コスタ・ブック賞 こすたぶっくしょう
第32回(2002年)
受賞者
5名『Spies』は第二次世界大戦期のイギリスを舞台に、子どもの視点から大人社会の謎と欺瞞を描く長篇。記憶と再解釈を主題に、過去の出来事が時間を経て異なった意味を帯びることを繊細に描写する心理的物語である。
劇作家としても知られるイギリスの作家。記憶とユーモア、知性的な筆致が特徴。
『The Song of Names』は、天才ヴァイオリニストの失踪とそれを巡る追跡を通じて、音楽・アイデンティティ・贖罪を描く物語。音楽の記憶と個人史が交差し、過去の戦争や歴史的背景が登場人物に影を落とす重厚な長編である。
音楽評論家として知られる作家。音楽を題材にした長編でフィクションでも高い評価を得る。
『Saffy's Angel』は家族とルーツの探求を描く児童小説。主人公サフィーの成長と自己発見をユーモアと温かさをもって描き、家族の絆やアイデンティティの回復を中心に展開するハートフルな物語である。
英国の児童文学作家。家族と子どもの視点を温かく描く作風で知られる。
詩集『The Ice Age』は自然の風景と人間の記憶、時間感覚を対照させながら現代社会を見つめる作品群。冷たいイメージと内的な温度感覚が交差し、個人的経験と公共的風景の関係を詩的に探る。
風景と記憶を主題にした詩作で知られるイギリスの詩人。
『Samuel Pepys: The Unequalled Self』は17世紀の記録者サミュエル・ピープスの生涯と日記を精緻に再検討した伝記。私生活や職務、当時の社会情勢を詳細に描き、ピープスの時代と人物像を立体的に描出する学術的かつ読みやすい研究書である。
英国の著名な伝記作家。入念な史料調査に基づく人物研究で評価される。