暗いブティック通り
記憶を失った男が、かつての自分を手がかりにパリをさまよう。失踪と自己同一性の不安が、静かなサスペンスとして立ち上がる長編。
作品情報
消えた記憶をたどる旅が、他者と過去を浮かび上がらせる。
白水社版『暗いブティック通り』として親しまれる作品。喪失した過去をめぐる探偵小説の形式を借りながら、記憶と存在の輪郭を探る。
書籍情報
- 出版社
- 白水社
- 発売日
- 2005-05-25
- ページ数
- 269ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784560027257
- ISBN-10
- 4560027250
- 価格
- 2820 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/フランス文学
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レビュー
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ぐうぜん、購入できて、よかったです
すみません、時間がなく、まだ読んでおりません(>_<) 以前から欲 読んでみたい本でしたので、 購入できてよかったです ありがとうございます
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期待はずれでした。
翻訳の表記の仕方など、もう少し工夫をすると読みやすくなると思う。例えば、人の名前など、そのまま訳してカタカナ表記にすると、 非常に読みずらく、特に日本人には理解しにくくなると思う。また、あまり山がなく、全体に平坦なプロットなので読みにくい。
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モディアノのフランス的ESPRITが満載の推理小説風自分探しの物語
モディアノが78年のゴンクール賞を受賞した作品。日本では一部で「冬ソナ」の原本として有名になっているが、「冬ソナ」との比較においてはどちらも伏線をきちんと理解することが重要という共通性が大きいぐらいで全く雰囲気も異なる故、「冬ソナ」の美文調と恋愛モチーフを期待すると失望間違いなし。私は、モディアノの「イヴォンヌの香り」(Villa triste)の本と映画を鑑賞して以来、登場人物が織りなす美しい絹の布のようなフランス的エスプリと官能性が気にいっている。同時にモディアノの描く人物はどれもミステリアスで職業や身分もアンビバレントであり生活感は極力排除されている。彼らのデラシネとしての存在の曖昧さとそれぞれの関わり合いが織りなす迷路のような不思議な舞台がこの本でも用意されている。それはあたかも、パリの凱旋門の周りで道に迷い、ふっと凱旋門が見えたり消えたりする不思議な空間的感覚、あるいは冬の霧に包まれたベネチアで、足音は聞こえ、他人の影が大きく拡大されて目の前にあらわれたと思ったらふっと消えたりするベネチアの道路事情故の不思議な体験にも似ている。果たして自分は誰なのか、そしていったいどこに向かっているのか。そんな感覚的不安感の表現がいかにも著者らしく、かつ非論理的でシックな雰囲気の文体は実にフランス的でもある。本の中で、「迷路」にはいりこみ、自分を別の空間にしばしの間、おいてみたいという方にはぜひお薦めです。
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知らなかった!モディアノという作家を。
知らなかった、ノーベル賞受賞報道までモディアノという作家を。 知らなかった、こんなにおもしろい小説だったなんて。 わからなかったよ、表紙のイラストがネタバレであることを(といっても本書を読まないと何がネタバレかわからないのだけれど)。 長めの中編、短めの長編といった分量で、文体も平易で読みやすい。 それでいてノーベル賞を受賞してしまうというなら本当にストーリーテリングとテーマが素晴らしいという証左なのでしょう。 前半は記憶喪失の主人公が、昔の自分を知っていそうな人々をわずかな手がかりを無理やりつなぎながら訪ね歩く。 まるでクリストファー・ノーラン監督の映画「メメント」にもにた眩惑を感じる。 メメント [DVD ] ポール・オースターの初期のニューヨーク3部作のようなカフカ的世界が待っているのかなと思っているともっとリアルでシビアな状況に引き込まれていく。 後半も手がかりを繋いでいく旅は続くが、そのあいだに突然部分的に思い出された逃避行のエピソードがフラッシュバックのように挿入されていく。 そして主人公以上にわれわれ読者が驚くのである。 「自分探しの旅」が過去に対峙するこんなにも呵責のないものとして襲ってくることになるとは、と。 それでも主人公はすべてが明らかにされないままの過去を探して、旅を続けるのである。 いやな過去なら忘れたままでいいじゃない、と思うけれど、それは戦後70年もたった日本で当時フランスの状況に鈍感な者の感想なのだろう。 はっきり書かれないが大戦中のユダヤ人の運命を思い致さねばならない、舞台がフランスであっても、だ。 