バベル17 (ハヤカワ文庫 SF 248)
新奇な言語「Babel-17」をめぐる暗号解読と陰謀を描くSF。言語が思考や行動に与える影響を探り、主人公が言語解読を通してアイデンティティや国家的な策略に直面する。
作品情報
新奇な言語「Babel-17」をめぐる暗号解読と陰謀を描くSF。言語が思考や行動に与える影響を探り、主人公が言語解読を通してアイデンティティや国家的な策略に直面する。
新奇な言語「Babel-17」をめぐる暗号解読と陰謀を描くSF。言語が思考や行動に与える影響を探り、主人公が言語解読を通してアイデンティティや国家的な策略に直面する。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2008-07-15
- ページ数
- 307ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784150102487
- ISBN-10
- 4150102481
- 価格
- 856 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/英米文学
戦いのさなか、同盟軍の支配圏内でインベーダーの大規模な破壊活動が行なわれるとき、きまって発信源不明の謎の通信、バベル-17が傍受された。その解読にあたるのは全銀河にあまねく知られる美貌の詩人リドラ・ウォン。天才的な言語感覚でバベル-17が単なる暗号ではなく、ひとつの宇宙言語であることをつきとめたリドラは宇宙船ランボー号で次の敵の攻撃目標へと向かうが……ネビュラ賞受賞のニュー・スペース・オペラ
レビュー
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心理分析とテレパシーの例
Characters visuals visible by clear writing at first appearance, following Arthur Rimbaud poet mood with authors language sense, mental analysis between Butcher are fine technique. Favorite book in him. Also japanese translations well worked by Hiroyuki Okabe.
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女性ヒーローの華やかな活劇を楽しんで、「自己」を成立させる言語の意義も追う
30年以上前に早川文庫で購入しましたが、何度かの引っ越しのうちに無くしてしまってました。 高校生の息子が「言語の力」といったことを言い出したので、侵略兵器としての言語を題材にした 本書を思い出し、再購入し、息子に渡す前に半日で一気に読み返しました。 言語の持つ力を鍵として女流詩人リドラがヒーローになる活劇に圧倒され、またスペースオペラの 典型的ガジェットを楽しみましたが、それと同時に、この作品はその後の日本のマンガやアニメ にも相当な影響を与えていそうだと思わされました。たとえば、小さな竜の入った籠を肩に移植 する男のエピソードは、寺沢武一が「コブラ」の「異次元レース」編で描いている胸の籠に鳥を 入れている女を思い出させます。 ぶっ飛んだイメージが溢れかえる中を最後のクライマックスに向かって絢爛豪華に突き進んでゆく リドラは、全く媚びないけれど愛情豊かで、男性から見ても女性から見ても魅力的だと思います。 書かれてから今年で46年目ですが、まったく色褪せない名作だと思います。
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言語?
基本的には、現代では読むに耐えないスペースオペラですが、50年前のSFでは仕方がないのでしょうか。 バベル-17は言語だというのですが、その具体的な説明はほとんどなく、IとYouの違いがないということくらいのようです。 言語である必要もなく、精神を錯乱させるテレパシーのようなもので十分のようです。 読み終わってがっかりしました。 無関係な詩を意味ありげに引用したり、言語が違うと述語の使い方が違ったり物の表し方が違うといった単純な話を、重大な意味があるかのように書いています。 当時のアメリカ人にとっては他言語、ましてやアジアやアフリカの言語となると、理解できるはずのない呪文のようなものだったのかもしれません。 科学的研究が始まった言語学や心理学を、出来の悪い哲学や宗教の本のように、訳が分からないように書いて、人を煙に巻こうとしているのがいやになります。
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やっぱりディレーニーはわからない?
