コモンウェルス短編小説賞 こもんうぇるすたんぺんしょうせつしょう
Edition 2 (2013)
Winners
5 people町はずれの古びた酒場を舞台に、客たちの視線や耳を意識しながら進む短編。居心地の悪い空気と観察の鋭さが、場の緊張をじわじわと高める。
酒場の静けさの裏で、視線の圧力が濃くなる。
南アフリカ出身の作家。2013年のCommonwealth Short Story Prize(アフリカ地域)受賞者。
乾いた季節が続く古い家を舞台に、雨の匂いが失われた記憶を呼び戻していく短編。現在の静かな時間と、若いころの感覚が重なり合い、主人公の内側に残る希望と喪失を浮かび上がらせる。
雨の匂いが、長く閉じていた記憶の扉をそっと開く。
スリランカ出身の作家。2013年のCommonwealth Short Story Prize(アジア地域)受賞者。
競技のために並走していた兄妹が、ある喪失をきっかけに別々の道へ分かれていく短編。北米の自然や身体感覚を背景に、親密さと取り返しのつかない距離が静かに立ち上がる。
走ることは、ふたりを近づけるためではなく、別れの輪郭を浮かび上がらせる。
カナダ出身の作家。2013年のCommonwealth Short Story Prize(カナダ・ヨーロッパ地域)受賞者。
トリニダードの社会のひずみを背景に、喪失や暴力、家族の秘密を静かな筆致で浮かび上がらせる短編。日常のなかに潜む不穏さが、地域の歴史や共同体の感覚とともに立ち上がる。
日常の静けさの下で、失われたものと隠されたものがゆっくり姿を現す。
トリニダード・トバゴ出身の作家。2013年のCommonwealth Short Story Prize(カリブ地域)受賞者。
子どものころの感覚や家族の記憶が、動物的なイメージとともにゆっくり立ち上がる短編。現実と非現実の境界が揺れるなかで、慰めや愛情のかたちを探る物語になっている。
記憶は断片的でも、そこから生まれる感情は驚くほど生々しい。
ニュージーランド出身の作家。2013年のCommonwealth Short Story Prize(パシフィック地域)受賞者。