6度目の大絶滅
人類が引き起こす生物大量絶滅の危機を検証するノンフィクション。
作品情報
NHK 出版版『6度目の大絶滅』を確認し、英語版も刊行されている。
書籍情報
- 出版社
- NHK出版
- 発売日
- 2015-03-21
- ページ数
- 400ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.8 x 3.4 x 19.6 cm
- ISBN-13
- 9784140816707
- ISBN-10
- 4140816708
- 価格
- 2730 JPY
- カテゴリ
- 本/科学・テクノロジー/科学読み物
2050年には種の半分が消えてしまう! ? 地球上では、過去5度の大量絶滅が起きている。そして現在、毎年4万もの生物種が姿を消している。私たちは、6度目の大絶滅がひそかに進行する稀有な時代に生きているのだ。人類文明の繁栄を極めた矢先の生命の衰退―いま、世界各地で何が起きているのか。最前線の研究者たちの活躍を追う。『ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー』2014年度ベストブック10に入った話題作。福岡伸一氏推薦。
レビュー
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現在の地球は特異な自然環境ということ
過去に5度も大量絶滅があり、今6度目に突入しているという衝撃的な内容 確かに気候変動をみても、今は特別に温暖な住みやすい「特異な環境」であることを実感する
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問題は温暖化といった「変化」そのものではなく、「変化のスピード」にある
シンガポールの日曜日に読了した。 地球は過去5回程度にその時々の生物の大半が滅びるという「大絶滅」を経験してきているという。 原因は気候変動やチュクシュルーブクレーターを作った小惑星衝突等である。現在の生物はその 5回の危機を凌いできた子孫であるわけだが、そんなこの地球に6度目の大絶滅が現在襲い掛かって いるという主張が本書である。かつ、今回の危機を齎しているのは人類だという警告の書である。 僕は「地球の温暖化」の問題に若干なじめない部分があった。地球は過去にも気候変動はいくら でもあったわけであり、現在の温暖化もかような歴史の繰り返しではないかと思ってきたからだ。 本書は、そんな僕の暢気さに冷水を掛けてくれた事となった。 問題は温暖化といった「変化」そのものではなく、「変化のスピード」にあるということが僕が 本書で読み取った内容である。 従来の地球の「変化」もそれなりに大きなものが有ったと思うが、「変化のスピード」においては それなりの時間が掛かってきたと本書は言う。従い生き物は、変化に対応する時間が一定以上 有ったということだ。小惑星衝突は極めて一瞬の「変化」であったろうが、その後の生き物の 「対応」には相当の時間を掛けることが出来たと思う。 一方、人間が起こしている「変化」は非常に速い。二酸化炭素の大気への放出においても、 若しくは動植物の全世界への移動(これが外来種という観念を齎している)にしても、従来の 速度とは桁違いのスピードがある。その「速さ」こそが、「変化」への対応時間そのものを 生き物から奪っている様子だ。 僕らは「速さ」「早さ」という呪いをかけられているというような気がしてきた。勿論かような 呪いが、ここまでの人類の繁栄を齎した面はある。但し、坂の上の雲を目指して走っているうちに 気が付いたら下り坂になっているという事はないだろうか。そんな思い付きが冷水となって 僕の頭にかかった気がしないでもない。
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絶滅説明を凝縮した本
予備知識がない私でも読める本でした。 大体の章は、Aが起きたからBが絶滅(減少)したという件で、パターン化していまいち集中して読めない。 第5、7、8章は興味深い内容だった。
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おもしろかったー!
文科系の私でも、ちゃんとわかるように噛み砕いて説明してくれているのですごく読みやすかった。 最初はカエルが大量に死んでいる、というルポから始まるが、植物のこと、海の酸性化の問題など、あらゆる切り口で絶滅のことを説明してくれている。 特に、古生物学の始まりと言って良いマストドンの章では、かつては絶滅という概念がなかったのだと知った。絶滅ということを初めに提唱したフランス人学者のキュヴィエ、それから今ではあまりにも有名な隕石による白亜紀の大量絶滅にまつわるストーリーなどワクワクしながら読んだ。 また、大型哺乳類の絶滅は気候変動によると一般には言われているが、これも人類が滅ぼしたのではないか、さらに、ネアンデルタール人などの人類との近縁種の絶滅にも人類が深く関わっている(しかも交雑している!)、というくだりでは、人間の生来の罪深さを考えざるを得ず暗澹たる気持ちになった。
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いままさに起きている大量絶滅と、それと格闘する研究者たち