「ノヴァ」を読んでわかったような気になったので、39年前に読んだ時の訳がわからないという記憶だけが残っている本書を再読しました。ストーリーも完全に忘れているので、初読と変わりませんでしたが、トラウマと戦いながら読んだ気分です。 結果は、白旗。やっぱりわからない。ま、多少は進歩したと思うのです。昔と違って地道に読むようになったので、一応の筋は追えます。カタカナ書きが頻出するので読むのが面倒になりますが、そこはじっと我慢しながら、意味を拾っていきます。別の表記方法はないのでしょうか。地の文と区別する必要があるのは理解できますが、カタカナ書きする必要は?特に注意して読むので理解し易いかというとそうでもないし。 でも、第一章は判り易かった。おもしろいし。宇宙港周りでの奇妙な宇宙士たちの生態。三人組とか霊体人とか人体改造とか。やっぱりサイバーパンクの先取りではないですか。 しかし、第二章になり、奇妙な兵器廠で奇矯な男爵の接待を受けるあたりからアイデアの奔流も相まって混乱し始め、第三章になると遡って読み返す場面が次第に増えてきます。 確かに外見はスペースオペラなんですよね。スパイ小説風味の。特にジェベルなんて、祖国と袂を分かち、仲間たちと海賊稼業をしながら人知れず巨大戦艦でインベーダーと戦っているなんて、宇宙海賊○○そのものじゃないですか。 一方で、美女と野獣の愛の物語と言う読み方もできるかもしれません。美貌の女詩人と人体改造した犯罪者。実は・・・、という典型的なパターン。しかし、これだって表面的な様式だけの話で、そもそも主人公だって、若く美しい女詩人だけど、船乗りで、戦術のプロで、男言葉を真似ることもあり、荒くれ男たちを使い慣れているとなると、性別を越えた万能人みたいで、単純なヒロインではない。その裏側にはトラウマを持つ少女がいたりするのだけれど。 コメット・ジョーとミュールズ・アランライドも、名前だけだけれども登場して読者を喜ばせてくれます。 本書の実態は言語SFだと思うのです。明記されてはいないけれど、そう覚悟して読んだ方が理解し易いかもしれません。 玉ねぎの皮をむいていくみたいにどこまでむいてもきりがない。一つ一つの文章に、これはどんな裏が隠されているのかと常に疑わなければならなくなります。 各章の冒頭に置かれている当時の奥さんの詩と本文の関連もわからない。感性が鋭くなければ楽しめないようだし、また一方で、理性と知性を極限まで働かせなければ十分に理解できないのかもしれません。まだまだ力不足。 なお、本書は詩がテーマになっているためだと思いますが、音楽は登場しません。 とにかく、1966年の時点でこういう物語を提示できた。ということがネビュラ賞受賞の対象となったのだということだけはわかったように思います。 小説と言うか物語としては「ノヴァ」の方が良くできていて、おもしろいし、好きですが、SFとして考えると、言語SFという大ネタを使いこなしている分だけ、こちらの方が上ではないかと言う気もします。 (以下ネタバレ) 敵方であるインベーダーの正体がはっきりしないことも不全感の原因かと思っていましたが、終わってみれば気にならなくなってる・・・。 謎の通信、バベル-17が単なる暗号ではなく、一種の言語であり、それを上書きされた人間は思考だけでなく行動まで操作されてテロ行為を行うとなれば、これは虐殺の言語そのものと言っても良いかもしれません。かの作品はここから発想されたのでしょうか?それとも、サピア・ウォーフ仮説からの平行発想でしょうか?
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洗練されたスペオペです
スペオペと言語理論の二階層メタ小説。1章の空港の町の描写がいいですねえ。上手な文章にチープなガジェットを詰め込んで(スラム街、霊体人、人体改造、インベーダー...)、ニューロマンサーの千葉シティの原型のように思えます。ディレイニーに秋葉原をルポさせたら面白いだろうなあ。後半の言語理論の部分も面白いのですが、再読してみると、ちょっとクドいし情報処理言語名などが陳腐化しています。でもきっとこれがグレッグ・イーガンの原型なのでしょうね。結果的にその後のSFの道標になった作品だと思います。
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言語と他者
私は英語で話すときと日本語で話すときと、明らかに人格が変わる(病気?)。私がバベル17という言語に取り憑かれてしまったら、と考えると一人でニヤイヤしてしまう(病気!)。テンポ良くすらすらこの世界に入っていけるので、気が付かない人も多いんだけど、ここには「究極の密室」も隠されております。ディーレニイにしては、さらっとした良い読みやすさ。でもよく考えてみたら、これってアウタースペース版、現代哲学のキモじゃないのかしら。
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実は一元論SF
バベル17、それは関係代名詞がワンセンテンスに17も複合する神の言語(違うってw)、 若きヒロインが宇宙を駆け巡り謎の言語バベル17に挑戦する、 SF界のジェイムズ・ジョイスと呼ばれるディレーニイの傑作ニュースペースオペラ! 単純にスペオペとしても楽しめるが、 言語学や哲学の知識があるとより一層楽しめます。 「わたしはあなた、あなたはわたし」 に始まる人称転換セリフの場面が、実は物凄く深い。 比喩、暗喩が理解出来なくても、表のストーリーはスペオペなので、 単純に楽しむだけでもOKである。 もちろん、ディレーニィの最高傑作は、「フィネガンズ・ウェイク」と同じ文も出てくる 「アインシュタイン(曲線とゲーデル曲線の)交点」であろうが。
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考えさせられる
言葉と思考についていろいろ考えるきっかけになり面白かった。昔の作品だが、それほど古さを感じない。
関連する文学賞
- ネビュラ賞 第2回(1967年) ・受賞