暴力、政治的裏切り、そして分裂した自己を描く。辛辣なユーモアと鋭い政治感覚が際立つ。
二重スパイの視点で冷戦の暴力を描く小説。
ベトナム系アメリカ人の作家・学者。移民と戦争の記憶、アイデンティティの問題をテーマに執筆し、『The Sympathizer』で2016年プルリツァー賞を受賞した。
第二次大戦下のフランスを舞台に、盲目の少女とドイツ人の少年の人生が交差する物語。光と視覚のモチーフを通じて戦争の暴力と日常の繊細さ、倫理的選択を詩的に描く叙事的作品。
アメリカの作家。短篇・長篇の双方で精緻な描写が評価され、2015年に『All the Light We Cannot See』でプルリツァー賞を受賞した。
メトロポリタン美術館の爆破事件で母を失った少年テオが、一枚の絵画を抱えたまま、喪失と執着の長い旅へ入っていく。
ひとつの絵が、少年の人生を美術と犯罪の世界へ引き込んでいく。
アメリカの小説家。緻密なプロット構成と古典的な語り口で知られ、長編での深い人物描写が評価される。2014年に『The Goldfinch』でプルリツァー賞を受賞。
北朝鮮のプロパガンダと個人の渇望を往復しながら、喪失と希望を描く濃密な長編。
北朝鮮のプロパガンダと個人の渇望を往復しながら、喪失と希望を描く濃密な長編。
アメリカの小説家。政治体制や個人の尊厳をテーマにした作品で知られる。2013年に『The Orphan Master's Son』でプルリツァー賞を受賞。
音楽業界、老い、デジタル時代の時間感覚を断章的にたどる、連作的な長編。
音楽業界、老い、デジタル時代の時間感覚を断章的にたどる、連作的な長編。
アメリカの小説家。実験的な構成や時間をテーマにした物語で知られ、登場人物の人生の断片を繋げる技法が評価される。2011年に『A Visit from the Goon Squad』でプルリツァー賞受賞。
死を目前にした時計修理工と、その家族の記憶が時代をまたいで重なり合う、静謐な長編。
死を目前にした時計修理工と、その家族の記憶が時代をまたいで重なり合う、静謐な長編。
アメリカの作家。詩的で内省的な文体で記憶や時間、家族を描く。『Tinkers』で2010年のプルリツァー賞(フィクション)を受賞した。
メイン州の小さな町を舞台に、率直で不器用な引退教師オリーヴを軸に描く連作短編集。
メイン州の小さな町で生きる人々を、オリーヴの視点を軸に描く。
アメリカの小説家・短編作家。小さな町の人間模様を繊細に描く作風で評価される。2009年に連作短篇集『Olive Kitteridge』でプルリツァー賞を受賞。
ドミニカ系アメリカ人青年の成長譚を軸に、呪い、家族史、独裁体制の影を絡めた小説。
ドミニカ系アメリカ人青年の成長譚を軸に、呪い、家族史、独裁体制の影を絡めた小説。
ドミニカ出身の米国作家。移民経験やドミニカ共和国の歴史を背景にした物語で注目され、2008年に『The Brief Wondrous Life of Oscar Wao』でプルリツァー賞を受賞。
焼き尽くされたアメリカを父と息子が旅する、愛と生存をめぐる黙示録的な小説。
焼き尽くされたアメリカを父と息子が旅する、愛と生存をめぐる黙示録的な小説。
アメリカの小説家。凝縮された簡潔な文体と人間存在の暗い側面を描く作風で知られる。2007年に『The Road』でプルリツァー賞を受賞。
南北戦争下、奴隷制と理想主義の代償を見つめるため、『若草物語』の不在の父マーチ氏を主人公にした歴史小説。
南北戦争下、奴隷制と理想主義の代償を見つめるため、『若草物語』の不在の父マーチ氏を主人公にした歴史小説。
ジャーナリズム出身の作家で、史実とフィクションを巧みに融合させる作風が特徴。『March』は『若草物語』に登場する父を主人公に据えた歴史小説で、2006年Pulitzer Prize for Fictionを受賞した。
