ヒラリー・ウェストン ライターズ・トラスト ノンフィクション賞
ひらりーうぇすとん らいたーず とらすと のんふぃくしょんしょう
Writers' Trust of Canada が毎年授与する、カナダのノンフィクション作品に対する主要な文学賞。賞金は2023年よりCA$75,000。
- 創設年
- 1997
- 主催
- Writers' Trust of Canada
- カテゴリー
- ノンフィクション・記録文学
- 選考方式
- 選考
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 発表時期
- 11月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Hilary Weston Writers' Trust Prize for Nonfiction は、Writers' Trust of Canada が毎年授与するカナダのノンフィクション作品に贈られる文学賞。1997年に創設され、カナダで最も高額なノンフィクション賞の一つとされる。2011年以降は慈善家のヒラリー・ウェストンがスポンサーとなっている。受賞者は(現在)CA$60,000、ファイナリストは各CA$5,000を受け取る。スポンサーは設立当初 Viacom、その後 Pearson Canada(1999〜)、Nereus Financial(2006〜2008)などを経て、2011年にヒラリー・ウェストンが就任した。2023年には国際部門として Weston International Award(国際賞)が導入されている。
賞品
- 主賞品
- 受賞者はCA$60,000を受領。全ファイナリストは各CA$5,000を受領。
- 賞金
- 60,000 CAD
- ファイナリストは各CA$5,000
- 歴史的に2011年以前は受賞者CA$15,000、ファイナリストCA$2,000であった
- Weston International Award(国際賞)は2023年導入で賞金はCA$75,000(国際部門)
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 提出/ノミネーション | 選考委員(年ごとにWriters' Trustが選定) | — | — |
| ショートリスト選定 | 選定された審査員団が候補を絞る | — | ショートリストは毎年9月頃にWriters' Trust公式サイトおよび報道で発表されることが多い |
| 受賞者選定・発表 | 同上の審査員団が受賞作を選出 | — | 受賞者は毎年秋(主に10〜11月)に公式発表される |
選考基準
- 最も優れたノンフィクション作品であること(作品の質・表現力)
- 著者がCanadian writer(カナダの作家)であること
- 研究・取材の深さ、独創性、読み手へのインパクトなども評価対象となる
応募のヒント
推奨
- 公式の応募/ノミネーション要項を事前に確認すること(締切・提出形式など)
- 書籍はノンフィクションであることを明確にする
- 出版社や代理人を通しての応募方法が多いため、事前に調整する
- 作品の編集・校正を徹底し、要旨や推薦文を整えておく
注意
- 締切や応募要項を無視して提出形式を崩さないこと
- 不十分な編集状態の原稿を提出しないこと
- 応募資格(カナダの作家であること)を満たしていない場合は申請しないこと
関連の賞
- Atwood Gibson Writers' Trust Fiction Prize
- Balsillie Prize for Public Policy
- Dayne Ogilvie Prize
- Journey Prize
- Latner Griffin Writers' Trust Poetry Prize
- Matt Cohen Award
- RBC Bronwen Wallace Award for Emerging Writers
- Shaughnessy Cohen Prize for Political Writing
- Vicky Metcalf Award for Literature for Young People
- Writers' Trust Engel/Findley Award
- Weston International Award (国際賞)
公式情報
https://web.archive.org/web/20110515015304/http://www.writerstrust.com/Awards/Writers--Trust-Hilary-Weston-Prize.aspx過去の受賞者
『There Is No Blue』は感覚と記憶を手がかりにしたエッセイ群で、色や風景、喪失をめぐる静かな思索を展開する。日常の細部に宿る微かな喪失感や言葉にし難い心情を掬い上げ、感覚の乖離と再生について考察する作品。