ビシー政府のユダヤ人狩りはドイツ本国より熾烈だったことをおもえば(舞台となるパリやフランス北部はドイツ直轄支配だったと思うが)、あまりにも淡々と主人公を取り巻く状況を描き出す筆致は、とても歴史の歯車に砕かれていくところを書いているとは思えないが、そこに逆に凄みを感じるのである。 なるほどノーベル賞クラスの作家でないとこうはいかないと。この題材をこのようにさばけないなと。 過去を忘れないこと(過去から逃げない)=贖罪、というのはヨーロッパ人が第2次大戦という悲劇と向き合う真摯な態度なのだと思うし、それが記憶喪失からの回復というストーリーに重ね合わされていて本当に秀逸だとおもう。 それをこの長さで語ってしまうのだから舌が巻かれすぎて、ぐうの音も出ない。 蛇足だけれど、前作「家族手帳」にも「暗いブティック通り」はてでくるし、同じ女性の名、電話番号、殺害されたアレクサンドリア出身の若い作家などがこちらにも使われるのは何かの符丁が隠されているのだろうか。
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ノーベル賞作家って、こんな面白い作品書いた人でいいんですかね
初めて読んだモディアノ作品が、こんなに面白かったのは、幸運なのか 不運なのか、よくわからない。だが、とにかく一気に読んでしまった。 まったくの先入観なく読み進めば、設定も仕掛けもよくある、 《記憶喪失の年配男の過去探し》《世界大戦下での男女の不意の別れ》 であって、いわゆるノーベル賞作家の作品のイメージとは少し、ちがう。 読者によっては、良い意味でも悪い意味でも、エンタメ過ぎる、と思うはず。 自分はもちろん良い意味で、このエンタメ度に満足。 そして、へんに“純文学し過ぎない”ミステリ仕立ての読みやすさと、 それでも、犯人捜しで終わらない“やはり純文学っぽさ”の共存に、満足。 うなるのは、主人公が自分とは誰かを知るため、次々に会ってゆく 1960年代末期の、パリの市井の男女たちの描写。うまい。 設定も、途中までの展開も月並みながら、この表現力の巧みさは特筆すべきか (日本人の表情の無さを「防腐装置を施した」と表現したのにも、笑える)。 最もシビれたのは、中盤(146~157ページあたり)で登場する老いたカメラマンの逸話。 主人公は、彼に、どうやら戦争勃発まで雑誌のモデルをしていたらしい自分の恋人 について、なんとか聞きだそうとする。その室内の様子と、彼の話しっぷりが最高だ。 もてなすリキュールを運ぶワゴンの描写、契約者不明となった或る電話番号の使われ方……。 刊行された1978年だと、まだ、第2次世界大戦でドイツに占領された体験をもつ フランス人は多く存命していたはずだが、具体的なモデルというより、占領下の パリで出遭ったユダヤ系イタリア人の父と、ベルギー人の母をもつモディアノの経歴が、 こうした、充分にリアルでありながら、散文詩的で気の利いた筆致を生んだのだろうか。
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5つ星のうち1.0 d
物語は私立探偵事務所から始まる。 「何だか今まで100ぺんくらい見たオープニングだなあ」と思っていると、 手がかりの人物のところに行く→手がかりの品をもらう→別の手がかりの人物を教えてもらう という展開が100ぺんくらい繰り返された後、「え、これで終わりすか」というラスト… こんなんでノーベル文学賞取れるんだ、と思った。
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珠玉の名作
モディアノのファンではないが、この作品は特別だ。記憶喪失者が失われた過去を探すという文字通りの自分探しの果てにたどり着くラストはこのうえなく美しい。語られない過去は何よりも雄弁にその根底を流れる存在として語られる。「我々の人生もまたこの少女のかなしみと同じくらいすみやかに、夕べの闇に没するのではあるまいか」珠玉の名作。
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テーマが古い上に、読んでいて退屈極まりない駄作
作者がノーベル文学賞を受賞していなかったら、本作を手に採る事はなかったと思う。冒頭の「私は何者でもない」という言辞が象徴する様に、現代における実在や記憶の不確かさを描いた作品。記憶喪失となった<私>が、その失われた記憶を求めて彷徨う姿を描いたものだが、如何せん、テーマが古い上に、読んでいて詰まらないのである。 <私>が辿る探索の道は糸の様に細く(頼りなく)曖昧模糊としており、思い出した(かも知れない)知人や自分自身の記憶もこれまた曖昧模糊としているという趣向。しかし、これがカフカ的技巧を持って描かれる不条理小説の体裁ではなく、単に探索の過程を綴っているだけなので、読む方は退屈極まりないのである。 そして、一番の瑕疵は時代設定がズレているのではないかという疑問である。<私>が記憶喪失となった理由は「ナチからの逃亡」しか考えられないのだが、<私>の生年・年齢を考えると全く時代設定が合わないのである。これも曖昧模糊とした本作の趣向の一環と考えるのは善意に過ぎよう。トンだ作品を読んでしまったと深く後悔した。
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- ノーベル文学賞 第107回(2014年) ・受賞