アイオワの小さな町で牧師として生きるジョン・エイムズが、幼い息子に向けて人生と信仰を語りながら、自分の家族の記憶を静かにたどる小説。
祈りと記憶が、ひとりの父の最後の語りの中で重なっていく。
宗教的・哲学的な主題を静謐な文体で描く作家。牧師の視点から信仰や世代、人間の有限性を省察した『Gilead』により2005年Pulitzer Prize for Fictionを受賞した。
奴隷制度のもとで黒人の奴隷所有者が存在したアメリカ南部を描き、暴力と権力のねじれを静かに暴く歴史小説。
奴隷制のアメリカを、複雑な倫理の物語として描く。
アフリカ系アメリカ人の歴史と個人の倫理を丁寧に掘り下げる作家。深い史的想像力と静かな文体で『The Known World』を綴り、2004年にPulitzer Prizeを受賞した。
ギリシャ系移民の家族を軸に、先天的に両性の特徴を持って生まれた主人公の成長と家族の歴史を描く大河的長篇。ジェンダー、遺伝、移民体験を絡めながら個と歴史の重層性を探る作品。
ギリシャ系移民の家族を軸に、先天的に両性の特徴を持って生まれた主人公の成長と家族の歴史を描く大河的長篇。ジェンダー、遺伝、移民体験を絡めながら個と歴史の重層性を探る作品。
繊細かつ大河的な語りで家族史と個人史を重ね合わせる作家。『Middlesex』でジェンダーと移民の物語を大胆に描き、2003年Pulitzer Prize for Fictionを受賞した。
衰退するメイン州の町でレストランを切り盛りする男が、家族と町を支配する見えない力に向き合う。
さびれた町の日常の奥に、長く続く支配と諦めが沈んでいる。
地方都市を舞台にした人間描写とユーモアを織り交ぜた作風で知られるアメリカの小説家。日常の細部から社会的・個人的な緊張を描き出す。『Empire Falls』で2002年にPulitzer Prizeを受賞。
ナチス占領下のプラハから逃れてきた若い芸術家と従兄弟が、戦時下のアメリカでコミック帝国を築こうとする。
脱出、友情、創作が、黄金期コミックの熱狂とともに走り出す。
ジャンル横断的な題材と豊かな語りで知られる現代アメリカの作家。コミック文化やユダヤ系移民の物語を通してアメリカの記憶と個人の創造性を描く。『The Amazing Adventures of Kavalier & Clay』で2001年Pulitzer受賞。
インドとアメリカを結ぶ短編群を通して、誤解、孤独、移民の距離感を繊細に描く短編集。
誰かを理解しようとするたびに、言葉の届かなさが浮かび上がる。
インド系アメリカ人の作家。移民の経験や文化的断絶を繊細に描く短編で注目を集め、短編集『Interpreter of Maladies』で2000年にPulitzer Prize for Fiction(短編集でも受賞対象)を受けた。
三人の女性の異なる時代の一日が、ヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』を軸に響き合う小説。
時間を越えて、三つの人生がひとつの静かな重なりを見せる。
繊細な心理描写と文学的参照を用いるアメリカの作家。ヴァージニア・ウルフへの応答として構成された『The Hours』で広く評価され、1999年にPulitzer Prize for Fictionを受賞した。
理想的なアメリカ人として見えたスウェード・レイヴォフの家庭が、1960年代の政治暴力と個人の崩壊によって壊れていく。
幸福に見えた人生の裏で、国家の混乱が家族を蝕む。
アメリカ文学を代表する小説家の一人。ユダヤ系アメリカ人のアイデンティティや社会批評を鋭く描いた作品群で知られる。1998年に『American Pastoral』でPulitzer Prizeを受賞。
アメリカン・ドリームの不安定さを、ひとりの男の上昇と崩壊で描く小説。
