作品情報
繁栄の家族史が、やがて静かな崩壊の物語へ変わる。
リューベックの商家ブッデンブローク家の四世代を追い、栄華の頂点から静かな没落へ至る家族史を描く。経済的成功だけでは支えられない家族の価値や、近代化の圧力がもたらす変化を精密に映す。
書籍情報
- 出版社
- 河出書房新社
- 発売日
- 1989-10-01
- ページ数
- 448ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784309610689
- ISBN-10
- 4309610684
- 価格
- 1100 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
Amazon.co.jp: 河出世界文学全集 (18) ブッデンブローグ家の人々 : トーマス・マン: 本
レビュー
-
読んでても、買いです。
以前読んだのが岩波の文庫だったような気もするのですが、手元にないので判然としません。もしかすると、高校かどこかの図書館で借りたようないないような。チェーンの古本屋であり得ないほど安価な美本を見つけ、30年ぶりくらいの再読でした。 個人的には、折にふれ手に取りページをめくる「魔の山」が最も好きな作品と口にすることが多いのですが、本書の物語性もまた抗いがたい魅力で、そうは言っても「30年ぶりの」と書いたばかりではないかと指摘されそうですが、ただ直接は手に取らなくとも、家人であったり生徒であったりに梗概を語る形で絶えず反芻し、そうやって自分の中で熟成させることのできる、強固な物語世界という印象の作品です。ただ、もちろん直接読むに越したことはなく、以前は気づかなかった、あるいは忘れてしまっていた、作品に横溢する諧謔や若さゆえの気概にあてられ、良い意味で読了するのに時間を要してしまいました。あと、こんなにもたくさんの伏線がめぐらされていることに驚き、音楽を言葉で描写する場面では、おそらくは自らの素養の無さに起因するのだと思うのですが、頭の中で上手く音が鳴らず、それが小さなヨハンや登場人物の心象や運命、ひいては家の趨勢すらのオブリガードになっていることに気付いた時の不甲斐なさ、この先あと何回読めるかわかりませんが、本が読めなくなるまで、手元から離せない一冊であると認識させられました。
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