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ヴァイノ・リンナ

ヴァイノ・リンナ

Vaino Linna

プロフィール

性別
男性
生誕
1920-12-20 (ウルヤラ(ウルヤラ))
死没
1992-04-21 (タンペレ(タンペレ)) 71歳
国籍
フィンランド
言語
フィンランド語
居住地歴
ウルヤラ(出身) → タンペレ(労働・後年の居住地) → ハメーンキュロ(農業を営んだ時期)

経歴

職業
作家, 小説家, 元兵士
活動期間
1947年〜1992年
影響を受けた人物
アルトゥル・ショーペンハウアー, フョードル・ドストエフスキー, フリードリヒ・ニーチェ, エーリッヒ・マリア・レマルク
影響を与えた人物
フィンランドの社会的リアリズムの作家たち, 戦争文学・国民的記憶に影響を与えた作家群

学歴

公立小中等学校(6年)
期間: 1930年代(約6年間の基礎教育)
国: フィンランド
正式な高等教育を受けていない。子供時代に6年間の公教育を修了。

受賞歴

ノルディック評議会文学賞(第3部)
1963
対象作品: 『北の星の下で』第3部(和解)
主催: ノルディック評議会
結果: winner
名誉アカデミシャン(称号)
1980
主催: フィンランド政府(称号付与)
結果: honorary title

受賞・候補エディション

  1. 受賞作: 北の星の下 第3部:和解 (Täällä Pohjantähden alla 3)

    三部作の完結編である本作は、農村共同体の世代交代と労働運動、内戦の影響を通して家族と国民の歴史を描く。復讐と和解、社会構造の変容を克明に描写し、フィンランド近代史の人間的側面を浮かび上がらせる。

    農村社会歴史労働運動家族

作品

代表作

『無名兵』 (Tuntematon sotilas)

1954年 戦争小説、社会的リアリズム

第二次世界大戦(継続戦争)の兵士たちの日常と戦闘を、庶民的な視点で描いた長編。個々の兵士の多様な人格と現実的な戦争体験を通じて、英雄主義と日常の葛藤を示す。

戦争とその日常同僚間の絆英雄像の再検討
映像化・舞台化
  • [映画] 『無名兵』(1955年版) / Edvin Laine (1955)
  • [映画] 『無名兵』(1985年版) / Rauni Mollberg (1985)
  • [映画] 『無名兵』(2017年版) / Aku Louhimies (2017)
翻訳
  • 英語訳: The Unknown Soldier

『北の星の下で』(三部作)

1959年 歴史小説、社会小説

19世紀末から20世紀中葉にかけてのフィンランド地方社会を背景に、農民や労働者の生活、土地と権力をめぐる対立を描いた三部作。社会変動と個人の運命が交錯する。

階級闘争土地と労働社会変動とアイデンティティ
映像化・舞台化
  • [映画] 『ここ、北の星の下で』(1968年) / Edvin Laine (1968)
翻訳
  • 英語訳: Under the North Star(Richard Impolaによる英訳)

『Oheisia』

1967年 短編/随筆集

複数の短編および随筆を含む作品集。

日常の観察社会的視点

『変化』 (Murroksia)

1990年 短編集/作品集

晩年に発表された短編や断章を含む作品集。

老い回想

『戦争小説』(無修正版)

2000年 戦争文学(再刊/校訂版)

1954年刊『無名兵』の検閲を受けていない原稿に基づく無修正版の刊行。

戦争の生々しさ検閲と記憶

全著作

  • 1947: Päämäärä
  • 1948: Musta rakkaus
  • 1949–53: Messias(未完)
  • 1954: Tuntematon sotilas(無名兵 / The Unknown Soldier)
  • 1959–63: Täällä Pohjantähden alla I–III(三部作)
  • 1967: Oheisia
  • 1990: Murroksia
  • 2000: Sotaromaani(無修正版)

翻案

  • 『無名兵』の映画化(1955, 1985, 2017)
  • 『北の星の下で』の映画化(1968)

作品の翻訳

  • 『北の星の下で』英訳(Richard Impola訳)
  • 『無名兵』英訳: The Unknown Soldier

作風・主題

文体
社会的リアリズム庶民的で口語的な文体詳細な人物描写
頻出モチーフ
戦争とその日常性階級と土地を巡る争い村落から都市への移動と近代化

健康

  • 脳卒中(脳梗塞)
    1984年以降
    発話能力の喪失など、晩年の健康と創作活動に重大な影響を与えた
  • がん(癌)
    晩年(診断年不詳)
    体力を消耗し、最終的に1992年の死因の一因となった

評価・遺産

ヴァイノ・リンナはフィンランド現代文学に大きな影響を与えた作家であり、戦争の現実を庶民的視点で描いた『無名兵』や、社会変動を描いた『北の星の下で』三部作は国民的な古典とされる。多くの引用が国民的な語句となり、紙幣にも肖像が使用された。

関連学会

  • フィンランド文学協会(Suomalaisen Kirjallisuuden Seura)

大衆文化への影響

  • 『北の星の下で』の冒頭句や『無名兵』の登場人物の台詞がフィンランドの国民的な名言になっている
  • 1993年以降の20マルッカ紙幣に肖像が採用された(ユーロ導入まで使用)
  • 作品は何度も映画化され、学校教育や国民的記憶に深く結びついている

引用

  • 最初は沼地と鍬、そしてユッシがいた。
    出典: 『北の星の下で』第1部 (1959年)
  • どこで本当に頼りになる男が必要かね、ここにいるぞ!
    出典: 『無名兵』のロッカの台詞 (1954年)

豆知識

  • 『無名兵』は刊行から6か月で約175,000部を売り上げ、当時のフィンランドではベストセラーとなった。
  • 戦時中に書き留めたノートを出版できず焼却したが、それらの経験が後に作品の基礎となった。
  • 学歴は公教育6年間のみで、工場労働から作家となった経歴を持つ。
  • 1995年にタンペレに「ヴァイノ・リンナ広場」が命名された。