世界・海外・国外の文学賞

← ホームに戻る

ルシール・クリフトン

ルシール・クリフトン

Rushīru Kurifuton

プロフィール

性別
女性
生誕
1936-06-27 (デピュー(ニューヨーク州))
死没
2010-02-13 (バルチモア(メリーランド州)) 73歳
国籍
アメリカ合衆国
言語
英語
居住地歴
デピュー(ニューヨーク州)/バッファロー近郊 → ワシントンD.C. → バルチモア(メリーランド州) → サンタクルーズ(カリフォルニア州)

経歴

職業
詩人, 作家, 教育者
活動期間
1960年〜2010年
所属
コッピン州立大学(詩人常駐), コロンビア大学(客員作家/客員教授), ジョージワシントン大学(客員作家), カリフォルニア大学サンタクルーズ校(教授), セントメアリーズ大学(名誉人文学教授), アカデミー・オブ・アメリカン・ポエッツ(審議会/理事)
所属団体
アカデミー・オブ・アメリカン・ポエッツ(理事)
影響を受けた人物
ラングストン・ヒューズ, イシュメイル・リード, エミリー・ディキンソン(文体比較)
影響を与えた人物
リタ・ドーヴ, ナターシャ・トレセウェイ, 若手アフリカ系アメリカ人詩人たち

学歴

Fosdick-Masten Park 高等学校
期間: 〜1953
卒業年: 1953
国: アメリカ合衆国
高校卒業
ハワード大学
期間: 1953–1955(奨学金で在籍、卒業証明は不明)
国: アメリカ合衆国
1953–1955 在籍、奨学金での出席
ニューヨーク州立フレドニア校(State University of New York at Fredonia)
国: アメリカ合衆国
ハワード大学から転校して在籍

受賞歴

ナショナル・ブック賞(詩部門)
2000
対象作品: Blessing the Boats: New and Collected Poems 1988–2000
部門:
主催: ナショナル・ブック財団
結果: 受賞
ルース・リリー詩賞
2007
主催: アメリカ詩協会(Ruth Lilly基金)
結果: 受賞
ロバート・フロスト・メダル(生涯業績)
2010
主催: ポエトリー・ソサエティ・オブ・アメリカ
結果: 受賞
ラナン文学賞(詩)
1996
主催: ラナン財団
結果: 受賞
コレッタ・スコット・キング賞
1984
対象作品: Everett Anderson's Goodbye
部門: 児童書
主催: アメリカ図書館協会(Coretta Scott King Roundtable)
結果: 受賞
シェリー記念賞
1992
主催: アメリカ詩協会
結果: 受賞
全米芸術基金(NEA)創作助成
1970
主催: 全米芸術基金
結果: 助成
全米芸術基金(NEA)創作助成
1973
主催: 全米芸術基金
結果: 助成
ピューリッツァー賞(詩部門)
1988
対象作品: Good Woman: Poems and a Memoir (1969–1980) / Next: New Poems
部門:
主催: ピューリッツァー賞委員会
結果: ファイナリスト(同年に詩集2冊がファイナリスト)

受賞・候補エディション

  1. 受賞作: Amifika

    詩的表現を通してアフリカ系アメリカ人の文化やアイデンティティ、共同体の記憶を探る詩集的作品。言葉のリズムや象徴を用いて若い読者にも文化理解を促す。

    文化アイデンティティ
  1. 受賞作: Everett Anderson's Goodbye

    少年エベレットが大切な人との別れに直面し、悲しみと記憶を受け入れていく過程をやさしく描いた児童書。死別と癒しを子どもの視点で扱う。

    喪失家族子どもの感情癒し
  1. 受賞作: 生涯業績 — 代表詩集: 'Blessing the Boats'

    クリフトンの詩は短く直接的な行を用いながら、家族や女性の経験、アフリカ系アメリカ人の生涯を普遍的に表現する力を持つ。具体的な日常の描写から復興と抵抗の物語を紡ぎ、読者に強い共感と倫理的省察を促す。

