世界・海外・国外の文学賞

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A・S・バイアット(アントニア・スーザン・ダフィ、旧姓ドラブル)

エー・エス・バイアット(アントニア・スーザン・ダフィ/ドラブル)

A. S. Byatt (Antonia Susan Duffy, née Drabble)

ペンネーム: A・S・バイアット職業上の筆名。旧姓・既婚名を含む正式名義の一部として使用

プロフィール

性別
女性
生誕
1936-08-24 (シェフィールド(ウェスト・ライディング・オブ・ヨークシャー)、イングランド)
死没
2023-11-16 (ロンドン(パットニー)、イングランド) 87歳
国籍
イギリス
言語
英語
宗教
不可知論(クエーカー礼拝に親しみあり)
居住地歴
パットニー(ロンドン) → セヴェンヌ(南フランス) → ダラム(在住経験)

経歴

職業
批評家, 小説家, 短編作家, 詩人, 講師
活動期間
1964年〜2016年
所属団体
ソサエティー・オブ・オーサーズ(The Society of Authors), ブリティッシュ・カウンシル(理事・文学諮問パネルメンバー等), アメリカ芸術科学アカデミー(外国名誉会員), 英国アカデミー(フェロー)
影響を受けた人物
ヘンリー・ジェイムズ, ジョージ・エリオット, エミリー・ディキンソン, T・S・エリオット, サミュエル・テイラー・コールリッジ, アルフレッド・テニソン, ロバート・ブラウニング, アイリス・マードック(友人・メンター), アンジェラ・カーター(フェアリーテイルの重要性を教えられた)
影響を与えた人物
フィリップ・ヘンシャー, ロバート・アーウィン, A・L・ケネディ, ローレンス・ノーフォーク, デイヴィッド・ミッチェル, アリ・スミス, ザディー・スミス, アダム・スィルウェル(Thirlwell), ヘレン・デウィット(特にThe Last Samurai を称賛)
ノミネート
2009年ブッカー賞 最終候補(The Children's Book)

学歴

ニューンハム・カレッジ(ケンブリッジ大学)
英文学(在学中にイタリア語等も学ぶ)
期間: 在学(詳細年不明)
国: イギリス
ケンブリッジ在学中に初期の小説を執筆開始
ブリンマー・カレッジ(米国)
大学院(詳細不明)
期間: 約1年間(詳細不明)
国: アメリカ合衆国
アメリカでの1年間の大学院在学
サマービル・カレッジ(オックスフォード大学)
英文学(詳細不明)
期間: 在学(詳細年不明)
国: イギリス
学士・大学院課程の詳細は不明

受賞歴

ブッカー賞
1990
対象作品: Possession: A Romance(邦題:ポゼッション)
主催: ブッカー賞選考委員会
結果: 受賞
Aga Khan Fiction Prize
1995
対象作品: The Djinn in the Nightingale's Eye(邦題あり)
主催: The Paris Review(アガ・カーン賞)
結果: 受賞
James Tait Black Memorial Prize
2010
対象作品: The Children's Book(邦題:子どもの本)
主催: エジンバラ大学/James Tait Black 運営
結果: 受賞
エラスムス賞
2016
主催: エラスムス賞財団
結果: 受賞
パク・ギョンニ文学賞
2017
主催: Park Kyong-ni Foundation
結果: 受賞
ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞
2018
主催: ハンス・クリスチャン・アンデルセン財団
結果: 受賞
シェイクスピア賞
2002
主催: ハンブルク財団等(Shakespeare Prize)
結果: 受賞
PEN/Macmillan シルバーペン賞
1986
対象作品: Still Life(クワルテット第2作)
主催: PEN/ Macmillan
結果: 受賞
アイリッシュ・タイムズ国際フィクション賞
1990
対象作品: Possession: A Romance
主催: The Irish Times
結果: 受賞
コモンウェルス作家賞(ユーラシア地域 最優秀作品)
1991
対象作品: Possession: A Romance
主催: Commonwealth Foundation
結果: 受賞
ミソポイエティック賞(成人向け文学)
1998
対象作品: The Djinn in the Nightingale's Eye
主催: Mythopoeic Society
結果: 受賞
Blue Metropolis Grand Prix(国際文学賞)
2009
主催: Blue Metropolis
結果: 受賞
Dame(ナイトと同等の女爵位): DBE
1999
主催: 大英帝国勲章(イギリス王室)
結果: 授与(栄誉)

受賞・候補エディション

ブッカー賞 1回登壇
  1. 受賞作: Possession(ポゼッション)

