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過去の力

プレミオ・ヴィアレッジョ=レパーチ(ヴィアレッジョ賞)

過去の力

Sandro Veronesi

見知らぬ男との偶然の出会いから、主人公の家族と過去にひそむ秘密が崩れ始める小説。父親、結婚、記憶という安定したはずの土台が、ひとつの告白で揺らいでいく。

家族記憶心理劇サスペンス

作品情報

過去の一言が、いまある生活の輪郭を一気に崩していく。

Sandro Veronesi の小説は、ローマで暮らす男性が、父の過去をめぐる見知らぬ告白に揺さぶられるところから始まる。家族の記憶と個人の自己像が崩れていく過程を、鋭い心理描写で追う。

レビュー要約

  • 家族の秘密が主人公の現在を侵食していく構図が好意的に受け止められている。サスペンスと内省のバランスに魅力を感じる声が多い。

書籍情報

出版社
シーライトパブリッシング
発売日
2008-07-26
ページ数
283ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784903439044
ISBN-10
4903439046
価格
849 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/イタリア文学

世界16言語に翻訳された話題作。“過去とは、記憶とは、人を支えるものとは”といった、普遍的なテーマに視点をあてたサスペンス。 本国イタリアでは、2002年に映画化され、2004年に日本で開催されたイタリア映画祭でも上映されている。 「パーフェクト・ワールド」、「ベニスの愛」から「8 1/2」まで、全編に映画の場面が引用され作品に奥行きを与えている作品。

サンドロ・ヴェロネージ(Sandro VERONESI) 1959年フィレンツェ生まれ。プラート在住。1985年「ヴィクトルユーゴーと近代における修復」についての論文で、フィレンツェ大学建築学科を卒業。 日本でも公開された「イタリア式、恋愛マニュアル」(2005年)の監督・原案・脚本のジョヴァンニ・ヴェロネージの兄。 大谷 敏子(おおたに としこ) 福岡県生まれ。京都大学文学部卒業(国語学国文学専攻)。 ホームステイのイタリア人留学生を受け入れたのを機にイタリア語の勉強をはじめる。 趣味は朗読、チェロ演奏。

レビュー

  • 良書!

    ローマの夕暮れやダウンタウンの料理店などが表現豊かに描かれていて、読めば 読むほど描かれている世界に引き込まれていくかのようであった。というのがこ の本を読み終えたときの感想だ。この本は主人公の平和な生活がある男の登場に より一変するところから話がはじまる。亡き父の秘密、妻の裏切り・・・・その ときどきの主人公の心の変化や葛藤が見事に描写され、読んでいて自分がこの状 況に置かれたときどのような心理状態になるのだろうとふと考えてしまうことが 多々あった。と同時に、主人公の人間味あふれる人柄に引き込まれ、なんだか親 しみを覚えた。物語全体を通して紆余曲折があり、あっ!という場面も多い。ラ ストシーンは予想外の展開であった。この本は全体を通して様々な楽しみ方が出 来る本である。私も何回も読み直しているが、そのたびに新しい発見がある。老 若男女様々な人に薦めたい本である。

  • 何者なの?

    主人公はいわゆる小市民的性格である。 家庭のささやかな幸せを第一に考え、友人から見た自分像に一喜一憂し、 確固とした信念を持つことなく、自分の言動に右往左往し、国は違えど、我々の周囲に 一人はいる人間である。 そんな男に突然、異種な、危険とも思える人間が、思ってもいなかった親の過去を 語りだす。 この男はいったい何者なんだろう?何が目的で主人公に近づいてきたのだろう? と、少しでも早くその意図を知りたく読み進んでしまう。 普通のサスペンスとは少し違った味わいの良書だと思う。

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