成功の夢は、いつも少し遅れて崩れる。
幻想的で詳細な情景描写を得意とするアメリカの作家。短編・長編ともに日常と非日常の境界を曖昧にする作風で知られる。1997年に『Martin Dressler』でPulitzer Prize for Fictionを受賞。
離婚後の生活を続けるフランク・バスコムが、独立記念日の週末に家族、仕事、そして中年期の空白と向き合う。日常の細部からアメリカ社会の輪郭を浮かび上がらせる長編。
一人の男の週末に、アメリカの輪郭が映る。
アメリカの小説家。日常の心理描写と中産階級の人間像を細やかに描く作風で知られ、Independence Dayで1996年にピューリッツァー賞を受賞した。リップ・ヴォーカーを主人公とする連作で評価される。
デイジー・グッドウィルの生涯を、結婚、母性、喪失、記憶の断片を通してたどる長編。平凡な人生の内部にある複雑さと余韻を、日記的な構成で描き出す。
平凡な人生の奥にある、複雑さと余韻を描く。
カナダを拠点に活動した作家で、日常生活や女性の生涯を繊細に描く作品で知られる。The Stone Diariesで1995年ピューリッツァー賞(フィクション)を受賞し、伝記風の物語構成で高い評価を得た。
人生に行き詰まったクォイルがニューファンドランドへ移り住み、家族の過去と土地の記憶の中で再出発する。
荒涼とした海辺の町で、壊れた人生が少しずつ組み直される。
自然や場所性、地域の気質を鋭く描く作家。The Shipping Newsで1994年ピューリッツァー賞を受賞し、風土と人物の結びつきを独特の言語感覚で表現する作風が評価されている。
ベトナム戦争後のルイジアナを舞台に、移民たちの記憶と日常を複数の語り手が映し出す短編集。
異国で生きる人々の声が、戦争の余韻を静かに伝える。
短編を中心に活躍する作家で、移民や戦争の記憶を題材にした作品群で知られる。A Good Scent from a Strange Mountainで1993年にピューリッツァー賞(短編小説部門)を受賞した。
アイオワの広大な農地を舞台に、父と三姉妹の関係が隠されていた暴力とともに崩れていく。
豊かな土地の下に、家族の沈黙と傷が埋もれている。
アメリカの作家で、農村や家族を扱った社会派の長編で知られる。シェイクスピアの『リア王』のモチーフを現代に置き換えたA Thousand Acresで1992年ピューリッツァー賞を受賞した。
年老いたラビット・アングストロームが、家族、体の衰え、人生の終盤に向き合う。
栄光の終わりと、老いの現実が静かに迫る。
20世紀アメリカ文学を代表する作家の一人。『Rabbit』シリーズなどで中産階級の生活や個人の心理を鋭く描き続け、Rabbit at Restで1991年にピューリッツァー賞を受賞した。
1950年代ニューヨークで、キューバ移民の兄弟が音楽と成功、喪失の記憶を追いかける。
サルサの熱気の裏で、兄弟の夢と後悔が交錯する。
キューバ系アメリカ人の作家。移民の経験や都市文化、音楽と結びついた人間ドラマを描き、情熱的かつ抒情的な作風で知られる。The Mambo Kings Play Songs of Loveで1990年ピューリッツァー賞を受賞。
バルティモアの平凡な結婚生活を送る夫婦が、葬儀への小さな旅を通して互いの不器用さと愛情を見つめ直す。
何気ない一日が、長年の結婚の輪郭を少しずつ照らし出す。
アメリカの小説家。海や漁業を題材にした地域密着型の物語を得意とし、労働と生活の現実を力強く描写する作風で知られる。『Spartina』でピューリッツァー賞を受賞した。
逃亡奴隷セテの家に取り憑く亡霊を軸に、奴隷制が残した暴力と母性の極限を描く。
自由の後にも消えない過去が、家族を静かに引き裂く。
アメリカの著名な小説家。黒人の歴史・経験を文学的に探求する作品で知られ、1987年刊行のBelovedで1988年ピューリッツァー賞を受賞。後にノーベル文学賞も受賞した国際的評価の高い作家。
