知性化戦争 上 (ハヤカワ文庫 SF フ 4-6)
『知性化』された種族をめぐる銀河政治と対立を描く作品。植民惑星での侵略と抵抗を通じて、種の権利や文化衝突、自由と自治の問題を、軍事アクションと社会風刺を交えて描くスペースオペラ。
作品情報
知性化された種族たちの戦争が、植民惑星の運命を左右する。
1988年ヒューゴー賞長編部門受賞作。デイヴィッド・ブリンの『知性化』シリーズの中心作で、人類と知性化された種族の力関係を描く。日本語版は『知性化戦争』として早川書房から刊行されている。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 1990-06-01
- ページ数
- 523ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784150108724
- ISBN-10
- 4150108722
- 価格
- 171 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学
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レビュー
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ゴリラの雷ダンスはイルカの救助熱みたいなもんです
扉に「フォッシーに」と献辞がある。ゴリラを愛し保護した動物学者、ダイアン・フォッシーのことである。保護活動の中で密猟者グループと対立し、命を落とした彼女の生涯は、「愛は霧のかなたに」というタイトルで、シガニー・ウィーバー主演で映画化もされている(余談だが、ジェームズ・キャメロン監督の「アバター」でシガニーが演じた博士は、フォッシー博士のオマージュである)。そう、この作品ではゴリラが鍵となる。地球は知性化を待つ動物の宝庫なのだ。宇宙の別の場所でストリーカーが銀河列強に追いかけられていた頃、列強諸族は地球系植民惑星ガースに目をつけ競って蹂躙しようとする。それに抵抗すべく立ち上がったのは、愛すべき人類のパートナー知性化チンパンジーと、友好種族である有袋類系宇宙人ティンブリーミー族の女性だった。全編、すぐに映画化できそうなくらいビジュアルが浮かぶ痛快な展開で、グイグイ読めるが、ゴリラの生態描写なんかはしっかりSFしてて唸らされる。科学力も軍事力も物量でもはるかに卓越した敵たちに囲まれた絶望的状況を、どうひっくり返すのか?どうぞお楽しみください。
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この作品から読んでみていただきたい?
「知性化」シリーズ、2004年2月時点で刊行されている5編中一番好きな作品です。 勝手な推測ですが、ブリン的には「知性化」シリーズの「主題」は、前作「スタータイドライジング」に描かれており、本作品はややもすれば本筋から逸脱しているのかもしれません。 つまり: 1)全ての種属の「主属」=「始祖」の謎 2)「主属」を持たない人類と他の銀河種属との対立と理解? 3)知性化された種属(イルカ)たちは、それを望んでいるのか?彼らは幸せなのか?本当は元へ帰りたいのではないのか? といった、「知性化の嵐」へと通じていく壮大な物語とは、一線を画しているように思えるのです。 そして、確かにその「主題」を描き出す著者の筆力も認めるのですが、如何せん、「重い」。どうしても読破するのにエネルギーが必要になってしまいます。 それに比べると、本作品の「軽い」こと!何とも楽しく、気軽に、この「複雑怪奇なる銀河系世界」へ誘ってくれます。 私個人としては、まだ「知性化シリーズ」を読んでいない方には、是非、この作品から読んでみていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
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チンプだけに陳腐
つまらないです。 アメリカ人よりも多様性の無い列強種族、サンダイバー、スタータイドライジングから続く、ワンパターンでマッチョな主人公像、そして、アメリカ的自主独立・自由民主主義の押し付け。とにかく視野が狭い。 コロコロと視点が移り変わるのにも拘わらず、画面の外で事件が起こったり物語が進展するので、描写のほとんどに意味がなく、ストレスが溜まります。上下巻1000ページ中、800ページ程度は流し読みして問題ありません。ヒロイン視点に固定すれば300頁一冊で済む、しょうもない内容です。 つまらない……。アメリカSFの悪い所を凝縮したような作品でした……。
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リラ、お幸せに
アースリングに友好的な数少ない種族ティンブリーミーと、連合を組んで銀河列強に対抗する大活劇です。自分もどうしたらグリフをつむげるのかと思案するほど夢中で読みました。 鳥っぽい種族の「三位一体」なんていう奇妙な習性まで、リアリティーを持って迫ってくるプリンの筆力がすばらしい。銀河列強相手に絶望的な戦いを続けるアースリングだが、ある事情でテナニンと取り引きします。服を着たイエティみたいな憎らしい姿を想像していたのですが、とたんに後光が差して見えました。しかも、知性化シリーズの後半の本の冒頭に「それまで敵対的だったテナニンが、なぜか友好的な立場をとり…」とサラッとふれられています。テナニン、君たちは本当はいいやつだったんだなあ。 映画「第五惑星(The Enemy Mine)」のラストシーンを連想させる最後は、じいんとしました。
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素直に楽しめる。ヒューゴー賞受賞も納得。
地表に降り立った侵略者の宇宙船から姿を現したのは、柔らかな羽を持つ白い鳥の群れだった! 無力な主族=人類を救うため、ネオ・チンパンジー達が“イヤイヤ”“しぶしぶ”と立ち上がる! ネオ・チンプ主人公の陽気な自由奔放さは爽快の一言。そしてヒトとティンプリーミーの異種間ラブロマンス。SFファンの琴線をワシ掴みにするブリンの手法にたちまちノックダウン。
関連する文学賞
- ヒューゴー賞 第35回(1988年) ・受賞