世界・海外・国外の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
シッダールタ

ノーベル文学賞

シッダールタ

ヘルマン・ヘッセ

若きバラモンの息子シッダールタが、禁欲、世俗、出会い、喪失を経て真理と自己のかたちを探し続ける物語。東洋思想と静かな文体が、精神的な探求を穏やかに支えている。

精神的探求自己実現東洋思想悟り孤独

作品情報

迷いと放浪を重ねながら、ひとりの青年が自分の真理にたどり着こうとする。

東洋思想と西洋の個人主義が交差するところで、シッダールタは禁欲、世俗の快楽、喪失、再出発を経て、自分自身の歩み方を見いだしていく。ヘッセの代表作のひとつとして、静かな強度を保ち続ける長編である。

レビュー要約

  • 精神的な探求を描く物語として長く支持されている。簡潔で音楽的な文体や、自己発見へ向かう旅の明晰さを評価する声が多い一方、寓話性の強さをやや遠く感じる読者もいる。

書籍情報

出版社
草思社
発売日
2006-01-01
ページ数
209ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784794214690
ISBN-10
4794214693
価格
677 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/ドイツ文学

ヘッセの代表作の一つを新訳で贈る。インドの若者シッダールタの悟りへの道を寓話的に描き、「人はなぜ生きるのか」に解答を与える傑作小説。

レビュー

  • 河のほとり

    一番新しい訳で読みました。 シッダールタはヘッセの創造上の人物です。 ヘッセの人生体験を元に描かれたそうです。 シッダールタは誰からも愛され、 神聖な沐浴をし、 神聖ないけにえを捧げ、 学者である父の教えを受け 賢者たちの対話に加わるなど 頭脳明晰、知識欲も旺盛で、 若くしてその精神は崇高な域に達していたと言います。 父の期待を背負った少年シッダールタは やがて(当然のごとくバラモンとしての生き方に飽き足らず) 父の元から離れ、故郷を捨てて、巡礼の苦行に加わります。 自らが信じる道を、心の声のままに欲を禁じずに歩んでいきます。 「河のほとり」以降の章は私の心境と重なるところが多く、 何度も読み返しました。 賢者との出会い、 親から離れていこうとする親とは別な自我を持つ我が子への執着、 それをほぐしていこうとする下りに感動、感謝。 「知恵は人に与えることができない」は金言。 ぜひお読みくださいませ。

  • シッダールタ

    車輪の下からは想像しなかった内容。ラダックで得度されたお坊さんからの推薦で読みました。この本と「華厳経」を読まれては如何でしょう。ということで、華厳のNHK版第1巻を読み、時事無碍という言葉を知りました。ヘッセはその境地を垣間見て読みやすい書にしたのではないかと、思いました。

  • 翻訳家さんの伝えようとする意図を感じる作品

    ヘッセのシッダルータには複数の翻訳家さんが携わっています。 ヘッセの文章力が凄まじいので、どの翻訳家さんでもヘッセが伝えようとする作品の意図は伝わります。 そのなかで、岡田氏は専門用語などを噛み砕いて伝えようとしています。 訳注で専門用語の意味も記載されているので、東洋思想の初心者にはお勧めです。 岡田氏と手塚氏の翻訳を読みましたが、どちらも読んでよかったと思っています。

  • 大人になってから読むと感じ方が違った。

    中学生の頃読んだ時とは読後の感じ方が違いました。とても良かった。

  • さらっと読める哲学小説

    1922年。 ヘルマン・ヘッセ作。 ブッダと同じ名前の男が、悟りを求めてさまようお話。 シンプルで読みやすい文章ながら、哲学的で深みのある物語だった。 人生の受け入れ方が素敵です。

  • 人生を振り返りたい方へ

    "世界をそのままに、求めるところなく、単純に、幼児のように観察すると、世界は美しかった。月と星は美しかった。小川と岸は、森と岩は、ヤギとコガネ虫は、花とチョウは美しかった"1922年発刊の本書は釈迦の出家以前の名前を借りたノーベル賞受賞者による美しい自らの宗教的体験告白。 ⁡ 個人的には名前だけ以前から知っていたのに未読だったので手にとりました。 ⁡ さて、そんな本書はもともとは『インドの詩』という副題をもって刊行されたもので【釈迦の出家以前の名前『シッタルダー』という名前をもつ主人公】が晩年に『悟りの境地』に達するまでに【苦行や経験を積んでいく様子】が、若かりし時の仏陀との出会いや友人との別れを描く第一部、愛する女性との出会いや友人との再会、そして世俗に染まって悩む第二部と【二部構成で人生を駆け抜けていく】内容になっているのですが。 ⁡ まず"解脱"という当たり前に【極めて東洋的、仏教的な内容】の本書がインド思想を何十年も研究していたとはいえ、ドイツ人作家によって美しく描かれていることに正直にいって驚きました(なんでもインド本国にも逆輸入され?12のインド方言に翻訳されているらしいです) ⁡ また本書は筒井康隆の『旅のラゴス』と同じく、読む年齢によって感じ方が違うのではないか?と思われるのですが、個人的には第二部。若い時から才能や美貌を誇った主人公が『人生の午後』【中年期から晩年】において抱える葛藤に共感しきり。というか自分の人生を重ね色々と考えてしまいました。 ⁡ 著者晩年の代表作として、また人生について。作品を通して振り返りたい方にもオススメ。

  • シッダールタ

    ブッダが一国の王子として生まれたときの名前、シッダールタ。 ヘルマンヘッセらしく(と言ってしまってすいません)情熱的で傷つきやすい、 美しい青年像が浮かぶ文章。

  • ただそこにあるものをみつめる

    家を捨て、理想を求め、友を捨て、俗世に堕ち、逃亡の果てでも苦しみに囚われながら、最後にシッダールタが見出したもの。 それは、ただあるがままに全てを受け入れること=愛なのではないか。 示唆に富んだ一冊であり、老若男女誰にでも薦められる平易な訳文の傑作。

関連する文学賞