家族の確執に引き寄せられてメンフィスへ戻る男が、父と姉妹、旧南部の記憶を振り返る回想録的な長編。
家族の傷と和解の難しさが、帰郷のたびに静かに浮かび上がる。
アメリカの短編および長編作家。細やかな人物描写と郷土性に富んだ作風で知られる。家族や記憶、地域社会を主題にした作品群が評価され、A Summons to Memphisでピューリッツァー賞を受賞した。
アラバマの架空の町を舞台に、人種と家族の秘密を描く長編小説。
家族の歴史に隠された事実が、共同体の怒りを呼び起こす。
アメリカ南部を題材に、人種や家族、女性の視点を繊細に描く作家。社会的テーマを通じて人間関係の複雑さを描写する作品で評価された。
日常的な父子関係と古典神話のモチーフを重層させる実験的長編。英雄譚と現代生活を対比させ、個人の内面と理想の断絶を神話的比喩で描き出す。
アメリカの多作な作家。日常の細やかな心理描写と宗教や道徳の問題への洞察で知られ、寓意的・神話的手法を用いる作品も多い。代表作の一つでピューリッツァー賞を受賞。
ルシアス少年、ブーン、ネッドの小さな冒険を通じて、南部の空気と成長の手触りを描くピカレスク長編。軽快さの裏に、責任や道徳の輪郭が静かに浮かぶ。
少年の冒険譚が、南部の記憶と成長の物語に変わる。
20世紀アメリカ南部文学を代表する作家。実験的な文体と深い社会的洞察で知られ、『響きと怒り』など多くの代表作を持つ。晩年の長編でピューリッツァー賞を受賞した。
都市政治や人間関係の複雑な側面を描いた長編。登場人物の内面葛藤と倫理的選択を通して、時代の空気と個人の苦悩を浮き彫りにする作品。,
アメリカの作家・ジャーナリスト。市政や人間ドラマをテーマにした作品で知られる。本年は政治や個人の苦悩を描く長編で評価を受けた。
1930年代のアラバマを舞台に、偏見にさらされた黒人男性の弁護に立つ父アティカスの姿と、娘スカウトの成長を重ねて描く。子どもの視点の親密さのなかで、不正義と勇気、共感の意味が深く浮かび上がる。
無垢な視線が、町の偏見と暴力を少しずつ見抜いていく。
アメリカの小説家。処女作『To Kill a Mockingbird(アラバマ物語)』で人種差別と正義を描き、1961年にピューリッツァー賞を受賞した。作品は教育や市民権の議論でも広く読まれている。
合衆国上院の承認手続きを軸に、国務長官候補の指名をめぐって政治と個人の利害がぶつかり合う長編小説。権力闘争、倫理、世論操作が、ワシントン政治の細部とともに立体的に展開する。
手続きの一つひとつが、やがて国家を揺るがす危機に変わっていく。
政治を題材にした作品で知られるアメリカの作家。ワシントンを舞台にした政治サスペンスで高い評価を受けた。
西部開拓時代を舞台に、若い主人公ジェイミーと周囲の人物たちが織りなす旅と成長を描く長編。時代の厳しさと冒険、ユーモアを織り交ぜ、成長物語としての側面を強く打ち出す。
アメリカの作家。歴史的背景を取り入れた物語や冒険譚を手がけ、広い読者層に支持された。本年は西部を舞台にした長編でピューリッツァー賞を受賞した。
1910年代のテネシー州を舞台に、父の突然の死が家族、とりわけ若い主人公の精神に与える影響を繊細に描く自伝的長編。喪失と成長、家族の絆が主題で、郷愁と悲嘆が作品全体を貫く。
アメリカの作家・批評家。自伝的要素を持つ長編『A Death in the Family』が死後に出版され、1958年のピューリッツァー賞(フィクション)を受賞。人間の感情に対する繊細な描写で知られる。
米国の歴史上、職業的安定や社会的圧力に逆らって良心的な判断を行った政治家たちの事例を取り上げる評伝集。各章で個別の判断の文脈と影響を検証し、政治的勇気と公共的責任の意義を論じる。