カナダの作家。詩的で知的な筆致による作品群を発表しており、個人的な記憶や感覚を扱うノンフィクションでも知られる。
『Ordinary Notes』は断章的なエッセイや覚書を通じて、日常に潜む人種、記憶、暴力、ケアについて詩的かつ批評的に考察する作品。個人的な体験と学術的視座を行き来しながら、ブラックネスの経験と時間性を新たな角度から照らし出す。
人種・文化・記憶に関する批評的な著作で知られる学者兼作家。詩的な文章と理論的考察を融合させた作品で国際的に評価されている。
『The Invisible Siege』はコロナウイルスの進化と人類への影響、パンデミック到来の背景を歴史的・科学的に探るノンフィクション。ウイルス学や疫学、ワクチン研究、公衆衛生の課題を平易に解説し、現代社会が直面する備えと脆弱性を問い直す。
感染症や公衆衛生を研究する科学者であり作家。科学的な知見を一般向けに伝える著作を通じて、感染症に関する理解と政策的課題に光を当てている。
『Permanent Astonishment』は自身の創作活動や先住民コミュニティでの経験、文化的記憶を綴る作品。劇作家としての視座と個人的な回想を織り交ぜ、文化の喪失と復興、創造の源泉についてユーモアと痛切さをもって語る。
クリー(Cree)出身の劇作家・作家・音楽家。演劇作品や小説、音楽活動を通じて先住民文化の表現と社会問題を問い続ける長年の文化的担い手である。
『Two Trees Make a Forest』は、著者が台湾の山や海を旅しながら家族の過去を辿る自然誌的回想録。地質や植物、食文化に関する観察と、個人的なルーツ探索を交差させて、記憶と環境史が織り成す風景を描き出す。
自然史と旅行を織り交ぜたノンフィクションで知られる作家。地形や生態、家族史を結び付けた筆致で評価を得ている。
『Older Sister. Not Necessarily Related』は、著者が養子としてカナダで育った経験を出発点に、血縁や姉妹関係、文化的断絶と再接続の物語を探る回想録。個人的な記憶と家族史を通して、帰属とアイデンティティの複雑さを率直に問いかける。
韓国生まれでカナダに育てられた作家。養子としての経験や家族関係、アイデンティティにまつわる鋭い観察と感情の記述で知られる。
『All Things Consoled』は娘の視点から母との関係や別れを見つめる回想録。記憶の揺らぎや介護の日常、喪失に向き合う過程で見出される小さな慰めや日常の瞬間を繊細に描き、個人的な悲嘆を普遍的な感受性へとつなげる物語。
カナダの作家。小説やエッセイで知られ、家族や記憶、喪失をテーマにした静かな筆致の作品を発表している。
『Life on the Ground Floor』は救急医療の最前線での日々を手紙風の短い章で綴る回想録。著者が国内外の病院や人道援助の現場で出会った患者や同僚の物語を通して、緊迫した医療現場の倫理的ジレンマ、疲弊、そしてそこにある小さな希望を繊細かつ率直に描き出す。
カナダの救急医師で作家。国内外の病院や人道援助の現場での経験をもとにエッセイや回想録を執筆し、医療現場の実情と人間ドラマを温かくも率直に描く。
ダマスカスでの失踪事件と、それに伴う友情や生存の物語を追うノンフィクション。シリア内戦という過酷な状況下で個人が直面した危機と、それに対する抵抗や連帯の光景を記録する。
作家。ダマスカスや中東の紛争にまつわるノンフィクション作品を発表している(詳細な経歴は公表情報が限られる)。
スターリンの娘スヴェトラーナ・アリルーエワ(Svetlana Alliluyeva)の波乱に満ちた人生を追う伝記。父スターリンとの関係、亡命と帰国を繰り返した複雑な生涯を通じて、20世紀ソ連史の一断面と個人の葛藤を浮き彫りにする。
カナダの作家・伝記作家。歴史的人物の伝記研究で高い評価を得ている。
気候変動を資本主義体制との関係で論じる政治経済書。成長至上の経済構造が環境破壊を助長していると指摘し、抜本的な経済・社会の転換と公共政策の再考を訴える。
カナダのジャーナリスト・著述家・活動家。気候変動や政治経済に関する批判的な著作で国際的に知られる。
アフガニスタン戦争を現地で取材したルポルタージュ。前線の軍事行動や民間人の被害、現地住民や兵士の証言を通じて戦争の現実を伝え、報道の困難さと国際社会の無理解を問い直す。
カナダのジャーナリスト。アフガニスタンをはじめとする紛争地の現地報道で知られる。
カナダのプレーリー(草原地帯)に刻まれた記憶と暴力の歴史を掘り起こす作品。先住民の歴史や植民地主義の影響、土地にまつわる個人的・集合的記憶を交差させながら、風景に埋もれた出来事を再構成する。
カナダのノンフィクション作家。自然史や地域史を扱い、風景と記憶を結びつけた著作が多い。