地球の生命史において、「ビッグファイブ」と呼ばれる大量絶滅があったことはよく知られている。オルドビス紀末の絶滅(約4億5000万年前)、デボン紀後期の絶滅(約3億7500万年前)、ペルム紀末の絶滅(約2億5000万年前)、三畳紀後期の絶滅(約2億年前)、そして白亜紀末の絶滅(約6500万年前)がそれである。これらの絶滅は、それぞれにおいて生物種の大半が消失したといわれる、とてつもなく大きな絶滅である。だがじつは、それらにも匹敵するような「6度目の大絶滅(the sixth extinction)」が、いままさに進行している。それを引き起こしている張本人は、そう、わたしたち人間である。 では、人間はどのようにして大量絶滅を引き起こしているのだろう。他種の生息環境の破壊、二酸化炭素排出による気候変動、といった答えがすぐさま頭に浮かぶ。しかしそれらのみならず、わたしたちは意外な仕方でも生物たちに大打撃を与えている。そのひとつの例が、本書第1章で語られる、「パナマの黄金のカエル」の事例である。いまから十数年前、パナマのエル・バジェ近辺で、かつてはそこら中にいたカエルたちが忽然と姿を消した。原因は、特定のツボカビ菌(カエルツボカビ)への感染と判明。ただし、そのツボカビ菌が自らの力だけでこの地にやって来たとは考えにくい。おそらくは、医療用か食用で別種のカエル(ツボカビ菌に耐性のあるカエル)が輸送されるのに伴って、それに付着していた菌がこの地にまで到達したのだろう。つまり、カエルたちの絶滅ないし顕著な減少は、現代のグローバル化(とくに容易な長距離移動)がもたらした悲劇だと考えられるのである。実際、ツボカビ菌は中米のみならず、南米や北米、オーストラリアまで短期間のうちに拡散し、それらの地域のカエルおよび両生類に甚大な被害を与えているのだ。 という話を皮切りにして、いままさに地球と生物に起きている惨事を、本書は順にレポートしていく。海洋の酸性化と死滅するサンゴ(第7章)、地球温暖化とそのスピードについていけない樹木(第8章)、森林の分断と着実に個体数の減っていく鳥(第9章)、外来種とその病原体により大量死したコウモリ(第10章)、など。そしてそれらと同時に、本書は、現状と格闘する研究者の姿をも伝えている。パナマで両生類の保護に努める熱血漢(第1章)、サイの直腸に手を突っ込んで超音波診断をする所長(第11章)、また、自らの手でカラスを性的に興奮させようとする部門長(第13章)、などである。このあたりのレポートは、さすが実績のあるジャーナリストの著者だけあって、手際よく、かつ的確だ。 本書を読んでいて実感させられるのは、大量絶滅を認識することのむずかしさだろう。実際本書では、前半部で多くの紙幅が割かれて、過去の大量絶滅が認識されるまでの学問的な紆余曲折が、歴史的に紐解かれている(第2章〜第5章)。そして何より、いままさに起きている大量絶滅にわたしたちが気づいたのも、つい最近のことにすぎないのだ。 最後に、現状を端的に指摘した本書の記述を引用しておこう。 「現在、両生類は世界でもっとも絶滅の危機に瀕しているとも考えられており、その絶滅率は背景絶滅率の4万5000倍という試算もある。ところが、その他の多くの動物種の絶滅率も両生類に迫りつつある。造礁サンゴ類の3分の1、淡水生貝類の3分の1、サメやエイの仲間の3分の1、哺乳類の4分の1、爬虫類の5分の1、鳥類の6分の1がこの世から消えようとしていると推定される。損失は南太平洋でも、北大西洋でも、北極でも、アフリカのサヘル草原でも、湖沼でも、島嶼でも、山地でも、峡谷でも、ありとあらゆる場所で起きている。見る目を養えば、きっとあなたも自分の裏庭で現在起きている絶滅の兆候を見てとることができるだろう。」(34頁) では、それを見てとることができたなら、わたしたちには何ができるだろう。本書にその答えは示されていないが、問題は間違いなくわたしたちに突きつけられている。
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著者は科学者ではなくジャーナリストです。
著者は根がジャーナリストだから、本書の構成展開は基本、ジャーナリスティックであり、例証を挙げて自説を世に問うような学術的要素はない。目引き袖引き面白さをアピールするためのエピソードが、これでもかというふうに次々に引かれ、だらだら説明され、それで装丁も内容の割には相当に分厚い。 最近の理系翻訳ものにこの手のものが多いようだ。これまでなんどかこの手にひっかかり、十分懲りたはずなのに、また、手に取ってしまった。 半分も読み終えていないが、この先、もう知れたようなので、この辺りで書を措く。 これから購入しようと考えている人、図書館に行こうと考えている人、には老婆心ながら、「著者は科学者ではない。ジャーナリストである。」とお伝えする。
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現在進行中の大絶滅
地球上に人類が現れてから、生物の絶滅するスピードは急激に増加している。通常、種の絶滅する速度は約700〜1,000年に一種という研究結果がある。なのに、毎年何種もの生物が絶滅していく現在は、まさに大絶滅の最中にあるのではないか・・・。 そんな恐ろしい仮説を持って、著者は世界中を旅し、今まさに絶滅の瀬戸際にいる生物を訪ね歩きます。 環境保護を訴えるために人類の悪行を言い立てるのではなく、極めて科学的な目で状況を分析する本書は、冷静であるだけに鬼気迫る迫力がありました。
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目下、地球は絶滅中
約350ページ。モノクロ写真がわずかに入る。 著者は「ニューヨーク・タイムズ」紙記者を経て「ニューヨーカー」誌の記者。ジャーナリストの立場から絶滅関係のフィールドで仕事をする研究者と、その現場を訪ねてまわる。パナマのカエルから始まり、珊瑚礁の海に潜り、海洋の酸性化を伝え、アンデス山脈の樹林帯に分け入る。勇敢、積極的な行動力で絶滅中の現場を紹介し、ともに考えていこうとする姿勢は賞賛に値する。 一方、マストドンの臼歯に出会ったヨーロッパ人が辿ってきた研究の歴史の章は、講義記録の感がある。ここではキュヴィエを紹介し、彼の過ちを指摘すると同時に、彼の大胆な主張が、いまでは驚くほど正確なものであったことなどが披露されて、本書の土台を堅固なものにしている。 学者たちは各自の専門分野に深く潜行して口数が少ないから、彼らを巡り歩いて全貌をまとめるには、ジャーナリストの力が必要だろう。 お陰で過去から現在までを、本書によって見渡すことができ、目下絶滅中、のなかに立ち尽くしていることを実感した。しかも、絶滅に手を貸しているのはヒトなのだ。隕石ではないのだ! 星を減らしたのは、ひとつは、翻訳が冗長である事。もう一つは、著者の暇つぶし的おしゃべり部分が邪魔であったこと。