アメリカの政治家。上院議員を経て第35代大統領となる。1957年には伝記的著作『Profiles in Courage』でピューリッツァー賞(伝記部門)を受賞し、政治とリーダーシップをめぐる論考で知られる。
第二次世界大戦下のイタリア占領地で、米軍の行政官が住民の信頼を取り戻そうとする物語。実務と共感の両面から、戦争のなかで市民性と尊厳をどう守るかを描く。
軍政と住民生活のあいだで、信頼を築こうとする人間を描く戦時小説。
アメリカの作家・ジャーナリスト。ルポルタージュ的な筆致と人間描写に定評があり、戦時下や戦後の倫理を扱った作品で知られる。1945年に『A Bell for Adano』でピューリッツァー賞(小説)を受賞した。
『Lanny Budd』シリーズの一篇で、1920年代末から1930年代前半のドイツを背景に、ナチス台頭の不穏な空気を追う長篇。個人の視線を通して、歴史の転換点がじわじわ迫る感覚を描く。
ナチスの台頭を、私的な視線からたどる大河小説。
アメリカの作家・社会運動家。社会批評的な著作で知られ、『The Jungle』などで社会改革に影響を与えた。1943年に『Dragon's Teeth』でピューリッツァー賞(小説)を受賞した。
南部の有力家族を舞台に、倫理、偏見、復讐、責任が絡み合う小説。個人の感情と地域社会の規範がぶつかり合うことで、家族の内部に潜む緊張が露わになる。
家族の内部で抑え込まれてきた葛藤が、やがて社会全体の歪みとして表面化する。
アメリカ南部を題材に写実的な社会小説を多数執筆した作家。地域社会の道徳や伝統を鋭く観察する作風で知られ、1942年に『In This Our Life』でピューリッツァー賞(小説)を受賞した。
大恐慌と砂嵐で故郷を追われたジョード一家が、カリフォルニアを目指して旅を続ける長編。飢えや差別、希望と連帯のあいだで、人間が持ちうる尊厳を見つめる。
家を失っても、なお失われないものがある。
アメリカの代表的社会派小説家。大衆的な文体で社会問題を描き、『怒りの葡萄』で貧困と労働者の連帯を力強く描写し、1940年にピューリッツァー賞(小説)を受賞した。
フロリダの豊かな自然を背景に、少年ジョディーと子鹿フラッグの友情と別れ、成長していく心を描く。狩りや農作業、家族の暮らしのなかで、少年が生きることの厳しさを学んでいく。
自然のなかで育った少年が、愛するものを手放す痛みを知る。
フロリダの自然や田園生活を繊細に描いたアメリカの小説家。地方色豊かな筆致で知られ、1939年に『The Yearling』でピューリッツァー賞(小説)を受賞した。
架空のボストン紳士ジョージ・エイプリーの生涯を通じて、米国伝統的上流社会の習俗や価値観を風刺的に描く回想風長編。保守的な市民性や社会的体裁をユーモラスかつ批評的に浮き彫りにする。
一人の紳士の生涯をたどりながら、上流社会の作法と体裁を静かに皮肉る。
アメリカの小説家。社会観察と皮肉を込めた文体で知られ、都市中産階級の価値観を風刺的に描く作品が多い。1938年に『The Late George Apley』でピューリッツァー賞(小説)を受賞した。
南北戦争から再建期にかけて、ジョージアの若き女性スカーレット・オハラの恋愛と生存の物語を描く大河小説。戦争・経済崩壊・階級変動の中での誇りや復興の葛藤、人間関係の複雑さを壮大な筆致で描写する。
激動の時代のなかで、愛と野心と生き抜く力がひとりの女性を形づくる。
アメリカの小説家。代表作『風と共に去りぬ』で知られる。南北戦争とその後の南部社会を背景にした大河的叙述で高い評価を受け、1937年にピューリッツァー賞(小説)を受賞した。
オレゴン州の開拓時代を舞台に、若者の冒険と成熟、土地と自然との関係を描く長編。開拓者たちの暮らしぶりや時代の荒々しさを豊かな風土描写で活写し、自由と帰属のテーマを通して成長譚を展開する。
開拓の荒々しさのなかで、土地と人の結びつきが成長のかたちを決めていく。