モルデカイ・リクラーの生涯と作品、彼を取り巻く時代や論争を克明に描いた評伝。モントリオールのユダヤ人コミュニティやカナダ文学史の文脈を背景に、作家の公的・私的側面を再構築する。
カナダの作家・評論家。伝記や歴史を題材にした精緻な研究で知られる。
著者が家族の過去に潜む傷を追い、親の経験や個人的記憶を掘り下げることで歴史と個人史の交差を探るノンフィクション。息子として過去を再検証し、記憶の再構築と和解を模索する深い探求が展開される。
カナダの作家・ジャーナリスト。個人的な家族史と社会的文脈を結びつけるノンフィクションを執筆している。
著者の農場での生活と記憶を起点に、現代農業や田園社会が抱える矛盾、環境問題、個人と土地の関係を綴るエッセイ。ユーモアと悲哀を交えつつ、土地への愛着と社会的変化を批評的に描き出す。
カナダの詩人・エッセイスト。自然や農村生活をテーマにした著作で知られる。
世界的な漁業資源の枯渇を背景に、海産物消費の倫理と持続可能性を取材で明らかにするルポ。漁業・養殖の実態、消費者の選択、政策の必要性を具体例と専門知見で示し、海を守るための食習慣の転換を提案する。
カナダの作家・ジャーナリスト。環境や都市、食文化に関するノンフィクションを多数執筆している。
レズォ・カスツナー(Rezso Kasztner)がナチスと交渉し、多数のユダヤ人を列車でスイスへ救出した経緯と、その後に浴びた非難や裁判を丹念に追う歴史ノンフィクション。豊富な資料と証言で救出の実態、道徳的ジレンマ、戦後評価の変遷を明らかにする。
カナダの作家・出版者。歴史や伝記を中心としたノンフィクション作品で知られる。
復讐と償い、歴史的対立が生む深い傷をテーマにしたノンフィクション。本書は個人やコミュニティの記憶を辿り、復讐の連鎖とその倫理的含意、和解の可能性について深く考察する。
作家。故郷や歴史的対立、個人と集団の記憶を扱う著作で知られる。
ブリティッシュコロンビアに生えていた希少な黄金のトウヒをめぐる実話を軸に、森林伐採、先住民の伝承、個人の狂気や利欲が交錯する事件を描く。自然保護と人間の欲望の葛藤を詩的かつ緻密に照射するノンフィクション。
自然と人間の交差をテーマにした作品で知られる作家。実話に基づく深いルポルタージュで国際的に評価される。
クローン、キメラ、延命技術など最先端の生命操作に関する調査報道。研究者や関係者の証言をもとに、技術的可能性と倫理的問題、社会への影響を多角的に掘り下げるノンフィクション。
科学・倫理分野を中心に調査報道を行うジャーナリスト。生命科学の社会的影響を追う作品を執筆する。
故郷を起点に環境破壊や経済変化、文化的摩擦を論じるエッセイ集。ローカルな視点からグローバル化がもたらす変化を描き、社会批評と文学的観察を融合させる鋭い随筆群。
カナダの作家で文化批評家。環境や都市、地域社会に関する鋭い観察と随筆で知られる。
カナダのシールド地帯でのハウスボート生活や自然との関わりを綴った随筆集。水辺の暮らしや季節の営み、土地に根ざした人々の営みを温かく描き、土地と人間の関係を考察する。
自然や地域生活を題材にした随筆で知られる作家。地域文化や日常の観察を丁寧に描く。
時間と記憶、個人史をめぐる回想と考察を織り交ぜた著作。著者自身の経験や文化的背景を手掛かりに、時間が人の生き方や記憶に与える意味を探る随想的ノンフィクション。
小説やエッセイ、回想録など幅広く執筆する作家。文化やアイデンティティを扱った観察的文章で評価される。
歴史記述の真偽とその解釈を巡る論考。史料や証言に基づき、真実と虚構、忘却と記憶が歴史認識に与える影響を検証し、歴史家と読者に倫理的な問いを投げかける作品。
歴史や記憶をテーマにしたノンフィクションを執筆する作家。史実と記憶の関係を問い直す作品で知られる。
東欧と第二次世界大戦をめぐる歴史的・個人的な物語を通じて20世紀の核心に迫るノンフィクション。政治・文化・記憶を織り交ぜながら、戦争が個人と社会に及ぼした深い影響を探る。
文化史や20世紀史を研究する評論家・歴史家。東欧や戦間期の文化的変貌を主題とする研究で知られる。
クリ族の女性の生涯を追ったノンフィクション。伝統や家族、カナダにおける同化政策や社会的圧力が個人の生活に与えた影響を、当事者の証言や背景史とともに描き出し、先住民女性の苦難と回復力を浮き彫りにする。
カナダの作家。歴史的テーマや先住民の経験を題材にした長編やノンフィクションでも知られる。
クリ族の女性の人生と経験を記録した共同著作。個人的証言を通じて先住民コミュニティの歴史、同化の影響、回復の道筋を描くノンフィクション作品。
本書の共同著者(当該作品ではクリ族の女性の証言を伝える中心人物として扱われる)。
戦後に成長した少年の視点から自身の幼年期と家族、戦争が残した心の傷を描く回想録。占領や混乱の記憶、帰還後の暮らしや社会との摩擦を背景に、記憶の断片と向き合いながら個人の再生の過程を繊細に綴る。
ノンフィクション作家。戦時体験や戦後の記憶をもとにした回想録やルポで知られる。