世界・海外・国外の文学賞

← ホームに戻る

クヌート・ハムスン

クヌート・ハムスン

Knut Hamsun

別名: Knud Pedersen / Knud Pedersen Hamsund
ペンネーム: Knud Pedersen Hamsund初期の著作で使用した筆名

プロフィール

性別
男性
生誕
1859-08-04 (ノルウェー、ロム(グッドブランズダーレン))
死没
1952-02-19 (ノルホルム(ニョールホルム)、グリムスタッド、ノルウェー) 92歳
国籍
ノルウェー
言語
ノルウェー語
宗教
プロテスタント(ルーテル)/汎神論的傾向
居住地歴
ロム(生誕地) → ハムスンド(ハマロイ) → ラルヴィク → ノルホルム(ニョールホルム)、グリムスタッド → アメリカ合衆国(長期滞在・労働)

経歴

職業
作家, 詩人, 社会批評家
活動期間
1877年〜1949年
影響を受けた人物
フョードル・ドストエフスキー, フリードリヒ・ニーチェ(影響的思想), ビョルンスティエルネ・ビョルンソン(初期の文学的影響)
影響を与えた人物
トーマス・マン, フランツ・カフカ, アイザック・バシェヴィス・シンガー, チャールズ・ブコウスキー, アーネスト・ヘミングウェイ, ヘンリー・ミラー

受賞歴

ノーベル文学賞
1920
対象作品: 『大地の成長』(Markens Grøde)
主催: スウェーデン・アカデミー
結果: 受賞

受賞・候補エディション

  1. 受賞作: 『大地の成長(Growth of the Soil / Markens Grøde)』

    ノルウェーの未開地に家を築いたイサクの営みを軸に、土地を耕し、家族を育てながら生きる人間の姿を静かに描く長編。自然と人間の結びつきを、厳しくも温かな視線でたどる。

    人と土地が互いを育てる、静かで厳かな開拓の物語。

    352ページ
    自然と人間の関係開拓農耕家族北欧文学

作品

代表作

『飢え』

1890年 小説(心理小説) 176ページ

貧困と飢えによってほとんど狂気に陥る若い作家の視点から語られる半自伝的長編。内的独白と意識の流れを用いた先駆的な作品。

飢え孤独都市と貧困心理描写
映像化・舞台化
  • [映画] 『飢え』(1966) / Henning Carlsen (1966)
翻訳
  • 『飢え』 - 英訳タイトル: Hunger

『大地の成長』

1917年 小説(農村叙事詩) 320ページ

ノルウェーの田舎で土を耕し生きる人々を描いた叙事的作品。自然との融合や農耕生活の尊厳を称え、1920年のノーベル文学賞受賞理由とされた。

自然農耕土地と共同体原初性
翻訳
  • 『大地の成長』 - 英訳タイトル: Growth of the Soil

『パン』

1894年 小説(自然主義的・心理小説) 206ページ

ノルウェー北部の自然を舞台に、孤高の狩人と都会から来た女性との関係を描く。自然描写と登場人物の内面描写が特徴。

自然と官能孤独愛と破滅
映像化・舞台化
  • [映画] 『パン』(複数の映画化が存在) (1995)
翻訳
  • 『パン』 - 英訳タイトル: Pan

『謎めいた人々』

1892年 小説(謎・心理劇) 224ページ

よそ者が小さな町に現れて住民たちの生活に波紋を広げる物語。人物の不可解さと心理的駆け引きが中心。

よそ者社会との摩擦アイデンティティ
翻訳
  • 『謎めいた人々』 - 英訳タイトル: Mysteries

『ヴィクトリア』

1898年 小説(恋愛小説) 160ページ

身分差による叶わぬ愛を描いた短めの恋愛小説。詩的な語りと繊細な心理描写が特徴。

階級差失われた愛郷愁
翻訳
  • 『ヴィクトリア』 - 英訳タイトル: Victoria

全著作

  • 『デン・ギャーデフルデ』(1877)
  • 『飢え』(1890)
  • 『謎めいた人々』(1892)
  • 『パン』(1894)
  • 『大地の成長』(1917)
  • 『増えた茂み(追伸)/Paa gjengrodde Stier』(1949)

翻案

  • 『飢え』映画化(1966)
  • 伝記映画『ハムスン』(1996、ヤン・トレル監督、マックス・フォン・シドー主演)
  • 『パン』を含む複数の映画化(1922–1995)

作品の翻訳

  • 『飢え』英訳: Hunger
  • 『大地の成長』英訳: Growth of the Soil
  • 『パン』英訳: Pan

作風・主題

文体
内的独白(インテリア・モノローグ)意識の流れ(ストリーム・オブ・コンシャスネス)の先駆的使用叙情的で断片的な語り自然描写に富む詩的な散文
頻出モチーフ
彷徨う者(遊行者)自然と土地孤独と内面世界飢え・貧困

健康

  • 高齢による精神・認知機能の低下と診断の指摘
    1945-1948
    戦後の司法手続きにおいて精神鑑定が行われ、有罪確定を免れ民事上の巨額の賠償を課される原因の一つとなった。

評価・遺産

20世紀文学に大きな影響を与えた先駆的作家である一方、第二次世界大戦中のナチス支持や人種差別的発言により評価が分裂する複雑な遺産を残している。代表作は今も世界中で読まれ続け、数多く映画化や研究の対象となっている。

記念館・博物館

  • クヌート・ハムスン・センター ハマロイ(Hamarøy) 2009年開館
  • ノルホルム(ハムスンの旧宅) グリムスタッド
  • ハムスンド農場(Hamsund gård) ハマロイ
  • ハムスンストゥーグ(Hamsunstugu) ガルモ(ロム)

資料所蔵先

  • ノルウェー国立図書館(ハムスン文献コレクション)
  • 個人書簡コレクション(Harald Næss 等の編纂による資料)

大衆文化への影響

  • 多数の映画・テレビ化(1916年以降、主要作品が複数回映画化)
  • 1996年の伝記映画『ハムスン』でマックス・フォン・シドーがハムスンを演じた
  • ノーベル賞メダルの行方に関する議論(1943年にヨーゼフ・ゲッベルスに贈呈された件)

引用

  • ドイツ人は我々のために戦っており、今やイングランドの専制を我々から打ち砕いている。
    出典: 新聞記事(1940年) (1940年)
  • 神を誰も知らない。人はただ神々を知るにすぎない。
    出典: 著作・演説(出典は諸説あり) (1910年)

豆知識

  • 1943年にノーベル賞のメダルをナチスの宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルスに贈ったが、その行方は不明になっている。
  • 戦後、対ナチス支持により非難を受け、公衆の前で書籍が焼かれることもあった。
  • 遺灰はノルホルムの自宅の庭に埋葬されている。
  • 代表作『飢え』『大地の成長』『パン』などは20世紀文学に大きな影響を与えた。