アメリカの小説家。西部開拓を題材にした作品で知られ、自然と人間の関係を描いた叙事的作品を残した。
19世紀後半から20世紀初頭のジョージア農村を丹念に描写した地域小説。労働、信仰、慣習に根ざした日常が世代を越えて継承される様子を細やかに描き、農村文化の現実と人々の強さや弱さを豊かに表現する。
土地に根づいた暮らしのなかで、世代をまたぐ強さと脆さが静かに積み重なる。
アメリカの作家。地域色豊かな農村描写で知られ、日常と伝統を織り込んだ作品を残した。
南部アラバマの町を舞台に、旧南部の没落と新興商人階級の台頭を描く社会小説。家族の栄誉や伝統が経済的利害や近代化の圧力によって揺らぐ様子を描写し、文化的葛藤と道徳的選択を通して地域社会の変容を問う。
地域社会の変化が、家族の誇りや商いの論理とぶつかり合う。
アメリカの小説家。南部社会を背景に地域の変容や人物の葛藤を描いた作品で評価される。
中国の農民王龍とその家族の繁栄と衰退を描く長編。土地への執着、家族の絆、飢饉や社会変動が人物の運命を左右する様子を通して、農民生活の厳しさと尊厳を克明に描写する普遍的な人間ドラマ。
土地と家族の結びつきが、貧しさと繁栄のあいだで揺れる人間の行方を浮かび上がらせる。
アメリカの小説家。中国を舞台にした作品で国際的に知られ、特に『The Good Earth』でピューリッツァー賞を受賞、のちにノーベル文学賞も受賞した。
20世紀初頭から中盤にかけての上流階級の女性の人生を追い、結婚、友情、信仰と社会的期待の変遷を繊細に描く作品。個人の成長と時代の価値観の移り変わりを通して、女性の自己実現と社会的制約の緊張を描出する。
一人の女性の生涯を通して、時代とともに揺れる生き方を静かに見つめる。
アメリカの作家。家庭小説や社会関係を描く作品で知られ、女性の生涯や時代変化を主題にした物語で評価された。
ナバホの若者ラフィング・ボーイと、アメリカ教育を受けたスリム・ガールの恋愛を通して、伝統と近代化の衝突を描く長編。先住民文化へのまなざしと、変わりゆく時代の痛みが同時に立ち上がる。
伝統と変化のあいだで、愛は試され、文化は揺れる。
アメリカの作家・人類学者。先住民文化の描写を得意とし、ネイティブ・アメリカンの日常と葛藤をテーマにした作品で知られる。1930年に『Laughing Boy』でピューリッツァー賞を受賞。
サウスカロライナのガラ人コミュニティを舞台に、女性の欲望、信仰、共同体の規範がせめぎ合う長編。主人公メアリーが自分の生を選び取ろうとする過程を通して、南部社会の複雑な緊張が描かれる。
共同体の規範に抗いながら、一人の女性の生が輪郭を持つ。
アメリカの作家。南部のアフリカ系コミュニティや民俗を題材にした作品で知られ、地域文化の繊細な描写が特徴。1929年に『Scarlet Sister Mary』でピューリッツァー賞を受賞した。
ペルーの橋の崩落で命を落とした五人の人生をたどりながら、偶然と運命、愛と喪失、死の意味を問い直す長編。小さな災厄から、人間のつながりの普遍性を引き出す哲学的な物語である。
一つの崩落事故が、生の意味そのものを照らし出す。
アメリカの劇作家・小説家。戯曲『Our Town』などで知られ、哲学的・人間的な主題を扱った作品群で高く評価された。1928年に『The Bridge of San Luis Rey』でピューリッツァー賞を受賞。
ニューイングランドの家族史を背景に、伝統、独立、継承の重みを描く長編。穏やかな筆致の下で、古い価値観に縛られた生活と、そこから抜け出そうとする意志が対比される。
静かな家族劇の奥で、受け継がれた価値観が少しずつ揺らぐ。
アメリカの小説家・農業思想家。マラバーファームの経営など農業・環境にも関心を持ち、地域社会や人間関係を題材とした作品を残した。1927年に『Early Autumn』でピューリッツァー賞を受賞。