    家族人種女性性レジリエンス

作品

代表作

Good Times

1969年 詩集

初期の詩集。6人の子供たちへの言及や日常生活の観察を通して家族や喜びを描く。

家族日常性母性

Two-Headed Woman

1980年 詩集

『homage to my hips』などを含む詩集。黒人女性の身体性と誇りを祝福する作品群。

身体性黒人女性の祝福神話化

Quilting: Poems 1987–1990

1991年 詩集

キルトを比喩に人生の断片や物語を縫い合わせるように構成された詩集。

記憶継承コミュニティ

The Book of Light

1993年 詩集

人権や社会正義への問いかけを含む作品群。政治的・道徳的主題に踏み込む詩も収録。

社会正義人権政治批評

Blessing the Boats: New and Collected Poems 1988–2000

2000年 詩集(選集)

過去作品の再収録と新作を組み合わせた選集。乳がんとの闘い、神話、宗教、奴隷制の遺産などを扱う。

病と生神話歴史の遺産

Voices

2008年 詩集

晩年の詩集。日常と記憶、個人的な喪失を扱う短詩が多い。

喪失記憶日常

全著作

  • Good Times(1969)
  • Good News About the Earth(1972)
  • An Ordinary Woman(1974)
  • Two-Headed Woman(1980)
  • Good Woman: Poems and a Memoir: 1969–1980(1987)
  • Next: New Poems(1987)
  • Ten Oxherding Pictures(1988)
  • Quilting: Poems 1987–1990(1991)
  • The Book of Light(1993)
  • The Terrible Stories(1996)
  • Blessing the Boats: New and Collected Poems 1988–2000(2000)
  • Mercy(2004)
  • Voices(2008)
  • The Collected Poems of Lucille Clifton(2012、編集版)
  • Generations: A Memoir(1976)
  • 多数の児童書(Everett Andersonシリーズ等)

作風・主題

文体
短い行と簡潔な語り大文字・句読点を省いた余白を生かす詩風身体を中心に据えた内面の描写
頻出モチーフ
身体(手・髪・腰)家族と母性黒人としてのアイデンティティ神話化と継承

健康

  • 多指症(幼少期に余分な指を切除)
    幼少期
    『ゴースト・フィンガー』と呼ばれる主題が詩作に取り入れられた。
  • 痛風
    晩年
    歩行に支障を与えたことがあるとされる。
  • 乳がん(治療歴あり)
    1990年代以降(作品に反映)
    病との闘いが詩集『Blessing the Boats』などで扱われ、生存と怒りを語る題材となった。

評価・遺産

短い行と簡潔な語法で黒人女性の身体と生活を描き、アメリカ現代詩に大きな影響を残した詩人。生涯にわたる業績で多くの主要賞を受賞・候補となり、詩教育や児童文学にも貢献した。

記念館・博物館

  • クリフトン・ハウス(保存・復元プロジェクト) メリーランド州バルチモア近郊

関連学会

  • アカデミー・オブ・アメリカン・ポエッツ

資料所蔵先

  • アメリカ議会図書館(関連記録あり)
  • BOA Editions(出版社アーカイブ等)

大衆文化への影響

  • ニューヨーク公共図書館前の碑文に詩が引用されている
  • 学校やワークショップでの詩教育の教材として広く採用されている

引用

  • 「がんの後 私は生きていることにとても感謝した。私は生きていて憤っている。/これさえも祝福されよ?」
    出典: Blessing the Boats(2000)より「dialysis」 (2000年)

豆知識

  • 家族に多指症の遺伝があり、幼少期に余分な指が切除された経験が詩の主題になった。
  • 1988年に詩集2冊が同年のピューリッツァー賞の最終候補になった初の作家の一人。
  • 1979–1985年にメリーランド州の詩人桂冠(Poet Laureate)を務めた。