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ヘンリク・シェンキェヴィチ

ヘンリク・シェンキェヴィチ

Henriku Shienkyewicchi

ペンネーム: リトヴォシュ(Litwos)新聞・雑誌への寄稿で使用した筆名

プロフィール

性別
男性
生誕
1846-05-05 (ヴォラ・オクジェイェスカ(ルブリン県、ポーランド王国))
死没
1916-11-15 (ヴヴェ(ヴォー州、スイス)) 70歳
国籍
ポーランド
言語
ポーランド語
宗教
ローマ・カトリック
居住地歴
ワルシャワ(ポーランド) → オブレンゴレク(キエルツェ近郊、ポーランド) → クラクフ(ポーランド) → ヴヴェ(スイス) → パリ(フランス) → ロンドン(イギリス) → アナハイム/カリフォルニア(アメリカ合衆国)

経歴

職業
作家, 小説家, ジャーナリスト
活動期間
1869年〜1916年
所属
ポーランド学術院(Akademia Umiejętności/Academy of Learning), ロシア科学アカデミー, セルビア科学芸術アカデミー, アカデミア・デラルカディア(イタリア), チェコ王立学会(Royal Czech Society of Sciences)
所属団体
ポーランド学術院(Akademia Umiejętności), ロシア科学アカデミー, セルビア科学芸術アカデミー, チェコ王立学会, アカデミー・デラルカディア(イタリア)
影響を受けた人物
ヴィクトル・ユーゴー, 古典ギリシャ・ラテン文学
影響を与えた人物
20世紀のポーランド歴史小説作家, ポーランドの読者層および学校教育での世代

学歴

ワルシャワ大学(当時は帝国ワルシャワ大学)
文献・歴史学研究所(Institute of Philology and History) / 古典語・歴史学
期間: 1866–1871
卒業年: 1871
国: ポーランド(当時はロシア帝国領)
古典ギリシャ語の試験に合格できず、学位は取得しなかったとされるが1871年に学業は修了した

受賞歴

ノーベル文学賞
1905
主催: ノーベル委員会 / ノーベル財団
結果: winner
レジオン・ドヌール勲章
1904
主催: フランス政府
結果: recipient
名誉博士(ヤギェウォ大学)
1900
主催: ヤギェウォ大学
結果: honorary degree
名誉博士(リヴィウ大学)
1911
主催: リヴィウ大学
結果: honorary degree
名誉市民(リヴィウ)
1902
主催: リヴィウ市
結果: honorary

受賞・候補エディション

  1. 古代ローマ時代を舞台に、新興キリスト教と帝政の腐敗を対比させて人間の信仰や道徳を描く歴史小説。国際的に翻訳され広く読まれ、作家としての名声とノーベル賞受賞の主要因となった作品である。

    暴君ネロの時代に、信仰と愛が試される歴史小説。

    359ページ
    歴史小説宗教と道徳古代ローマ愛と倫理

作品

代表作

火と剣(トリロジー第1巻)

1884年 歴史小説

17世紀のポーランド・リトアニア共和国を舞台に、コサック蜂起などを描いた歴史叙事詩。

愛国心武勇歴史的記憶
映像化・舞台化
  • [映画] オグニエム・イ・ミエチェム(With Fire and Sword) / Jerzy Hoffman (1999)
翻訳
  • 英語訳(複数版)

洪水(トリロジー第2巻)

1886年 歴史小説

スウェーデンの侵略(いわゆる「洪水」)を背景にした物語で、トリロジーの第2作。

国家の存続犠牲軍事と政治
映像化・舞台化
  • [映画] ポトップ(The Deluge) / Jerzy Hoffman (1974)
翻訳
  • 英語訳(複数版)

パン・ウォウォディヨフスキ(トリロジー第3巻)

1888年 歴史小説

トリロジーの完結編にあたり、ポーランドの軍人たちの物語を描く。

名誉友情戦争と日常
映像化・舞台化
  • [映画] 大佐ウォウォディヨフスキ(Colonel Wołodyjowski) / Jerzy Hoffman (1969)
翻訳
  • 英語訳(複数版)

クォ・ヴァディス(Quo Vadis)

1896年 歴史小説 / 初期キリスト教を扱う物語

ネロ帝時代のローマを舞台に、初期キリスト教徒とローマ社会を対比させた長編。国際的なベストセラーとなった作品。

信仰と迫害道徳と救済権力の腐敗
映像化・舞台化
  • [映画] クォ・ヴァディス(Quo Vadis) / Mervyn LeRoy (1951)
  • [映画] クォ・ヴァディス(Quo Vadis) / Enrico Guazzoni (1913)
  • [テレビ(ミニシリーズ)] クォ・ヴァディス(Quo Vadis?) / Franco Rossi (1985)
翻訳
  • 英語訳(Jeremiah Curtin ほか)

