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宙の復讐者

ヒューゴー賞

宙の復讐者

エミリー・テシュ

地球滅亡後の宇宙ステーションで、復讐を叩き込まれて育った少女キアが、体制の嘘と仲間たちの現実に向き合いながら、自分が何のために戦うのかを選び直していく。ミリタリーSFの疾走感に、脱洗脳と自己発見の物語を重ねた長編。

スペースオペラ戦争ファシズム脱洗脳クィア自己発見

作品情報

復讐のために育てられたキアが、宇宙の真実に触れて初めて自分の未来を選ぶ。

戦争と復讐の物語でありながら、閉じた共同体で刷り込まれた価値観を見直す過程を丁寧に描く。怒りと喪失の先で、キアが世界をどう受け止めるかが大きな推進力になっている。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2025-08-06
ページ数
544ページ
言語
日本語
サイズ
13.1 x 2.9 x 18.8 cm
ISBN-13
9784152104489
ISBN-10
4152104481
価格
4180 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

ヒューゴー賞受賞の本格宇宙SF大作 時空を歪曲するシャドウスペース技術を発見した人類は、銀河系に進出し、異星種族連合体マジョダと出会う。だが、マジョダの創設者マジョ・ジ人により、地球は百四十億人の住人とともに滅亡させられた。 それから数十年後。人類最後の生き残り、〈ガイア・ステーション〉の若き戦士として、17歳のキアは仲間たちと日々厳しい戦闘訓練を続けてきた。胸に抱くのは、地球を滅亡させたマジョダとその時空を操る装置〈叡智〉への復讐のみ。だが、ガイア司令部の欺瞞を知って、人類を救うため彼女は旅立つことに……地球が滅ぼされなかった世界へと! 第一長篇にしてヒューゴー賞を受賞! アスタウンディング新人賞を受賞した著者による本格宇宙SF大作! 「宇宙の行方、本当の敵、真の友情。すべてを間違え、すべてを取り戻していくパワフルな物語だ」――小川一水(作家)

レビュー

  • 体制の欺瞞と自分の感情に向き合う主人公キアの成長と冒険の物語

    ●物語の大きな幹は「独裁体制のディストピア宇宙社会を舞台に、主人公キアが自らの感情に向き合い ながら成長してゆく物語」である。 (以下:ネタバレ注意) 時空を超え新たな平行宇宙においても人類の性(さが)は変わらず、その愚かさにキアは怒りと諦め を覚える。マインドコントロールの呪縛から中々解放されないキアの言動にもどかしさを感じつつも、 彼女の義憤に共感を覚える。 やがて、マインドコントロールから解き放たれ視座が変わる。視座が変われば多くのものが見えてく る。単純明快だったものが複雑極まりないものに見えてくる。これでは何も見えてなかった時代の方が 遥かに幸せだったのではないか? 果たして自分はどちらを選ぶべきなのか?いや、選びたいのか?最後の最後に揺れ動くキアの心中。 読む者の心も同調し激しく共鳴する。 著者はまた、異星人から見た”人類の生物学的な性別の区別”に対する疑問を代弁させている。物語に LGBTQを登場させ、フェミニズムを主張する。それは全銀河共通の認識事項であり、知的生命体として の成熟度のバロメーターなのだと。 フェミニズムについては調和を重んじる文化の日本と、声高に権利を主張する社会運動のアメリカと では、このテーマに対する評価に若干の違いが出るかもしれない。 本作では時空を超える壮大なドラマを描きながら多くの哲学的命題を提示しています。いつまでも余 韻を残す大作でした。

  • ティーンの女の子の冒険譚!とでもいいのでしょうか、一切の予備知識をもたずに読むことを強くお勧めします。

    閉鎖された空間で生活する若きお嬢さん方の話から始まって、自分達の置かれた状況に疑問を持ちはじめて…といったあたりまではよくある話だなと感じつつ、この調子で500頁超の物語をどうやって膨らませて行くのだろう。だらだらと進むならいやだなと思い始めたところで予想外の展開。あ、こういうたぐいの話なのね。とわかったようなつもりになるも、さらなる展開に次ぐ展開。 宇宙空間を舞台としたまさにハードSFでありながら登場人物、特に主人公が多面的に描かれることで理解が進み、また少しずつ成長していく過程を好ましく楽しむこともできる。ラストシーン、個人的にはいろいろと物足りないところもありはするけどこういうハッピーエンドも「あぁよかった」って気持ちになれてそれはそれで好ましい。 それにしてもこの頃の単行本って高くてびっくりしました。

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