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ふくろ小路一番地 (岩波少年文庫 159)

カーネギー・メダル(児童文学賞)

ふくろ小路一番地 (岩波少年文庫 159)

イヴ・ガーネット

労働者階級のラッグルス一家の日常を、温かさとユーモアを交えて描く児童小説。大家族のにぎやかさの中に、社会階級と暮らしの現実がにじむ。

家族労働者階級児童文学日常

作品情報

にぎやかな一家の日常が、そのまま物語の力になる。

労働者階級のラッグルス一家の日常を、温かさとユーモアを交えて描く児童小説。大家族のにぎやかさの中に、社会階級と暮らしの現実がにじむ。

書籍情報

出版社
岩波書店
発売日
2009-05-15
ページ数
336ページ
言語
日本語
サイズ
13.5 x 1.6 x 19.5 cm
ISBN-13
9784001141597
ISBN-10
4001141590
価格
968 JPY
カテゴリ
本/絵本・児童書/読み物

Amazon.co.jp: ふくろ小路一番地 (岩波少年文庫 159) : イーヴ・ガーネット, イーヴ・ガーネット, Eve Garnett, 石井 桃子: 本

レビュー

  • まっとうな暮らしへのリスペクト

    ロンドンの下町に暮らす一家の物語。ゴミ回収業の夫、洗濯屋の妻、そして7人の子ども達。貧しいけれど、午後のお茶は欠かさない。貧乏だけれど毎日をまっとうに暮らす一家に対する、作者のリスペクトが感じられます。作者自身による挿絵も、素晴らしい。

  • 最終列車は十五番線

    オトウェルという町にラッグルスという一家が暮らしています。 とうちゃんはごみ収集の仕事をし、かあちゃんは洗濯屋です。 二人には子供が七人います。 長女リリー・ローズ。大柄であり、駅で大人と間違えられます。 次女ケート。今度中学に進学し、農業に燃えています。 双子のジェームズとジョン。冒険好きでこっそり遠出をしてしまいます。 三男ジョー。映画が大好きです。そしてこっそりと……。 三女マーガレット・ローズ(ペグ)。公園の花を摘んでしまいます。 そして末っ子のウィリアム。なかなか歯が生えません。 各人非常に個性的であり、各方面で事件を起こします。 そして一家はとうちゃんの念願であったロンドンでの 聖霊降臨祭に行くことになります。 荷馬車大会が行われているとき、また奥様同士が話し込んでいる時、 公園では……。 難問を前にしても持ち前の機転の良さと意地で解決してしまうのは 頼もしくまた気持ちがいいです。

  • 挿し絵はカワイイ!

    主人公の夫婦の口の悪さで教養のない感じが残念です。もう少し訳の文章が柔らかい方が内容にも挿し絵にも合っていたのに~。江戸っ子みたい…

  • 素朴で懐かしい世界

    1937年にイギリスで出版された児童文学の古典の一つです。 著作はイーヴ・ガーネットという女性で挿絵も彼女が描いています。 少し昔のイギリスの田舎町の貧しいけれど幸福な家族のお話です。 お話はすごく楽しくて、挿絵もかわいらしくとても素敵です。 両頁またいだ子ども服を干した絵と、赤ん坊を囲んでいる兄弟の絵、 それから小さすぎる服を無理に着せられている絵が特に印象的でした。 石井桃子さんの翻訳も素晴らしいです。ジョーの話し方が舌足らずな感じなど。 ラッグルス家はとうちゃんがごみさらい屋、かあちゃんが洗濯屋をしています。 子どもは7人います。下の子がまだ赤ちゃんで、一番上の子が12歳です。 この大家族がいろいろ面白い騒動を起こします。 とうちゃんは茶目っ気のある人で、その分かあちゃんがしっかり者みたいです。 ケートがまだ小学生なのに農場経営を夢見ているとか少し変わっていて面白いです。 物語の舞台のオトウェルは架空の町ですが、モデルにした実在の町があります。 サセックス州のルーズという町で、近くをウーズ川が流れています。河口付近に ニューヘブンがあり、その近くに観光地のブライトンがあります。それぞれ サルトヘブンとブライトウェルとして出てきます。 古き良き時代のように思えますが、この作品の発表される前年の1936年から、 スペイン内戦が起こっています。これは第二次世界大戦の前哨戦といわれています。 この2年後の1939年には第二次世界大戦が始まり1945年まで続きます。 1937年は世の中はファシズムの台頭で段々と不穏な情勢となる時期でもあります。 この本はそんな世相の暗さを感じさせない明るさで満ちあふれています。 著者は庶民の平凡な日常を描くことで、平和の素晴らしさを訴えたかったのかも しれないと感じました。

  • ときどき読み直す。

    ロンドンの訛りの強い下町に住む家族の日々を書いた本。 実際の生活ぶりとはかけ離れているのかもしれない。でも生き生きとしていて 楽しい。何度も読み直している。

  • 子供の頃を思い出します♬

    鬱を患って、母が元気だった頃に買う。 幼稚園や小学生の頃、遊びに行った他家には子供たちが沢山いらっしゃったことを思い出す。子供の頃は、お互いに名前を知らなくても自然に遊び友達になってしまう。 著者は「アプトン・シンクレアは、すべての芸術はプロパガンダだといったが、自分はこれに同意するかどうか決められずにいる。プロパガンダがすべて芸術とはとはいえないことははっきりしているが」といい、「『ふくろ小路一番地』がどんな作品なのか、どんな意味をもっているのかは読者が決めることだけれども、重ねていわせてもらえるなら『貧しい人々』がいつもわたしたちのそばに、わたしたちと共にいることを忘れないで欲しい」と述べている。 聖書に「あなたの隣人をあなた自身のように愛しなさい」と書いてある。なかなか実行するのは難しい。しかし、グローバル化する社会の中で「共に生きる」ことは大切だと思う。

  • 隠れた名作!

    小学生の頃に読んだ筈。でも内容はすっかり忘れてました。 大人になってから、期待せずになんとなく手に取ってみたら、 意外や意外、傑作じゃないですか! 読後、内容を反芻して幸せになってしまうほど、良かったです。 ストーリーは、本当に、なんてことない。 イギリスの庶民・ラッグルス一家の実に平凡な日常生活を描いてるだけ。 しかし、一家にとっては、平凡なエピソードも、みんな大事件なんですね〜。 この本、文章に無駄がなく、セリフ回しが絶妙(一人ひとりの性格が実に良く出ている)、 文章のさりげないユーモアも可笑しくってしょうがない。 話がテンポよく展開し、先が見えずにわくわく読み進むうちに、 読者もいつのまにか、一家に寄り添い、 生活の小さな喜び、誰かのちょっとした温かさを、一緒に噛み締めてしまうのであります。 作者自身の手になる挿絵もいいです。 自分は庶民じゃなかったのに、これほど存在感のある庶民を書けるとは。 作者ガーネットは、きっと、すごく知的な人だったんだろうな。 私も、子どもの頃は、こんな風に、いろんなことにドキドキしてた筈。 すれた大人になった今、小難しいことを考えてはみるものの、日常は退屈で、 すっかり、ため息ばかりついている「小説家のショート氏」みたいになっちゃった。 なんでだろ・・・。 平凡な日常の喜びを思い出させてくれた作者と、 こんな地味な、隠れた名作を日本に紹介してくれた故石井桃子氏と岩波書店に感謝。 「少年文庫」ですが、大人にこそおすすめの一冊です。

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