    現代の学者ふたりが、19世紀の詩人たちの秘められた関係を調べるうちに、自分たち自身も恋に落ちていく。文学研究、恋愛小説、謎解きが重なり合う、遊び心のある長編。

    過去の恋の痕跡を追ううちに、今の恋が始まる。

    文学研究ヴィクトリア朝文学恋愛発見相互参照
  1. 受賞作: The Djinn in the Nightingale's Eye

    伝説的なジン(精霊)をめぐる幻想的な短編。寓話的な構成で物語の力や欲望、人間関係を描き、知的なユーモアと物語性が融合した一篇。

    幻想(ファンタジー)寓話欲望と物語ジェンダー
  1. 受賞作: The Djinn in the Nightingale's Eye

    ジンや民話的モチーフを現代的に編んだ短編集。多様な文化的伝承を題材に、人間関係や欲望、運命にまつわる寓意的な物語を集めた作品集。

    短篇集民話寓意文化交流
  1. 受賞作: The Thing in the Forest

    A. S. Byatt の The Thing in the Forest は短編として読まれる作品で、単独書籍としての刊行は確認できません。

    The Thing in the Forest は、受賞作として読み継がれている。

    短編余韻
  1. 受賞作: The Children's Book

    20世紀初頭を舞台に、作家や俳優の一家を中心に展開する群像劇。童話制作や芸術、政治が絡み合い、世代を超えた愛憎と創作の葛藤を描く長編。

    20世紀初頭を舞台に、作家や俳優の一家を中心に展開する群像劇。

    歴史小説家族文学芸術成長

作品

代表作

Possession: A Romance(ポゼッション)

1990年 歴史小説/ロマンス/ポストモダン

二人の現代の研究者が、19世紀の架空の詩人たちの関係を調査する過程で明らかになる愛と学術的発見を描く二重の物語構造を持つ小説。

学問と愛異時代の対応(intertextuality)ヴィクトリア朝文学への言及
映像化・舞台化
  • [映画] Possession(映画版) / Neil LaBute (2002)

The Children's Book(子どもの本)

2009年 歴史小説

1895年から第一次世界大戦終結までを舞台に、架空の作家オリーヴ・ウェルウッドらを中心に描く群像劇。家族・芸術・教育・戦争の主題が絡む長編。

児童文学史への言及家族と教育戦争と社会変容

The Virgin in the Garden(クワルテット第1巻)

1978年 現代小説/家族小説

20世紀中頃のイギリスを背景に、若い知識人フレデリカの成長や家庭の変化を描く四部作の第一作。

家族史女性の知的成長社会変革

Angels & Insects(収録:Morpho Eugenia)

1992年 中篇小説/ヴィクトリア朝趣向

昆虫学や自然史への関心と人間関係を絡めた中篇2作を収めた作品集。代表作『Morpho Eugenia』は映画化された。

動物学・昆虫学への興味ヴィクトリア朝と科学階級と性
映像化・舞台化
  • [映画] Angels & Insects(映画) / Philip Haas (1995)

全著作

  • Shadow of a Sun(後に The Shadow of the Sun として再版)
  • The Game
  • The Virgin in the Garden
  • Still Life
  • Babel Tower
  • A Whistling Woman
  • Possession: A Romance
  • Angels & Insects(Morpho Eugenia 等)
  • The Biographer's Tale
  • The Children's Book
  • Ragnarok: The End of the Gods
  • The Djinn in the Nightingale's Eye

翻案

  • Possession(2002年映画、監督:Neil LaBute)
  • Angels & Insects(1995年映画、監督:Philip Haas)

作風・主題

文体
博識で学術的な引用と物語を重ねる文体現実主義と幻想要素の融合多層的なテクスト間関係(インターテクスチュアリティ)
頻出モチーフ
動物学・昆虫学・地質学への関心絵画や美術への言及死と喪失(特に子どもの死)家庭と世代間の物語

健康

  • 重度の喘息(幼少期)
    幼少期から青年期にかけて(詳細年不明)
    若年期に寝込むことが多く、読書を逃避とし、執筆や文学への興味形成に影響を与えた。

評価・遺産

A・S・バイアットは博識で学術的な小説と批評を通じて現代英文学に大きな影響を与え、多くの国際的賞を受賞。インターテクスチュアリティとヴィクトリア朝文学への再読を通じた作品群は高く評価されている。

関連学会

  • 英国アカデミー
  • アメリカ芸術科学アカデミー(名誉会員)

引用

  • 『フェアリーテイルで育った』というアンジェラ・カーターの言葉は私にとって非常に重要だった。現実主義的な物語よりもずっと重要だ、と彼女が言ってくれたことで私は勇気を得た。
    出典: インタビュー(The Paris Review 等) (2001年)

豆知識

  • 執筆は主に手書きで行い、長編小説をパソコンで書くことはほとんどなかった。
  • 11歳の息子を飲酒運転による事故で失っており、その喪失は作風や主題に深く影響した。
  • 1999年にDBE(Dame)に叙されるなど多くの栄誉を受けた。
  • 作品は30以上の言語に翻訳されている。