-
第4回(1972年) 受賞受賞作: G.
世紀初のヨーロッパを舞台に、G と呼ばれる若い男の恋愛遍歴を軸として、性愛、政治、革命、近代の気配が交錯する異色の長編。断片的に進む語りのなかで、欲望と歴史が一つの流れとして立ち上がる。
ドン・ファン神話を、近代史のうねりのなかで描き直した、断片的で濃密な長編。
337ページ長編ドン・ファン性愛革命近代史
ジョン・バーガー
ジョン・バーガー
John Berger
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1926-11-05 (ロンドン ストーク・ニューイングトン)
- 死没
- 2017-01-02 (フランス オントニー(オート=ド=セーヌ)) 90歳
- 国籍
- イギリス
- 言語
- 英語
- 居住地歴
- イギリス(ロンドン) → フランス(オート=サヴォワ、後にパリ近郊)
経歴
- 職業
- 小説家, 美術批評家, 画家, 詩人, 脚本家
- 活動期間
- 1946年〜2016年
- 影響を受けた人物
- ヴァルター・ベンヤミン, マルクス主義理論, 写真家・コラボレーターのジャン・モール
- 影響を与えた人物
- ラウラ・マルヴェイ(女性学・映画批評), 現代の美術・文化批評, 動物研究(animal studies)分野の研究者
- ノミネート
- 2008年 ブッカー賞 ロングリスト(From A to X)
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| セント・エドワーズ・スクール(オックスフォード) | — | — | — | — | イギリス |
| チェルシー美術学校(Chelsea School of Art) | — | 美術 | — | — | イギリス |
| セントラル・スクール・オブ・アート・アンド・デザイン | — | 美術・デザイン | — | — | イギリス |
セント・エドワーズ・スクール(オックスフォード)
国:
イギリス
中等教育機関として在籍。詳細な在籍期間は不明。
チェルシー美術学校(Chelsea School of Art)
美術
国:
イギリス
美術教育を受け、その後画家として活動を開始。
セントラル・スクール・オブ・アート・アンド・デザイン
美術・デザイン
国:
イギリス
さらに専門的な美術教育を受けた。
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1972 | ブッカー賞 | G. | — | ブッカー賞運営団体 | 受賞 |
| 1972 | ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞 | G. | — | ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞選考委員会 | 受賞 |
| 1991 | ペトラルカ賞 | — | — | Petrarca-Preis | 受賞 |
| 2009 | ゴールデンPEN賞 | — | — | English PEN | 受賞 |
ブッカー賞
1972
対象作品:
G.
主催:
ブッカー賞運営団体
結果:
受賞
ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞
1972
対象作品:
G.
主催:
ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞選考委員会
結果:
受賞
ペトラルカ賞
1991
主催:
Petrarca-Preis
結果:
受賞
ゴールデンPEN賞
2009
主催:
English PEN
結果:
受賞
受賞・候補エディション
ブッカー賞
1回登壇
ジェームズ・テイト・ブラック記念賞
1回登壇
-
第54回(1972年) 受賞受賞作: G(G.)
主人公Gをめぐる物語を通して20世紀前半のヨーロッパ社会の変化、階級や性、政治意識の揺らぎを描く実験的長編。多声的な語りと断片的構成を用い、個人史と歴史的文脈の重なりを探る作品。
主人公Gをめぐる物語を通して20世紀前半のヨーロッパ社会の変化、階級や性、政治意識の揺らぎを描く実験的長編。多声的な語りと断片的構成を用い、個人史と歴史的文脈の重なりを探る作品。
社会変動階級政治意識実験的小説
ラナン文学賞
6回登壇
-
第122回(2002年 第4回開催) 生涯功労賞受賞作: 生涯業績
長年の著作活動と批評活動を通じて社会文化に影響を与えた功績が評価された生涯業績賞。複数ジャンルにわたる著作が対象となった。
生涯業績文学批評文化 -
第148回(2002年 第9回開催) 生涯功労賞受賞作: 受賞業績美術批評社会文化
-
第151回(2002年 第12回開催) 生涯功労賞
-
第40回(2005年) 受賞受賞作: The Year is '42
作品
代表作
G.
1972年 小説(ピカレスク)19世紀末のヨーロッパを舞台にしたピカレスクな恋愛小説。政治と個人の関係や欲望、人間の移動を描く。
欲望移動政治
Ways of Seeing(見えることの方法)
1972年 美術批評 / エッセイBBCのテレビシリーズに付随するテキストで、視覚文化の読み解きや美術における『視線』の問題を提示。広告や絵画における女性像の扱いを批判的に分析した。
視覚文化男性の視線近代美術批評
映像化・舞台化
- [テレビシリーズ] Ways of Seeing(テレビシリーズ) / Mike Dibb (1972)
A Fortunate Man(幸運な医師)
1967年 ノンフィクション / 社会記述田舎の医師の生涯を通じて医療、コミュニティ、職業倫理を描いたドキュメンタリー風の作品。写真家ジャン・モールとの共著。
医療コミュニティ労働
A Seventh Man(第七の男)
1975年 ノンフィクション / 社会学ヨーロッパにおける移民労働者の生活と困難を記録したルポルタージュ。ジャン・モールの写真と併せて刊行。
移民労働社会的疎外
About Looking
1980年 エッセイ芸術、観察、動物と人間の関係などを論じるエッセイ集。中でも「なぜ動物を見るのか?」は動物研究分野で影響力がある。
観察動物芸術
From A to X
2008年 小説(手紙形式)手紙形式で綴られる物語。個人的・政治的な主題を扱い、2008年にブッカー賞ロングリスト入りした。
愛政治検閲・移動
全著作
- A Painter of Our Time(1958)
- The Foot of Clive(1962)
- Corker's Freedom(1964)
- G.(1972)
- A Fortunate Man(1967)
- A Seventh Man(1975)
- About Looking(1980)
- Pig Earth(1979)/Into Their Labours 三部作
- To the Wedding(1995)
- King: A Street Story(1999)
- From A to X(2008)
- Confabulations(2016)
翻案
- The Seasons in Quincy: Four Portraits of John Berger(2016、Tilda Swintonら監督)
- Jonah Who Will Be 25 in the Year 2000(脚本参加、1976)
作風・主題
- 文体
- マルクス主義的視点を取り入れた批評的エッセイ風の文体絵画や写真への詳細な観察と説明を伴う記述散文詩的・随筆的な語り
- 頻出モチーフ
- 土地と農民労働・移民見ることと視線(male gaze)記憶と場所
評価・遺産
ジョン・バーガーは美術批評、写真理論、小説の領域で強い影響力を持ち、視覚文化の理解に新たな視点をもたらした。『Ways of Seeing』は教育的・学術的に広く参照され、彼の社会的関心に基づく作品群は政治的・文化的議論に貢献した。
資料所蔵先
- 英国図書館 ジョン・バーガーアーカイブ
大衆文化への影響
- テレビシリーズや映画制作、現代批評やフェミニズム理論への影響
引用
-
私たちが見るものと私たちが知っているものとの関係は決して固定されていない。
出典: Ways of Seeing(1972) (1972年)
豆知識
- 1972年にブッカー賞を受賞し、賞金の半分を英国ブラックパンサーに寄付した。
- ビデオゲーム『Grand Theft Auto: London 1969』で声の出演をしている(1999年、アーカイブ的資料により知られる)。
- 約50年以上フランスに居住した(主にオート=サヴォワ地方に移住して以降)。
- 英国内外で美術批評と社会的関心を結びつけた作品群で知られる。