理想主義の医師マーティン・アロースミスが、研究、臨床、商業主義のはざまで苦闘する長編。科学への信頼と現実の妥協がぶつかり、医療の倫理と責任が問い直される。
科学への信頼は、現実の前でどこまで保てるのか。
アメリカの小説家。社会風刺と人物描写に長け、1926年に『Arrowsmith』でピューリッツァー賞(小説)を受賞した作家。
農場で働きながら家族を支えるセリナ・ピーク・デジョンの生涯を通して、労働、貧困、野心、母性を描く長編。女性のしぶとい自立と、アメリカン・ドリームの現実的な重さが中心にある。
富よりも、誇りを持って働くことを選ぶ女性の物語。
アメリカの小説家・劇作家。女性の自立や社会的野心を描く作品で知られ、1925年に『So Big』でピューリッツァー賞を受賞した。
アイオワのスコットランド移民一家を舞台に、共同体の規範、暴力、赦しをめぐる緊張を描く長編。家庭と信仰の圧力の中で、登場人物たちが尊厳と再生を模索する。
共同体の厳しさの中で、赦しの意味が問い直される。
アメリカの作家。移民や共同体を題材とした作品で知られ、『The Able McLaughlins』でピューリッツァー賞(小説)を受賞した。
ネブラスカの青年クロード・ウィーラーが、農場、学業、結婚、そして第一次世界大戦を通じて居場所を探す物語。戦争体験と自己発見を結びつけながら、理想と喪失のあいだで揺れる若者の姿を描く。
戦場に向かうことで、彼はようやく自分の行き先を見いだす。
アメリカの小説家。開拓地や中西部を舞台にした作品で知られ、戦争と個の問題を扱った作品でピューリッツァー賞を受賞した。
中西部の中流家庭に生きる若い女性が、社交界への憧れと現実のあいだで揺れる姿を描く長編。階級意識や見栄、自己演出の脆さを、細やかな観察と皮肉を交えて浮かび上がらせる。
上流社会への憧れが、日常の細部の中で試されていく。
中西部の社会を題材にした作品で知られるアメリカの小説家。『Alice Adams』で再びピューリッツァー賞を受賞した。
1870年代のニューヨーク上流社会を舞台に、婚約中のニューランド・アーチャーが、規範を乱す帰国者エレン・オレンスカとの再会によって、欲望と義務のはざまで揺れる。礼法と沈黙に貫かれた社交界のなかで、愛と自己抑制の代償を描く長編。
旧ニューヨークの華やかな礼法の奥で、ひとつの再会が人生の選択を揺さぶる。
アメリカの小説家。上流社会の細やかな心理描写と社会批評に定評があり、『The Age of Innocence』でピューリッツァー賞を受賞した。
インディアナの名家アンバーソン家が、都市化と自動車時代の到来のなかで静かに没落していく過程を描く長編。家の威信が、産業と資本の力によって少しずつ押し流されていく様子を、家族の感情と街の変化の両方から追う。
名家の繁栄が、街の変貌とともに崩れていく。
アメリカの小説家。中西部社会や家族の物語に優れた筆致を持ち、複数回ピューリッツァー賞を受賞した。
1910年代のニューヨークを舞台に、未亡人の父ロジャー・ゲイルと三人の娘を通して、家族の結びつきと社会の変化が少しずつずれていく様子を描く長編。都市の近代化、世代間の価値観の違い、慈善と個人主義の緊張が、静かな家庭劇として立ち上がる。
家族の静かな亀裂の向こうで、時代はもう戻れない速さで変わっていく。
アメリカの作家・ジャーナリスト。都市生活や社会変動を題材にした小説で知られ、1918年に小説部門でピューリッツァー賞を受賞した。
結婚制度の利点と矛盾を、別々の価値観を持つ人物たちの応酬で浮かび上がらせる三幕劇。会話の機知を通して、愛情、自由、体面がぶつかる当時の社会意識を鋭く風刺する。
結婚は幸福の約束なのか、それとも慣習の罠なのか。
アメリカの劇作家・作家。軽妙な会話劇や社会風刺で知られ、戯曲『Why Marry?』でピューリッツァー賞(ドラマ)を受賞した。