クルシャツァツィ(騎士=Teutonic Knights)

1900年 歴史小説

グルンヴァルトの戦いを中心に、中世のポーランド・リトアニアと騎士団の対立を描く。

民族意識歴史教育勝利の神話化
映像化・舞台化
  • [映画] 十字軍騎士(Knights of the Teutonic Order) / Aleksander Ford (1960)
翻訳
  • 英語訳(複数版)

砂漠と荒野で(W pustyni i w puszczy)

1912年 冒険小説(児童・青少年向け)

アフリカを舞台にした少年少女の冒険物語。児童文学として広く読まれている。

冒険友情文化の遭遇
映像化・舞台化
  • [映画] 砂漠と荒野で(In Desert and Wilderness) / Władysław Ślesicki (1973)
  • [映画] 砂漠と荒野で(In Desert and Wilderness) / Gavin Hood (2001)
翻訳
  • 英語訳(複数)

全著作

  • ナ・マルネ(In Vain / 1872)
  • スタリ・スワガ(The Old Servant / 1875)
  • ハニア(Hania / 1876)
  • セリム・ミルザ(Selim Mirza / 1877)
  • オグニエム・イ・ミエチェム(With Fire and Sword / 1884)
  • ポトップ(The Deluge / 1886)
  • パン・ウォウォディヨフスキ(Sir Michael / 1888)
  • クォ・ヴァディス(Quo Vadis / 1896)
  • クルシャツァツィ(The Teutonic Knights / 1900)
  • ナ・ポルウ・フヴァリ(On the Field of Glory / 1906)
  • ウィリ(Whirlpools / 1910)
  • ウ・プストニ・イ・ウ・プシュチ(In Desert and Wilderness / 1912)

翻案

  • クォ・ヴァディス(1913、1924、1951、2001 など複数回映画化)
  • トリロジー各巻(映画・テレビ化あり:1969年、1974年、1999年 等)
  • 砂漠と荒野で(1973年、2001年に映画化)

作家による翻訳

  • ヴィクトル・ユーゴー『九三年(Ninety-Three)』のポーランド語共訳(1874)

作品の翻訳

  • クォ・ヴァディス:英語・フランス語・ドイツ語等、40以上の言語に翻訳
  • 火と剣:多くの言語に翻訳(生前に少なくとも26の翻訳が存在)

作風・主題

文体
叙事的で物語性の強い文体歴史描写に重点を置く筆致明瞭で読みやすい語り口
頻出モチーフ
愛国心と民族の英雄譚信仰と道徳弱者の苦悩

健康

  • 虚血性心疾患
    晩年(1916年に死去)
    晩年に体調を崩し、1916年に心疾患で死去した。活動の制約があったとされる。
  • 結核(妻の死因に関連する記述あり)
    1880年代(周辺の活動・慈善に影響)
    妻の結核による死後、結核患者支援のための基金設立など慈善活動を行った。

評価・遺産

トリロジーや『クォ・ヴァディス』で知られるポーランドを代表する歴史小説家。1905年にノーベル文学賞を受賞し、ポーランド国内では学校教育や大衆文化に強い影響を残した。

記念館・博物館

  • ヘンリク・シェンキェヴィチ博物館(オブレンゴレク) オブレンゴレク(キエルツェ近郊)、ポーランド 1958年開館
  • ヘンリク・シェンキェヴィチ博物館(ヴォラ・オクジェイェスカ) ヴォラ・オクジェイェスカ(出生地)、ポーランド 1966年開館
  • ヘンリク・シェンキェヴィチ博物館(ポズナン) ポズナン、ポーランド 1978年開館

関連学会

  • ポーランド学術院
  • ロシア科学アカデミー
  • セルビア科学芸術アカデミー

資料所蔵先

  • オブレンゴレクの資料館・博物館所蔵資料
  • ワルシャワおよびクラクフの図書館・アーカイブ所蔵資料

大衆文化への影響

  • 『クォ・ヴァディス』の映画化(1951年版が国際的に有名)
  • ポーランド国内の学校教育で教科書に採用される作品多数
  • 地名や学校、広場に多数の命名(70校以上の学校など)

引用

  • 「彼(ノーベル賞)はポーランドの息子として特別な価値を持つ」——彼の受賞演説では「ポーランドは死んだと宣告されたが、生きている証拠である」と述べた。
    出典: 1905年 ノーベル賞受賞演説 (1905年)

豆知識

  • ノーベル文学賞は生涯業績に対して授与され、特定の作品名は賞状に記載されていない。
  • ロシア帝国がベルヌ条約の加盟国でなかったため、翻訳による印税をほとんど受け取れなかった。
  • 筆名「Litwos」を用いて雑誌記事やコラムを執筆した。
  • 出生地近くにシェンキェヴィチ記念の塚(Sienkiewicz Mound)がある。